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<官製談合容疑>病院指名競争入札 札幌市係長を逮捕

毎日新聞 6月25日(水)23時45分配信

 ◇業者に入札情報を漏らす

 札幌市立札幌病院発注の業務に関する指名競争入札で、業者に入札情報を漏らして談合に関与したとして、北海道警捜査2課とサイバー犯罪対策課などは25日、同市北区北13西2、市豊平区戸籍住民課係長、宮川貴行被告(50)=公電磁的記録不正作出・同供用罪で起訴=を官製談合防止法違反などの疑いで逮捕した。また、業務を受注した事務機器販売会社「北海道オフィス・マシン」(札幌市中央区)社員、宮嶋啓(あきら)容疑者(40)=札幌市東区北8東1=を競売入札妨害容疑で逮捕した。

 逮捕容疑は、宮川容疑者は同病院総務課主査だった2012年11月、病院内のネットワーク(イントラネット)用端末の設定と旧端末の撤去などの業務に関する指名競争入札で、宮嶋容疑者に業務に関する情報を漏らして公正な入札を妨害したとしている。入札には他に4社が参加し、オフィス社が91万円で落札した。

 市によると、宮川容疑者は10年4月に総務課へ異動し、11年4月から13年4月まで主査として院内の情報システムを担当。システム構築関連の発注権限を持っていた。

 豊平区への異動後、同病院の入札システムを不正に閲覧した記録が見つかり、宮川容疑者の関与が浮上。サイバー対策課などが今月4日、公電磁的記録不正作出容疑などで逮捕し、札幌地検が25日に起訴していた。

 捜査2課などは25日、同病院などを家宅捜索して資料を押収し、癒着の実態や金銭授受の有無などを慎重に調べている。

 上田文雄市長は「事実関係を調査中で、詳細が明らかになり次第、厳正に対処したい。徹底的に原因究明をし、再発防止に努める」とのコメントを出した。【酒井祥宏、三股智子、日下部元美】

 ◇官製談合防止法

 国や地方自治体が発注する公共工事や物品納入、業務などの入札で、公務員が▽談合させる▽落札業者の事前指名▽予定価格の漏えい−−などをする行為を禁じており、2003年1月に施行。違反した場合は最大で懲役5年または罰金250万円と、刑法の談合罪より重い罰則が科せられる。

 ◇北海道で公務員が関与した主な談合事件

(肩書は当時)

2003年 1月  岩見沢市発注の土木工事などを巡り、公正取引委員会が官製談合防止法を全国初適用

  06年12月  深川市発注の小学校校舎工事で、道警が市長らを談合容疑で逮捕

  08年5〜6月 国土交通省北海道開発局発注の農業土木工事などで、札幌地検が局長とOBらを談合罪などで逮捕・起訴

      6月  札幌市発注の下水道工事で、公取委が独占禁止法違反容疑で立ち入り検査。官製談合を認定し同防止法を適用

      8月  森町発注の消防防災建物の建設工事で道警が町長らを談合容疑で逮捕

  11年11月  池田町発注の中学校改築工事で、道警が町総務課長らを同防止法違反容疑で逮捕

最終更新:6月26日(木)0時16分

毎日新聞

 

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