蹴球探訪
英に逸材16歳「夢は日本のフル代表」
サイ・ゴダード(3月18日)
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【サッカー】<目撃者>1対1での脆弱さ 負わされたのは「恐怖心」2014年6月26日 紙面から わずかに残っていた「首の皮」は、最後は無残にはがれ落ちた。1分け2敗で最下位。白日の下にさらされた、日本の実力と言っていい。 「自分たちのサッカーをできれば、そりゃあ勝てます。でも、できないから。相手のレベルが高いから。これが地力じゃないですか。『いつも通り』って何回も言ってきたけど、やれない。そういうレベルだから」 内田が淡々と並べた敗因は、極めて明確でシンプルだ。だが、理由が簡潔な分だけ、乗り越えるには途方もなく厳しい現実がそこにはある。 コロンビア戦は積極果敢に攻めた。ボールを支配し、前線が流動的に動き、連動した攻撃でゴールを襲った。本田のパスから岡崎が頭でねじ込み、一度は追いすがった。だが、後半から投入されたロドリゲスに守備陣は手玉に取られた。 1対1はおろか、複数の選手で囲い込んでも球を奪えない。人数をかけてリスクを冒せば、想定以上のとんでもない代償を払わされた。それでも負うべきは勇気だったが、負わされたのは「恐怖心」だった。 象徴的だったのは、初戦のコートジボワール戦だ。スコア以上に内容のない負けっぷり。動きは硬く、足が重い。腰の引けたような臆病な戦いぶりに、ザッケローニ監督も首をひねった。 「精神面の問題で真相は分からない。初戦で精彩を欠いたことは誰にとっても意外だった。その疑問は胸につかえたままだ」 前線に並んだボニ、ジェルビーニョ、カルー、Y・トゥーレの4人は強烈だった。強烈ではあったが、力関係以上に相手を恐れてしまったように映った。 背景には、1対1の局面での脆弱(ぜいじゃく)さがあった。この4年間、本田や長友らが「個の強さ」を訴え、追い求めてきたが、皮肉にも「個の弱さ」がマイナスの心理的要素としてチームに伝染した。そのショックはあまりにも大きかった。準備過程が順調だったがゆえ、乱気流に飲み込まれるともろかった。 「こんなもんじゃない」。ギリシャ戦後、ザック監督や選手は口々に言った。でも、厳しく言えば、「こんなもんだった」。ただ、すべては、日本の進む道を指し示そうという気概があったからこそ。希望も絶望も見えたブラジルでの戦いに、日本の未来が詰まっているはずだ。 (松岡 祐司) PR情報
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