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【サッカー】

岡崎 奇跡予感させた同点弾

2014年6月26日 紙面から

前半終了間際、ヘディングで同点ゴールを決める岡崎(左)(沢田将人撮影)

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◇ブラジルW杯 第13日1次リーグ 日本1−4コロンビア

 そのゴールが、日本中に夢を見せた。奇跡が現実になる、そんな期待を抱かせる一撃だった。岡崎だ。1点を追う前半ロスタイム、相手ボールをカットした内田が持ち上がり、右サイドの本田へパス。本田の左足クロスに飛び込んだ。相手DFバルデスに密着され体の自由はきかない。ゴールマウスも死角にある。それでもねじ込むように頭で合わせると、こん身のダイビングヘッドはゴール右隅に吸い込まれた。

◆「とことん裏狙う」

 「前半の始めからとことん裏を狙い続けたのが良かった。自分のせいで失点してしまったので、それを取り返せたのは気持ち的には大きかった」と振り返った同点弾。南アフリカ大会のデンマーク戦に続き、2大会連続のゴールとなった。しかし攻め続けた後半に3失点。「勝っておけば自分たちが(決勝Tに)行けてたのにっていう未練もあるし、悔しいっすね。ただただうちひしがれたような気持ちでいます」と落胆を隠さなかった。

◆誰より愚直な人生

 誰よりも愚直なサッカー人生を歩んできた。中学時代の指導者に「絶対にレギュラーになれへんぞ」と言われながら入学した滝川二高でレギュラーを奪い、清水でも入団時FW8番手からはい上がった。「自分はヘタクソ」と自覚し、成長するためにはなんでもやった。

 主将を務めた滝川二高3年時には、チームを引き連れ、寺に座禅を組みに行ったこともある。現在もオフに帰国した際は東北地方に1人出向き、ときには5日間にも及ぶ断食をして、身体のメンテナンスを行う。心と体を研ぎ澄ませることで、大舞台でも結果を残せる強さを身に付けた。

 ただ、そこまでの努力を重ねてきたからこそ、突きつけられた現実は重かった。「本当に整理がつかない。今後何をしていけばいいのか」。まだ先は見えない。ただ、今まで乗り越えてきた壁も決して低くはない。4年後へ、日本のエースストライカーは再び前を向くはずだ。

   (宮崎厚志)

 

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