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政治
【歴史戦 第3部 慰安婦 韓国との対話(5)】慰安婦、無意味な配慮より韓国元高官も求める論争を ただしメディアは反日一色
2014.6.26 13:17
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今月8日に死去した元慰安婦の●(=褒の保を非に)春姫(ペチュンヒ)が生前、「日本を許したい」と話していたことや「日本びいき」だったという複数の関係者の証言を22日付で紹介すると、韓国の大手紙がさっそくかみ付いた。中央日報はこれらの証言を取り上げ、「行き過ぎた恣意(しい)的解釈が多い」と非難した。聞いたままを記事にしただけだが、韓国にとって都合の悪い話は色眼鏡で見られ、闇に葬られてしまう。同紙は証言者を匿名にしたことも問題視した。証言者の“犯人”捜しも行われているという。
韓国で産経新聞は“極右”と位置づけられている。産経記者の取材に応じるというだけで韓国では“親日派(チニルパ)”(売国奴)のように見られかねない。ソウル特派員だった2010年、日韓併合100年の連載をしたが、「産経新聞の取材はちょっと…」と何人もの韓国人に断られ、取材がなかなか進まず難儀した。
しかも今回は長年慰安婦問題に取り組み、韓国の主張を批判してきた先輩記者の阿比留と同行するので何が起こるかと緊張した。
しかし、取材そのものは妨害にあうこともなく順調に進んだ。取材を依頼した韓国の識者全員が悪化した日韓関係をなんとかしなければ、そんな気概で応じてくれた。執拗(しつよう)に日本をおとしめ続ける韓国にも、大局的に見ている人たちがいると安堵(あんど)の思いで帰国の途に就いた。
ところが、中央日報の記事のように連載が始まると韓国内で反発を呼び、せっかく取材に応じてくれた人たちも戸惑っている様子だった。韓国で混迷の度を深める慰安婦問題の難しさを改めて痛感し、虚無感すら覚えた。
(水沼啓子)
=敬称略
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