"人口4300万人"ああニッポン30年後の現実【第1部】警察官もいません 東京の足立区、杉並区、豊島区は消滅京都・大阪も無法地帯に!

2014年06月26日(木) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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「戦後の産児制限は、団塊の世代の直後、いまの62歳以下の人口を急減させました。そのため、これからリタイアする団塊の世代以上の高齢者を支える現役世代の人数が急減してしまい、世界でもまれにみる急速な高齢化を招きました。そのことが、社会保障の財源不足などを引き起こしている。

これから十数年のうちには、年金積立金も枯渇するでしょう。私は過去に『このままでは'09年までに枯渇するから大胆な改革をすべきだ』と発言した。それもあってか、政府は'07年に年金改革をやりましたが、あの程度の改革では不十分で、近い将来再び危機に陥るのは明らかだった。今後も支給開始年齢を引き上げるなどして延命を図るでしょうが、小手先の改革では早晩、完全にアウトとなる」(松谷氏)

その言葉通り、というべきか。厚生労働省は3日、公的年金財政の検証結果を公表した。そこでは、100年後にも年金の給付額を、現在と同水準の「現役時代の収入の50%以上」に維持するための方策が検討された。だがその内容は、「基礎年金加入者が65歳まで保険料を支払う」案や「パート労働者にまで広く厚生年金の支払いを求める」案など。結局のところ、年金を払う現役世代の負担増、年金を受け取る人数の削減だ。

正直に「年金はもたない」と表明もせず、国民的な議論が成立するわけがない。

崩壊・消滅の危機に瀕しているのは年金ばかりではない。元岩手県知事・元総務大臣で野村総研顧問の増田寛也氏が座長を務める日本創成会議・人口減少問題検討分科会は、2040年までに「消滅の危機」に瀕する市町村が896にものぼるとの衝撃的な発表を行った。増田氏はこう話す。

「少子化対策は政府もこれまでいろいろとやってきましたが、期待された効果はあらわれていない。そもそも、子供を産める年齢の女性が減っているからです」

増田氏らが独自に算出したのは、出産する女性の約95%を占めるとされる、20~39歳の若年女性の市町村ごとの人口減少だ。日本全体で見た場合にも、上のグラフのように若年女性の人口は今後急減していく。

増田氏らは、若年女性の減少率が'10年比で50%を超え、人口が1万人を切る市町村を、人口が回復する見込みの極めて低い消滅危機市町村と分類。その結果、全国の29・1%が該当した。

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