【ブラジル・イトゥ25日(日本時間26日)発】オレは間違っていた――。ブラジルW杯で敗退したザックジャパンはこの日、大会を総括する会見を開き、FW本田圭佑(28=ACミラン)は日本をけん引してきた4年間の誤りを認めた。前日まで強気な姿勢を貫いてきたエースが心機一転。まずは自己否定から2018年ロシアW杯での躍進を狙う。
コロンビアに惨敗して1次リーグ敗退。一夜明けたこの日、エースの表情は見るからに憔悴しきっていた。「絶望というか…やはり普通の3試合じゃなかった」と目を伏せた。次に口をついて出たのは、自らが突き進んできた道に「NO!」を突きつける言葉だった。
「この4年間正しいと思ってやってきたことを、結果として否定せざるをえない。攻撃で満足のいく形に持っていけない、それを1年2年で解決できる問題なのか。一度ゼロにして、何を努力すべきなのかから考えないといけない。それを今まで4年間やってきても、大きく間違っていた」
10年南アフリカW杯以降、チームの絶対的な柱としてザッケローニ監督が標ぼうする攻撃的サッカーの旗振り役を担った。攻撃重視の信念こそ変わりないが、そのためのアプローチが全面的に間違っていたと“懺悔(ざんげ)”した。
さらには「また一から自分自身の物差しづくりをしないといけない。これをするほど追い込まれている。精神的改革、目標の改革、物差しづくりの改革が必要になると昨晩ずっと考えました」。
これまでビッグマウスを貫いてきたエースは24日(同25日)の試合後は「口だけで申し訳ない」と言う一方で「強気しか自分にはない。僕はこのスタンスで行くことが成長につながる」と話している。それが一夜で急変した。ブレないことが信条の男が、その考えを変えるほど大きなショックを受けたようだ。
それでも、4年後のロシアW杯には「目標を『変える』と言ったつもりはないし、世界一は諦めきれないということも(選手たちに)言った。世界一になるための作業が過去4年間間違っていたなら、正解は何なのかまた一から見つけたい」。
生まれ変わった姿で再び世界一を目指すという。