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 関西の鉄道で7月以降、優先座席付近での「携帯電話電源オフ」が「混雑時のみ」になる。私鉄や地下鉄などでつくる関西鉄道協会とJR西日本が25日、発表した。携帯で使う電波が弱くなり、心臓ペースメーカーへの影響が減ったためで、電源オフの条件を緩和するのは全国初という。

 優先座席付近での携帯オフは関西の鉄道25社局が導入している。しかし、電波出力が強くペースメーカーの誤作動を招く恐れがあった第2世代の携帯電話サービスは一昨年、終了。電波の弱い第3世代が主流になった。総務省は昨年1月、携帯端末からペースメーカーまでの距離の指針を、従来の22センチ以上から15センチ以上に緩和した。各社は医師やペースメーカー利用者らの声を聴き、対応を検討していた。

 7月以降は、立った乗客の体が触れ合う程度以上を、端末とペースメーカーが近づく可能性がある「混雑時」とし、電源を切るよう呼びかける。1編成のうち1両を「携帯電話電源オフ車両」とする阪急電鉄や神戸電鉄などは、その設定をやめる。JR西は近畿地区のみで緩和する。

 車内通話は従来通り控えるよう求める方針だ。協会の担当者は「すいた車内で携帯を切る根拠はなくなったが、携帯の影響を不安に感じるペースメーカー装着者もいて、『混雑時』という対応にした」と話している。