美濃加茂市汚職:贈賄容疑の社長「複数政治家に金配った」

毎日新聞 2014年06月25日 15時00分(最終更新 06月25日 15時15分)

 岐阜県美濃加茂市の浄水プラント導入を巡る汚職事件で、愛知、岐阜両県警の合同捜査本部に贈賄容疑で逮捕された経営コンサルタント会社「水源」(名古屋市)の社長、中林正善容疑者(43)が、自治体などからのプラント受注のために「複数の政治家に金を配った」と、周囲に話していたことが関係者への取材で分かった。

 関係者によると、中部地方の自治体や病院に浄水プラント導入を働きかけていた中林容疑者は2012年ごろ、「2人の国会議員に現金を渡したり、接待をしたりした」と話した。このうち愛知県選出の国会議員について「金がかかってしょうがない」と不満を漏らしつつ「議員の地元の首長を紹介してもらうことに成功した」と喜んでいた。複数の地方議員の名を挙げて「銀行から融資を受けるために信用保証協会に口利きしてもらった」とも吹聴していたという。

 こうした情報は捜査本部にも寄せられている。ただ、関係者は「政治家との関係を誇示しているように感じた」とも話しており、捜査本部は慎重に裏付けを進める。

 美濃加茂市長の藤井浩人容疑者(29)は、プラント導入で便宜を図る見返りに中林容疑者から現金計約30万円を受け取ったとして、受託収賄容疑などで24日逮捕された。

 捜査関係者によると、今回の汚職事件捜査の端緒は、2月に詐欺容疑で逮捕された中林容疑者の供述とされる。藤井容疑者と中林容疑者はメールなどで連絡を取り合っていたという。捜査本部によると、藤井容疑者は否認を続けているが、中林容疑者は容疑を認めている。

 捜査本部は25日、藤井容疑者と中林容疑者を名古屋地検に送検した。【駒木智一】

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