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Words and Explanations for POLITICS

有色人種で唯一白人に刃向かった国・日本を叩きつぶす計画は、昭和二十年の八月十五日に終わったのではなかった。

清水 馨八郎 (千葉大名誉教授) 

我々の社会は小泉政権を起点としてグローバリズムという帝国主義に飲み込まれつつあるのだが、IMFの債務国でないにもかかわらず、労働法や会計制度の改変、資本の自由化(企業買収の簡易化)、民営化など、これほど多国籍企業群の要求に応じた国家はニホン以外に一つとして存在しない。つまり構造改革とは単純に「ワシントン・コンセンサス」(米国の対外戦略)への準拠であり、それは通常において金融勢力が債務国に突きつけるコンディショナリティ(融資条項)なのであり、世界はこの国の異様を注視しているのだ。

日本の水道はすべて民営化する! 

麻生太郎 (第92代内閣総理大臣)

人為的な株安により構造改革の2001年から僅か4年で主要企業株式の過半数が外資に取得されたのだが、さらに2017年の完全民営化によって日本郵便とかんぽ生命の運用資産334兆円が外資に譲渡されるわけだ。また愛媛県松山市の水道管理事業が仏ヴェオリア社へ一時委託されたことから、生命インフラの支配が逐次的に全国展開されるのではないかと物議を醸し出した。もはや様相はかつてアフリカの部族長が、僅かな装飾品やガラス玉と引き換えに、欧州や中東の奴隷商人へ同胞を売り飛ばした蒙昧と大差ない。

 植民地は大国の関与によって半分だけ自立した国をいう。政治的に独立していても軍事基地がおかれているような地域、独立が与えられていない国や地域が新植民地だ。

松岡正剛  (日本の著述家) 

全ては解体の途上にあるのだけれど、我々はメディアという文明のドラッグによってあらゆる切除を痛覚することなく、おおよそ無自覚にリソース(国家資源)を略奪され続けている。小泉政権による市場原理主義改革を起点として、労働市場および金融市場から揮発するマネーは、それぞれ月間あたり2兆数千億円ベースに達するのであり、つまり年間あたり国税を上回る金が国民経済から消失している試算なのだが、このようにプランテーションを構造化した諸制度を理解する有権者は殆どいない。  

政治家はすでに大半が「1%」に買われてしまっています。

マイク・アダムス (米国のジャーナリスト)

国家の衰退は政治・官吏・報道グループが多国籍資本の委任代行者として民衆を欺きつつ、あらゆる経済システムを彼らの利潤最大化にかなうよう改変したことによるわけだ。この先にあるのは間違いなく国家破綻による市民生活の崩壊なのであり、外国人は我々が周回遅れに「アルゼンチン・タンゴ」(市場原理主義改革によるラテン・アメリカ諸国の荒廃)を踊るのを高笑いしながら眺めている。

れがどうした。死ぬやつには死ぬにふさわしい理由があるんだ。

エゴール・ガイダル (ロシアの政治家)

すでに国庫財源の枯渇から、低所得者の国民保険料が大幅に引き上げられる事態となっているのだが、日々10円単位、1円単位で生活費を切り詰め、ギリギリの暮らしを送っているところにそのような仕打ちを受けるのであれば、もはや生きていく気力すら失ってしまうだろう。世界保健機構の算定基準において、ニホンの自死者は厚労省発表の300%を上回るペースで推移しているのであり、おおよそ世界トップの自殺率だ。つまりセーフティネットの撤廃という行政暴力によって、イラクやアフガニスタンなど戦闘地域を圧倒的に上回る数の人々が殺されている。

ドイツのワイマール憲法はいつの間にか変わっていた。誰も気がつかない間に変わった。あの手口を学んだらどうか。

麻生太郎 (第92代内閣総理大臣)

2013年の参院選では自民が大勝し、公明、みんな、維新など補完勢力とともに過半数議席を獲得したのだが、語るまでもなく彼らは日本経団連(多国籍企業)とCSIS(戦略国際問題研究所)に与するコンプラドール(外国人に手引きする買弁)集団である。その後は衆参一体となり、国家主権および経済市場を逐次的に譲渡するのであり、憲法の無化により戦争国家を完成しつつ、米国の本質であるネオ・コンサバティブ(軍産複合体)に恭順を示すわけだ。国家意思には常に資本意思が潜在していると捉えなくてはならない。

