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【W杯】大久保が日本の攻め方に苦言。「中を崩せずサイドに行ってしまう。相手はでかい、勝てる訳ない」

フットボールチャンネル 6月25日(水)16時7分配信

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【W杯】大久保が日本の攻め方に苦言。「中を崩せずサイドに行ってしまう。相手はでかい、勝てる訳ない」

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【W杯】大久保が日本の攻め方に苦言。「中を崩せずサイドに行ってしまう。相手はでかい、勝てる訳ない」
大久保嘉人【写真:Getty Images】
「ペナルティエリアの中で崩せていない。そこまで来てサイドに行ってしまう」

 ザッケローニ監督や選手たちが主張してきた“自分たちのサッカー”というものに関しては、この3試合で最も発揮できた試合だったのは確かだろう。

 中盤でパスをつなぎながら、前線が機動的にアタックして行くスタイルは20本を超えるシュート数につながった。しかし、終わってみれば1−4という大差の敗戦。これをシンプルに決定力の差とする見方もあるだろう。しかし、それに異を唱える選手がいた。

「ビッグチャンスはコロンビアの方があって、けっこう外していますよ。4点も取っているからあれだけど」

 サイドで起点を作りながら、最後は中で崩していくのが日本の目指す攻撃だったはずだが、この大会では起点がサイドでも中でも、結局はサイドからのクロスが頼みになってしまっている。

 それはコロンビア戦も変わらなかったのだ。この試合における日本の唯一の得点はクロスから岡崎が得意のダイビングヘッドで決めた形ではあったが、多くは跳ね返されてしまった。

 そうした中で記録したシュートの大半はペナルティエリアの外から打ったもの。もちろん、ミドルシュートは大事だが、仕掛けていかなければいけない状況、相手のブロックがある状況で、可能性の低いシュートを選択してしまった場面も多い。

「ペナルティエリアの中で崩せていない。そこまで来てサイドに行ってしまうから。相手がでかいのに、そんなので勝てる訳ない。そこからワンツーがあってもいいのかなとすごく感じました」

自ら代表を退くつもりはない

 そう語る大久保も1トップとして味方の効果的なパスやコンビネーションを発揮できなかった責任はある。前日に彼が見えている絵と周りのギャップがないか聞いたところ「見えていると思うし、そこは心配していない」と語っていたが、コロンビア戦では引き出すことができなかった。

 逆にコロンビアは組み立てこそシンプルだが、バイタルエリアを鋭く突いて日本のディフェンスを脅かした。ジャクソン・マルティネスとアドリアン・ラモスというヘディングの強い選手を2人配置しているにも関わらずだ。途中出場のハメス・ロドリゲスがボランチの間を突き、マルティネスのフィニッシュを演出した2点目は象徴的だった。

「(コロンビアは)中に入っていって、そこから前に出てきますからね。中、中に来たらこっちも怖いし、実際それでやられていますから。今大会はそこに尽きると思います」と大久保。そういう現実を目の当たりにしたからこそ、日本の可能性を感じ取ったという。32歳となったが、自分で代表から身を引くつもりなど全くないようだ。

「監督によってやり方も違うかもしれないから、それでまた違ったチームになると思います」と語る大久保だが、理想は川崎フロンターレで追及しているサッカー。つまり、相手の守備を自在性の高いパスとコンビネーションで翻弄し、中から崩して行くスタイルだ。

「パスサッカーをやるならそうだと思いますね。それができれば面白い。ポゼッションするなら、あれがサッカーだと思いますし、より攻撃的にできると思います」

河治良幸

最終更新:6月25日(水)16時7分

フットボールチャンネル

 

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