不振が続くTBSの平日朝情報番組「あさチャン!」が“奇跡”を起こした!? 先週金曜日の20日朝、日本テレビ系で生中継されたサッカーW杯日本―ギリシャ戦の裏で、同番組は今春のスタート以来、ヒッソリと過去最高視聴率を叩き出していたのだ。前日までは番組スタッフ一同「視聴率0%台もあり得る」と戦々恐々としていたのだが、まさかまさかの結果となった。
昨年勃発した一連のみのもんた(69)絡みのスキャンダル余波で、TBSの看板番組「みのもんたの朝ズバッ!」が、昨秋にみのの冠を外し、リニューアル番組も今年3月で終わった。その後継情報番組として、日テレ出身のフリーアナ夏目三久(29)をキャスターに迎えて始まった「あさチャン!」(午前5時30分~8時)だが、視聴率は当初こそまずまずだったものの、以後は苦難が続いた。TBS関係者が眉をひそめて明かす。
「みのさんがいたころの『朝ズバッ!』は(午前7時台を中心に)7~8%ぐらい、みのさんが去年9月に出演自粛して以降も、5%ぐらいは視聴率を取ってました。『あさチャン!』はスタートこそ5%でしたが、すぐに落下。最近では2%台の日まであります。ウチの社長(石原俊爾氏)が定例会見で番組名を出して苦言を呈すほど、『あさチャン!』低迷は問題案件になってます」
そんな危機的状況の中、やってきたのが日本時間20日午前7時からのW杯日本―ギリシャ戦だ。生中継した日テレは、W杯日本戦としては過去最低ながら、視聴率33・6%を記録した。
「サッカーが数字(視聴率)を取ることは分かっていて、そのシワ寄せが『あさチャン!』などの裏番組にくると想定されていました。TBS局内では当時、『ヤバイ! 視聴率0%台を出したらどうしよう』などとみんな戦々恐々としてましたよ」と同関係者。
ところがフタを開けてみれば、まさかまさかの数字がついてきた。試合時間ともろにかぶった午前7~8時の枠は2・7%と“通常運転”だったが、試合前の午前6~7時の枠はなんと5・1%で、番組史上最高を記録したのだ。テレビ局関係者はこう分析する。
「フジテレビはW杯のウルグアイ―イングランド戦(午前3時30分~6時10分)、テレビ朝日はゴルフの全米女子オープン(同4時15分~7時)を放送していたため、午前6時の時点で情報番組をやっている民放局がTBS以外になかった。だから“漁夫の利”で、『あさチャン!』の数字が上がったんでしょう」
この予想だにしていなかった“奇跡”に沸いているのが、夏目ら「あさチャン!」の出演者やスタッフだ。TBSスタッフが舞台裏を明かす。
「みのが降板後、『朝ズバッ!』は局アナの井上貴博をメーンに起用していた。ところが『あさチャン!』では、井上アナを“平(ひら)キャスター”に降格し、メーンの夏目をわざわざ外部から招聘。にもかかわらず、数字が下がっていたことから、局アナたちから夏目に対する風当たりも強くなっていた。夏目もその空気を薄々感じていたようで、どことなく元気がなかった。だが今回、最高視聴率を取ったことで、スタッフを含めていよいよ反撃というムードになっているようだ」
たまたま1度“棚ボタ”で最高記録を取ったからといって、今後そう簡単にうまくいくとは思えないが…。
(番組放送時間と視聴率は関東地区。視聴率はビデオリサーチ調べ)
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