経済的に追いつめられた国民は、黙っていてもイデオロギーのためではなく生活苦から戦争へ行ってくれますから。

パメラ・ディクソン (世界個人情報機関スタッフ)

直言するならば、社会資本を根こそぎ外国人に引き渡することによりインセンティブ(成功報酬)を得るという目論みであり、つまり連中のうち誰一人として国民の福祉や生命を守ろうなどとは考えていない。どのように社会が荒廃しようが、あるいは戦争国家が構造化されようが、支配勢力に与する多国籍企業の役員、テレビ局や新聞社の社員、国政・地方議員や公務員だけは安定給与と福利厚生さらには資産が担保される仕組みなのであり、おおよそ支配階級と一般国民の二項対立は究極に激化しているのだと思う。 

選挙とは、国の支配をかけた、効率の良い投資である。

トーマス・ファーガソン (米国の政治学者) 

2013年の参院選挙では前年の衆院選でプログラム改竄が疑われた集計マシーンを再使用したのであり、また政権のステークホルダー(利害関係者)がその運営企業に資本参画するというデタラメであり、さらには野党第一党が検察による国策捜査とメディアバッシングにより実質の解体状態なのだから、はなから国民に選択肢など不在なのであり、この国の代表民主制度は二重、三重に殺されている。これはもはや、正常選挙のため国連軍の監視を要請する第三世界の様相だろう。 

美しいことだね、言語の破壊というのは。

 <1984年>  ジョージ・オーウェル (イギリスの作家)

関税自主権と食料自給権の放棄も、国民皆保険制度の解体も、水源の民営化も、消費税引き上げも、労働者の使い捨て合法化も、教育費の縮減も、福祉の撤廃も、放射能ガレキの拡散も、汚染食品の流通も、児童の被曝も、言論弾圧法の施行も、一般科学においては壮絶な不幸要因だ。しかし、新聞テレビあるいは政府広報もしくは学校組織が教導する疑似科学においては絶対の幸福要因なのであり、かくも民族集合は呪術主義のコンテキスト(社会文脈)によって成立しているのである。 

世界で一番企業が活躍しやすい国を目指します。

安陪晋三 (第96代内閣総理大臣)

国家議会の意思決定には論理が不在である。再現性、普遍性という科学の成立要件が削除されているのであり、不当な法案群が反証を突きつけられたところで、いくつかのストックフレーズ(常套句)あるいは不当な精神主義が無効とするのであり、さらに見たくないものは見ないというアパシーが狂気を増幅しつつあるのだが、それがおそらく民度の証明であり知性の限界なのだろう。現実として我々は、コーポラテズム(資本と行政の共謀主義)に抑圧される人治国家の住人なのだ。

社会的地位が高くなって行くほどに病的な戦争熱が激しくなる。

 <1984年>  ジョージ・オーウェル (イギリスの作家)

自民党が目指すところはTPPと憲法改正による戦争国家なのだが、そもそも99条は国政議員に憲法を擁護し尊重する義務を定めているのであり、不戦を覆すこのような背徳そのものが違憲である。彼ら自身また彼らの肉親は決して戦場に赴くことはなく、血を流すのは常に市井の人々なのであり、かくも人間性を欠如した無恥の心性には、シャンデンフロイデ(他人の苦しみを楽しむ心性)すら垣間見えるのだ。

移動盗賊どもは強欲で、持っていけるだけ奪っていく。彼らは犠牲者のことなど全く気にせず、明日また他の誰かから奪うことしか考えない。

マンサー・オルソン (米国の経済学者) 

政権与党は経済実績(アベノミクス)をアピールするが、東証は取引の約70%を外国人投資家が占めるNY市場のセカンダリマーケット(第二市場)だ。つまり日本国民の資産が投機に転用され株価を押し上げ、外国人がその受益者としてキャピタルゲイン(売買益)を確定するという不条理なのであり、おそらく日銀の金融緩和策そのものが彼らによる教唆(インサイダー)なのであり、本質としてこの体系は極めて巧妙かつ集約的なプランテーションだと認識して頂きたい。

