TBSラジオ『ジョブチューンR』の2014年6月21日放送分よりピックアップ。
毎週土曜の16:50から10分間だけ放送される番組『ジョブチューンR』、先週のゲストは恐竜研究家の富田京一さんです。
こちらの番組は毎週、様々な分野のプロフェッショナルがいろんなことを「ぶっちゃけ」ていく、という趣旨のテレビ番組『ジョブチューン』のスピンオフ番組。
たった10分間ですが、今回もぼくが知らなかったような事実がいくつも飛び出すような濃密な放送内容で、非常に面白い番組です。
しゃべるひと
- 富田京一さん(恐竜研究家)
- 田中みな実さん(アナウンサー)
恐竜は、ほとんどが小型犬サイズ
田中みな実:えぇっ、犬のサイズ?
富田京一:そうですね、8~9割は普通の犬のサイズです。それも大型犬というより、柴犬くらいの中型犬です。
田中:でも、その映画や図鑑でよく見るのは大きな恐竜というイメージですが。
富田:映画はやっぱり迫力が大事なので、でっかい恐竜がメインになります。
田中:迫力のために?(笑)
富田:それはありますね。博物館や恐竜展はもうちょっと学術的に作られてるので、実際に展示されてる種類の半分以上は人間より小さいサイズなんですね。
田中:えぇ〜!どうしても目についてしまうのが大きい恐竜だから、そっちに目がいってしまうんですかね?
富田:やっぱり、あの薄暗いところでスポットが当たっているので、大きい物に目がいってしまうというのはもちろんあるんですけど。
もうひとつは、足元にごちゃごちゃっとたくさん展示されてるんですけど、一般のお客様だとそうした連中は「恐竜に見えない」と。
田中:なんか、ミニチュアで作ってるのかな?って思ってました。
富田:あとは「恐竜が食べてた小動物かな?」って思われていたり。
恐竜は最初に発見されてだいたい200年くらい経つんですけど、最初に見つかった恐竜の歯がイグアナに似ていたんですね。それ以降、歯が似ているというだけだったんですけど、イグアナがかっこいいのでなんとなく外観をイグアナをモデルにみんな復元しちゃったんですね。
田中:あぁ、だから体の表皮の感じとか色味もどことなく恐竜ってイグアナっぽいですよね。
富田:くすんだ緑とか、そういう場合が多いんですけど、実はほとんどの恐竜は体に羽毛が生えていていまのイグアナとはだいぶ違う生き物で、どちらかと言えば鳥というか…。
田中:えっ、鳥?(笑)
富田:…、「恐竜は絶滅しちゃった」と思われてますか?
田中:はい。絶滅してないんですか?
富田:絶滅してないんですよ。
田中:えっ?どこにいるんですか!?
富田:世界中にいます。田中さんが今日出社される前にもたぶん恐竜、見てきてると思います。
田中:いや、私は見てないです。
富田:電柱に止まってるスズメとか、カラスとか、あれみんな恐竜なんですよ。
田中:えぇっ!?スズメやカラスは鳥ですよね?
富田:鳥なんですけど、スズメとかカラスは恐竜の、それもティラノサウルスに近い恐竜なんですよ。
田中:ちょっと待って下さい富田さん、ティラノサウルスはあんなに大きくて言わばゴジラみたいなものですよね?それがスズメと一緒っていうのはちょっと納得できないです。
富田:でも、ティラノサウルスの子どもの化石が見つかってるんですけど、それは牙の生えた丹頂鶴みたいな。
田中:じゃあ、ティラノサウルスにも毛が生えていたということですか?
富田:はい、間違いなく、そして全身が羽毛で覆われていたということがわかっています。
田中:えーっ、でも『ジュラシックパーク』で観た恐竜はそんなんじゃなかったです!
富田:実は、クライトンの2作目の『ジュラシックパーク』では、ティラノサウルスが卵からパリパリっと出てきて、毛が生えているシーンがちゃんとあるんですよ。
田中:あっ、でも卵から出てきている時点で鳥に近いですよね。
富田:はい。
田中:そうなると、納得できますけど、最初は毛が生えていてだんだん毛が剥がれていくんですか?
