ホスファターゼ、ヌクレアーゼ、エステラーゼ、リパーゼ、コラゲナーゼなど)が含まれている。 異物を飲み込み、リソソームを結合して、内部の酵素で分解する ・単球は、末梢血中で異物と出会った場合、その異物を飲み込み(貪食し)、リソソームと融合して酵素 を作用させ、異物を分解する。 ・リソソームの語源は、「lysis:分解」+「some:~体」である。 ・分解物のうち有用なものは細胞質に吸収され、不用なものはエキソサイトーシスによって細胞外に廃 棄されるか、細胞内に留まる。 ・単細胞生物においては、リソソームは消化器官として機能しており、単球においても同様な働きをして いる。 単球は造血幹細胞から生まれてくる ・大食細胞とも呼ばれる。 ・単球およびマクロファージはともに単核食細胞系(mononuclear phagocyte system(MPS))に所属する。 造血幹細胞 → 顆粒球・マクロファージ系前駆細胞(CFU-GM) → マクロファージ系前駆細胞(CFU-M) → 単球 → マクロファージ ・血管壁を通り抜けた単球は、血管外の組織や体腔に遊走し、そこで組織固有のマクロファージに分化 する。
を蓄積する。 ・マクロファージは、組織内では分裂によっても増殖することができ、寿命は平均的には数ヶ月、場合に よっては数年であるとされる。 ・炎症時に血管から滲出したばかりのマクロファージは「滲出マクロファージ」、組織中にすでに在住して いるマクロファージは「組織球」と呼ばれて区別されることもある。組織球は特定の器官内に留まり、 移動しない。 ・マクロファージはリンパ小節や脾臓の赤脾髄などのリンパ組織に多く存在するが、その他の器官に移 動した場合、例えば肺に移動して分化したマクロファージは肺胞マクロファージ(alveolar macrophage)、 腹腔内のものは腹腔マクロファージ(peritoneal macrophage)、肝臓の洞様血管(類洞)の壁に定着した ものはクッパー細胞(kupffer cell)と呼ばれる。 ・また、破骨細胞、脳に存在するミクログリア細胞、鼻腔・肺・胃・腸管などに存在する樹状細胞、表皮 のランゲルハンス細胞もマクロファージの一種である。 マクロファージは強い貪食能を持つ ・炎症の初期にはどちらかというと好中球の活躍が大きいが、やがて多くのマクロファージが集まり、 抗体-抗原複合体、死んだ細胞や細菌を貪食して処理する。 ・マクロファージが貪食した異物は小胞(食胞、Phagosome)の形で取り込まれ、細胞内のリソソームと 融合することによって、リソソーム内の様々な加水分解酵素によって分解される。(上述の単球と同様 である。) 食べた物が何であったかを知らせる(抗原提示、種々物質の放出) ・マクロファージは、貪食して分解した断片の一部を細胞表面に提示する。 ・これは「抗原提示」と呼ばれ、ヘルパーTリンパ球やBリンパ球が認識することによって免疫反応が開 始される。 ・マクロファージは炎症の際などに、Tリンパ球の生産するサイトカインを受け取ることにより活性化する。 ・活性化されると、炎症にまつわる様々な物質を放出する。(各種サイトカイン、C1~C5までの補体タン パク、プロテアーゼ 、プラスミノーゲン活性化因子、血液凝固因子、プロペリジン、活性酸素、過酸化 水素など)。 ・上述のランゲルハンス細胞や樹状細胞は貪食能が弱く、抗原提示が主な役割である。 巨細胞はマクロファージの融合体 ・貪食すべき異物があまりにも大きい場合や処理しきれない場合には、マクロファージ同士が融合して 巨細胞になる。 ・巨細胞は異物巨細胞、ラングハンス巨細胞(Langhans giant cell)、トートン型巨細胞(Touton giant cell) などに分類されている。 <関連リンク> ◆血球の起源 ◆赤血球 ◆リンパ球 ◆顆粒球(好酸球、好中球、好塩基球) ◆血小板 |