奴隷の増加はグローバリゼーションとリンクしている。

ケヴィン・ベイルズ (米国の社会学者)

長期不況に陥った最大要因とは、多国籍企業化した日本経団連の要請により派遣業務のポジティブ・リスト(非正規就労が禁じられた16の職種)を無効化し、労働者の40%近くを非正規に貶め貧困化させたことによるのだ。そのような「人間の物象化」(労働者の奴隷化)による需給ギャップを解消することなく、経済システムを正常化することなど不可能だろう。 

奴隷は異民族との戦争による勝利の戦利品として連れてこられた「人家畜」である。

清水 馨八郎 (千葉大学名誉教授) 

非正規就労者は過去10年間において300兆円規模の賃金を逸失しているのだが、この額は主要企業の内部留保と派遣業者の売り上げ、役員報酬や外国人投資家への配当などの総額とほぼ一致している。すなわち大衆消費というGDPの核心を形成するマネーが内外の富裕層に一極集中しているのだから、消費不足によって国民経済が破綻するのも当然だ。

彼らは世代から世代へ世紀から世紀へとただ労働し、子を生んでは死んで行くだけであろう。

 <1984年>  ジョージ・オーウェル (イギリスの作家) 

 政治集団は労働市場の矛盾を是正するのではなく、真逆にそれを強化し、反福祉を推進しつつ、生活領域を破壊する目論見だ。つまり全てはフリードマン理論に従い進捗しているのだが、それによって繁栄した国家モデルは世界に一つとして存在しない。

アングロサクソンは、軍事力支配は表立ってできなくなったので、「グローバルスタンダード(国際標準)」だとか「自由化」という名の、新手の文化侵略で切り換えてきた。

 清水 馨八郎 (千葉大学名誉教授)

これほど国民が疲弊しながら多国籍企業の約60%に法人税免除が継続され、さらに消費税率の引き上げにより国防費100%以上の金が輸出還付金として彼らに付与されるわけだ。そのうえ自由貿易(TPP)により食糧自給権も関税自主権も、つまり国家主権が解体されるのであり、我々の体系は新植民地主義という「帝国」の版図に飲み込まれようとしている。

 「おまえたちには政治権力を持たせてやるし、見かけ上の統治をさせてやるが、本当の統治はどこか別の場所で行われる」ということ。

ヤスミン・スーカ (南アフリカの人権活動家)

おおよそ国家の意思決定は国政議会によるのではなく、CSIS(米戦略国際問題研究所)など宗主国のシンクタンクによるのであり、つまり諸制度は多国籍資本によって起草されるのであり、もはや様相は社会調整機能の一切が、東インド会社というコングロマリット(半官半民の植民地企業体)に委ねられたイギリス領インド帝国となんら変わりがないだろう。 

議論するな、服従せよ! 

フリードリヒ2世  (第3代プロイセン国王)

ゼネラル・エレクトロニクス、ロイヤル・ダッチ・シェル、ブリティッシュ・ペトロリアム、トヨタ、シェブロン、トタル、シティ・バンク、ゴールドマン・サックスなど100社にも満たない企業連合の所有する資産総額は、先進国家群のそれを上回っている。我々が絶望を禁じえないのは、彼らが各国議会の上部構造として君臨するというシェーマ(俯瞰図)によるのだろう。つまりA・ネグりが主張する「単一の領土における単一の主権」という理説のとおり、圧倒的マネーを緒力とする世界覇権はほぼ達成され、報道集団はもちろん司法集団すらその下部構造であるのだから、もはや何人も反逆できない。

世界を飲み込もうとしているのは、「キャピタリズム(資本主義)」よりむしろ、「コーポラティズム(政府と企業の癒着主義)」の方だろう。

堤未果 (日本のジャーナリスト) 