富田:ティラノサウルスってだいたいゾウと同じ大きさなんですけど、
田中:えっ、ティラノサウルスってそんなに小さいんですか?
富田:小さいんですよ。ゾウと同じ体重でキリンより背が低いです。
田中:20階建てのビルとかそれくらいじゃないんですか!?
富田:いえいえ、今まで見つかった一番巨大なティラノサウルスの身長が4m40cmしかありません。綱引きしたら、ゾウの半分くらいの馬力しかないですね。
田中:へぇ〜!ビルとか踏み潰しちゃうんじゃないんですか?(笑)
富田:全然踏み潰せないですね、軽自動車くらいなら(笑)
田中:えぇ〜!
富田:やっぱ映画だと、雰囲気で大きくしちゃうんですよね。
田中:そういうことだったんですね!
この数分の間に多くのいろんな情報がでてきましたね(笑)
そもそも絶滅してないし、復元のされ方も適当だし、サイズも想像より小さいし…、人間が恐竜に対して抱いてるあのイメージはほとんど作られたものだったんですね…。くやしいというか、ホッとしたというか。(笑)
こうした、自分の常識を覆される経験ってなかなか味わうことができないのでこちらの番組は毎週楽しみですね。
来週のゲストも同じく富田京一さんですので、TBSラジオの土曜日16時50分からの放送もぜひ!
つまみのひとこと
じゃあおれもさっき恐竜みたよ
富田京一さんのプロフィールはこちら
1966年福島県生まれ。
幼い頃から様々な生物の飼育し、大学入学後、動物園や研究所などに出入りしていた80年代後半、動物に関する執筆を始め、雑誌 『小学一年生』で「ドクター・トミー」としてデビュー。2002年に「肉食爬虫類研究所」を立ち上げるとともに、幕張メッセで開催された「世界最大の恐竜 博2002」に参加。
以後、多くの恐竜博に協力し続けている。『このホネなあに? 3D動物ふしぎ図鑑』『超リアルCG再現 恐竜』など動物や恐竜に関する著作は多数。
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田中:あっ、でも卵から出てきている時点で鳥に近いですよね。
富田:はい。
田中:そうなると、納得できますけど、最初は毛が生えていてだんだん毛が剥がれていくんですか?
富田:ティラノサウルスってだいたいゾウと同じ大きさなんですけど、
田中:えっ、ティラノサウルスってそんなに小さいんですか?
富田:小さいんですよ。ゾウと同じ体重でキリンより背が低いです。
田中:20階建てのビルとかそれくらいじゃないんですか!?
富田:いえいえ、今まで見つかった一番巨大なティラノサウルスの身長が4m40cmしかありません。綱引きしたら、ゾウの半分くらいの馬力しかないですね。
田中:へぇ〜!ビルとか踏み潰しちゃうんじゃないんですか?(笑)
富田:全然踏み潰せないですね、軽自動車くらいなら(笑)
田中:えぇ〜!
富田:やっぱ映画だと、雰囲気で大きくしちゃうんですよね。
田中:そういうことだったんですね!
この数分の間に多くのいろんな情報がでてきましたね(笑)
そもそも絶滅してないし、復元のされ方も適当だし、サイズも想像より小さいし…、人間が恐竜に対して抱いてるあのイメージはほとんど作られたものだったんですね…。くやしいというか、ホッとしたというか。(笑)
こうした、自分の常識を覆される経験ってなかなか味わうことができないのでこちらの番組は毎週楽しみですね。
来週のゲストも同じく富田京一さんですので、TBSラジオの土曜日16時50分からの放送もぜひ!
つまみのひとこと
じゃあおれもさっき恐竜みたよ
富田京一さんのプロフィールはこちら
1966年福島県生まれ。
幼い頃から様々な生物の飼育し、大学入学後、動物園や研究所などに出入りしていた80年代後半、動物に関する執筆を始め、雑誌 『小学一年生』で「ドクター・トミー」としてデビュー。2002年に「肉食爬虫類研究所」を立ち上げるとともに、幕張メッセで開催された「世界最大の恐竜 博2002」に参加。
以後、多くの恐竜博に協力し続けている。『このホネなあに? 3D動物ふしぎ図鑑』『超リアルCG再現 恐竜』など動物や恐竜に関する著作は多数。