習志野市議会:原発再稼働求める意見書 委員会で採択

毎日新聞 2014年06月25日 15時00分(最終更新 06月25日 15時40分)

 ◇東日本大震災直後には「原子力発電からの撤退を求める意見書」

 千葉県の習志野市議会(定数30)環境経済委員会(7人)は6月定例会で、原発を再稼働するよう国に意見書を提出することを求める陳情を賛成多数で採択した。同市議会は東日本大震災直後の定例会では「自然エネルギーの本格的導入を推進し、原子力発電からの撤退を求める意見書」を全会一致で採択しており、180度の転換ともいえる内容。最終日の27日の本会議で同委員会の賛成議員が発議するが、可決されるか注目される。

 市議会事務局などによると、陳情は市民から出され、19日に採択された。「電力量料金(電気代)が高騰(約4割増)して生活維持が大変です。『安全が確認された原子力発電所を一刻も早く再稼働する』よう、市として国に対し意見書を提出してください」との内容だった。

 だが、2011年6月の議会では、議員発議による「原発からの撤退を求める意見書」を全会一致で採択。「日本で原子力発電を続けることの巨大な危険を考えるなら、速やかに原発から撤退することが強く求められている。自然エネルギーの本格的導入と低エネルギー社会への転換に向けて取り組む必要がある」などとしていた。

 同市議会の顔ぶれは11年の意見書採択時と同じ。今回、委員会で賛成した議員の一人は「安全基準も強化されてきており、(再)稼働させて将来は自然エネルギーへの移行を目指すべきだ」。別の議員は「委員会で間違えて賛成してしまった」として、本会議では反対に回るという。

 市民団体「習志野市民フォーラム」事務局の川辺俊一さん(61)は「現政権の(再稼働に向けた)流れに乗っているのではないか。安易に可決されれば、他自治体でも同じことが起きかねない」と語る。【岡崎大輔】

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