投資集団がステークホルダー(ひも付き)を統治機構へ投入し、隠然と制度を改変しつつ、自己利益を最大化するというシステムそのものが「社会」なのだ。縮減された福祉予算や搾取された労働者賃金が、国庫財源としてプールされることもなく、優遇税制や還付金という名目で彼らに傾斜配分されるという世界同時進行の錯乱は、このようなカラクリによるわけだ。消滅することも減衰することもない資本のダーク・フォースは、国家間で繁く移動を繰り返しながら、戦争や恐慌や奴隷制を連綿と人類史に刻み続けている。 

コーポラティズムの最大の特徴は、国民の主権が軍事力や暴力ではなく、不適切な形で政治と癒着した企業群によって、合法的に奪われることだ。  

堤未果 (日本のジャーナリスト) 

我々は「ナッシュ均衡」に陥っているのだろう。それはつまり「囚人のジレンマ」であり、体制の局面が詰まった状況においては、相手側(統治者)がとる行動に対し、どのように行動を変更しても利益を高めることは不可能なのであり、国民は本質として政治的な選択肢がないということだ。 

政権は取ったのに、権力はどこへ行ってしまったんだ?  

パトリック・ボンド (南アフリカのマンデラ政権経済顧問) 

仮に正当なプロセスを経て代表民主の政権が誕生したところで、鳩山・小沢内閣のように官吏機構や多国籍企業の権益を損なうこととなれば、国策捜査によって解体され、政党の体裁を残すのみで形骸化されるのであり、つまりどちらに転んでも民意が反映されることは叶わない。換言するならば、国民は社会福祉と労働権の増進を中心手段とする修正資本主義を求めながら、いずれの選択においても、それらを徹底排除する市場原理主義が推進されるのである。 

すなわち民主主義は民衆によって腐敗させられるのである。 

スラヴォイ・ジジェク (スロベニアの哲学者) 

最後の民主的な政治ユニットであった鳩山由紀夫と小沢一郎の失脚は官僚、報道、米国、財界など権益集団のクーデターによるものである。一般国民はあまりにも無知であるため、功績(対日改革要望書の破棄)を評価するどころか、そもそも既得権益が何かという理解すら覚束ない。トクベツカイケイも、ザイセイトウユウシも、ガイカクダンタイも、ナイセイカンショウも、意味化も観念化もできないのであり、搾取されているという自覚すらもなく、鳩山・小沢の敗北は、つまるところ民度の敗北であったのだと思う。 

議会と憲法は民主主義を保障するものではない。 

小室直樹 (日本の法学者) 

2009年の政権交代後も、独立行政法人、財政投融資、特別会計、天下り、クロス・オーナーシップ(新聞社による系列テレビ局支配)、企業団体献金など腐敗権益は解体されるのではなく真逆に強化され、さらに絶対化されたのである。国家システムとはコーポラティズム(資本と行政の共謀主義)を核心とするのであり、そのような連関図において政治者グループは経済団体の下部構造に過ぎず、国民憎悪の捌け口として常にdisposability(使い捨て)を原質としている。

 今日の民主主義議会の目的は、賢人会議を形成する事ではなく、従属した精神の、つまりゼロに等しい連中を寄せ集め、利益団体の代表者がその代弁をすることである。 

アドルフ・ヒトラー (ドイツの政治家) 

我々は意思決定が代表議会によるものだと錯誤しているのだが、そもそも法案群は米国を触媒とする多国籍企業が策定した「日米投資イニシアティブ」や「日米経済調和対話」をプロトタイプ(原型)とするのであり、さらには「日本経団連政党評価表」によって執拗に調整されるのであり、すなわち国政議会とはセレモニーであり、民主主義とはフィクションに過ぎない。この体系は「ファシスト不在のファシズム」なのであり、不可視だが濃厚な資本の専制によって抑圧され続けているのだ。 

民衆がものを考えないということは、支配者にとっては実に幸運なことだ。 

アドルフ・ヒトラー (ドイツの政治家)

小泉純一郎率いる自民党は、2001年に外資比率50%を超える企業群の献金を解禁している。つまり外国人の意向を反映した法制度を整備することにより、その達成度に応じてインセンティブ(成功報酬)を獲得するモデルを構築したのであり、すなわち売国をビジネスモデル化したのであり、この前提において、彼らの支持者は例外なく売国者もしくは極度の低知能者なのだと思う。 

この騒動が教える教訓 - 金は人にどんなことでもさせる。 

ゲーリー・ワイス (米国のジャーナリスト) 

クズは自民党だけに限らず、補完勢力である与野党の主要者もほぼ全員が支配グループの飼い犬であり、彼らの関心事は国民利益などではなく、対価報酬と地位の確保であることは語るまでもない。むしろそれは「権力が腐敗しているのではなく、腐敗そのものが権力である」という人間集団の普遍原理であり、そのような非協力ゲーム的な社会本質が、我々を「ナッシュ均衡」(政治的選択性の喪失)に貶めているのだろう。 

無思考こそが階層社会の基盤である。 

 <1984年>  ジョージ・オーウェル (イギリスの作家) 

原発推進も、消費税率引き上げも、労賃の引き下げも、解雇の簡易化も、民営化による国家インフラの譲渡も、非正規就労の絶対も、生活保護や教育費など社会保障の全面的削減も、TPPの参加も、遺伝子組み換え食品やBSE牛の流通も、食料自給権と関税自主権の破棄も、国民皆保険制度の解体も、年金支給年齢の引き上げも、言論弾圧法の施行も、戦争国家化へ向けた思想浄化も、あらゆる意思決定は例外なく支配集団のシナリオに基づくのであり、それを可能とする体制は徹底した反知識主義によって維持されている。 

ブルジョワは労賃を利殖に都合のよい限界に抑えるため、国家権力を利用し必要とし、経済と国家は相携えてこの目的を遂行する。

的場昭弘 (日本の経済学者)  

巨大メディアはアベノミクスを賛美しているが、日銀は金融緩和による経済復興など無効であると見解を示していた。長期化したデフレは労働者派遣法改正を中心手段とする搾取によって常態化されたのであり、その解消には「新自由主義の過剰蓄積」という270兆円規模に膨張した企業群の莫大な滞貨(内部留保)を国民に再配分しなくてはならないのであり、つまり自民党の経済政策が全く無効であることなど、金融行政当局者らは重々に承知していたわけだ。

大金持ちは自然淘汰の結果の当然である。

ウイリアム・グラハム・サムナー (アメリカの大学教授) 

外国人投資家が労働者の非正規化を推進し、解雇規制を緩和し、多国籍企業群とそのステークホルダー(利害関係者)である富裕層に累計212兆円規模の税優遇を付与した挙句、生活保護という最後のセーフティ・ネットを取り払うなど、社会資本配分は機能不全であり、完全に狂っている。全ては市場原理主義のテクストに従い、整然と進捗しているわけだ。しかし、これは憲法に規定された生存権の否定であり、つまり「貧乏人は金持ちのために死ね」ということではないのか? 

市場原理主義は福祉国家の解体にあたり、その障害物となる民主的獲得物の一切を取り崩し、制度基盤を弱体化させる。 

レオ・パニッチ (カナダのヨーク大学教授) 

「輸出払い戻し税」として多国籍企業に還付される3兆円という金は、生活保護費の予算とほぼ同額なのだが、不合理な還付金は消費税率の引き上げによって6兆円規模に倍化される見込みだ。このように福祉よりも利権を優先するという錯乱は、ガバナンス(社会調整機能)が国政議会ではなく、グローバル資本に委ねられたことによるのである。報道はかくも悲惨な現実を隠蔽し、虚説を正説にすり替えつつ、執拗に我々の知覚を歪めているのだが、一連のプロパガンダのインセンティブ(成果報酬)が、電波オークション制度の見送りであり、新聞購読の軽減税率適用であることは語るまでもない。 

支配階級の使用人どもよ! 

 <1984年> ジョージ・オーウェル (イギリスの作家) 

政権与党とは、不正選挙あるいは捏造世論によって編成された権力ユニットである。彼らがTPP加盟による国家主権と経済市場の譲渡をミッションとし、民意や国益の実現ではなく、米国を触媒とする多国籍企業の利潤最大化を目論んでいることは明らかだろう。つまり清朝末期にロスチャイルド率いるジャーディン・マセソン商会の窓口として、国家資本を海外勢力に売り飛ばした「買弁」となんら変わりがないのだ。 

アメリカ人にとって、奴隷の競売は財産作りの重要な手段であった。 

清水 馨八郎 (千葉大学名誉教授) 

景気回復のため本来的には正規雇用を義務化し、非正規労働者が不当に搾取される月間2.5兆円の賃金を所得化させ、中間層の復権を目論まなくてはならない。しかし、ヒエラルキー(身分階層)の固定化は多国籍企業化した日本経団連の要求項目であり、国政議員らはこれの法制化によって億円規模の献金を授与されているのだから、中間層の復権による経済の正常化など実現できるわけもないだろう。 

国の借金など紙幣を刷って返せばいい。簡単だろ? 

麻生太郎 (弟92代日本国総理大臣)

2013年の衆院選挙に向けメディアは好景気の喧伝に腐心したが、労働者賃金は1年以上にわたり下落し続けていたのであり、円安にかかわらず輸出総量は低下し、中小企業は原材料の高騰と内需の縮小に苦しんでいる。つまり実態を伴わないバブルであることは明らかであり、その崩壊は消費税率の引き上げと同期し、1500兆円規模に膨張する国債償還とともに、未曾有の経済危機をもたらすことになるだろう。 

彼らは我々を自由にはしなかった。首の周りから鎖を外しただけで、今度はその鎖を足に巻いたのです。 

ラスール・スナイマン (南アフリカの反アパルトヘイト活動家) 

2013年のNY市場急騰は、金融緩和により大量流出した日本円によるものであった。つまり世界の一極では低金利が進行し、一極では高配当が進行するという歪な対照性が構造化されたわけだ。その様相は「周辺」である途上国が原材料供給地に止まり成長が阻害される一方、「中心」である先進国が加工・生産に特化しつつ独占的に利潤を上げるという、プレビッシュが提唱した「中心と周辺」(center and periphery)の概念に等しい。つまり、我々もまた第三世界と同様に従属する体系とみなされている。 

日本という国が豊かなのは、日本人が貧しいからだという逆説が成り立つ。 

ジャン・ヴォードリヤール (フランスの哲学者) 

アベノミクスによる金融緩和予算は国税収入6年分以上に達する見込みなのだが、そのカネは国民経済の発展や福祉・教育・医療に投じられるのではなく、このように国内外の金融市場を通じ支配勢力に分配されるシステムであるわけだ。繰り返すが、その原資は金融機関が保有する国債であり、つまり国民の将来所得を勝手に利益確定しているだけのことである。むしろ白昼の強奪はあまりにも赤裸々であるため、それは巨大なスコトーマ(盲点)と化し、やがて我々が痛覚するときには、首から下に何も残されていないのだろう。 

金はたんまりあるぜ。ファック・ユー、ほしけりゃ尻尾を振ってみやがれ。 

ルイス・パシュート (最年少最高額の詐欺で逮捕された米国の株式ディーラー) 

安陪内閣は市場原理主義の第三世代改革を推進したのだが、その中核はTPPによる自由貿易であり、あらゆる参入障壁の撤廃であり、インフラ(公共資産)の全面的な民営化という新たな次元展開だ。つまり本質とは、「勝者総取り」というイデオロギー(社会構想)の純粋な表明に他ならない。繰り返すが、この国において政治者は、外国資本が要求する制度改革の達成度によってインセンティブ(成功報酬)を授与されるシステムであり、おおよそ法案は国民の福祉や利益ではなく、資本利潤の最大化を目的として施行されるのである。 

支配集団は後継者を指名できる限りに於て支配集団である。 

 <1984年>  ジョージ・オーウェル (イギリスの作家)  

メディアの共同的なプッシュにより小泉進次郎が売り出し中なのだけれど、彼が米国の対日戦略シンクタンクであるCSISによって養成されたエコノミックヒットマン(経済傭兵)であることは語るまでもない。2003年に実父である小泉純一郎が時価会計制度を導入し、バランスシートの破壊によって、すなわち人為的な株安によって主要企業の過半数株式を外国人投資家に取得させ、事実上の経済主権を多国籍資本へ譲渡したのだが、この国の民度はあまりにも低劣であるため、未だに何が起こっているのかすら理解できないのだ。 

 


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