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 ←十斬 漢なら人生に一度決め台詞は言いたいもんだ →十二斬 漢なら許容出来る失敗には寛容であるべき
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「IS インフィニット・ストラトス ~黒衣の侍~」
IS学園入学編

十一斬 漢は時に物事を冷静に見なくちゃならない

 ←十斬 漢なら人生に一度決め台詞は言いたいもんだ →十二斬 漢なら許容出来る失敗には寛容であるべき
「一夏のメール見てるけどさ、お前等楽園らしーじゃん?」
「何処がだよ」
「楽園?」

 現在一夏と翔は、一夏が実家の様子を見に行くというので、それに着いて行き、一夏の実家を見に行ったついでに中学からの翔と一夏の友達である五反田弾の家へ寄ろうと言う話になり、現在、弾と一夏は格闘ゲーム、翔は自分の番が回ってくるまでの間、短い読書タイムという状況だったが、弾の台詞の意図が読めず、顔を上げる翔と、何となく意図は読めるが自分がその状況に甘んじていないという抗議の声を上げる一夏。

「またこいつらは……まぁ、いいや、招待券とかそういうのねーの?」
「ねぇよ、馬鹿」
「文化祭でもないのにある訳ないだろう」

 弾の言葉に簡潔に返す一夏。全く持ってその通り、正論を返す翔。この辺りは性格だろうか。まぁ、いいけどさ、と言いながらゲームへ意識を向ける弾。

「まぁ、でも鈴が転入してきてくれてよかったよ、話す奴少なかったしなぁ」
「鈴か、鈴ねぇ」
「む、この台詞で鈴音がどれだけ喜ぶか……」

 何やら意味有り気な笑みを一夏に向ける弾と、この場に鈴音が居ない不憫さに、少し同情の目をIS学園の方へ向ける翔。二人の態度に疑問を抱きながらも次の戦いの為のキャラクターを選択する一夏。ちなみにさっき勝ったのは弾。

「一夏、次は俺の番だったのだが……」
「あ、悪い、もうキャラ選んじまった」
「まぁ、別に構わんが……」
「何やってんだよ一夏ぁ、せっかくリベンジのチャンスだったのによぉ」

 意外な事に、柏木翔、ゲームが案外と好きな人物で、格闘ゲームもそれなりに好んでおり、成績的には弾は翔に負け越している。
 相性なのか一夏は翔に勝つ事もあれば、弾に負ける事もある。選手交代がないままに、次のラウンドに入ろうとした時、弾の部屋の扉が蹴り開けられる。そこには、適当に纏め上げられた髪をヘアバンドで固定し、肩紐が片方ずり落ちたキャミソールにホットパンツと言ういかにも部屋着と言う格好の女性、弾の妹、五反田蘭が立っていた。

「お兄ぃ、お昼ご飯出来たよ~、早く降りてきてよね」

 それだけ言って立ち去ろうとしたが、弾の奥に誰か居る事に気が付く、その人物が弾を避け、挨拶してくる。

「よぉ、蘭、お邪魔してる」
「あ、一夏さん、いらっしゃい、一夏さんもお昼ご飯食べて行ったら?」
「あぁ、ありがたく頂くよ」

 それじゃ、と言って蘭が廊下の奥へ消えようとした時、一夏の更に奥にもう一人居る事に気が付く。

(あぁ、もう一人分作らないと……)

 等と思いながら、その人物を確認するために数歩戻る。何故か無駄ににやついている兄の顔を蹴り飛ばしたくなったが、客人の前でそんな事をするわけにはいかない。

「おい、蘭来てるぞ?」

 その一夏の呼びかけに顔の半分が隠れるくらいまで本を持ち上げ読書に耽っていた翔が本を下ろし、久しぶりに聞く名前に反応する。

「む? 蘭か、邪魔しているぞ、元気にしていたか?」

 そう言って本を置く翔の姿を確認した瞬間、蘭の頬が赤く染まり、自分の格好を見下ろし……

「し、翔さん! 来てたんですか!?」

 何やらてんぱりながら、壁の向こうに隠れる蘭。翔の視界から外れた蘭は、急いで肩紐を直し、ホットパンツのボタンを締め、と、今現在蘭自身が出来る最低限の身だしなみを高速で整えていたのだが、そんな事翔は知る由もないので、ふむ……と不思議がっていた。

「一夏が家の様子を見に行くと言ってな、それの付き添いで着いてきた」
「そ、そうなんですか……翔さんも、良ければお昼ご飯、食べていってくださいね?」
「うむり、ありがたく馳走になる」

 冷静な顔で今明らかにおかしな返事をした翔だが、基本的にプライベートではこんなものだと皆分かっているのか、誰もそれについては指摘しない。そしてやっと姿を見せた蘭は最低限身だしなみを整えた美少女となって立っていた。
 そして、翔が昼食を食べていく事が決定すると、よしっ! とガッツポーズと共に気合を入れ、廊下を歩いていった。

「俺は勘弁して欲しい……」
「仕方ないだろ、身内が誰を好きになるかなんてこっちが決めらんないんだし」
「ふむ……弾、この本は何処の出版社だ? 気に入った」
「はぁ……」
「これだからなぁ」
「む?」

 日頃から、あいつが弟とかいやだぜ俺は、と言い続ける弾に一夏が諦めろと肩に手を置くが、翔は呑気に気に入った本の出版社を弾に聞いてくると言う、何があったのか全く気が付いていない態度で二人の頭を悩ませていた。


 五反田食堂、店内、一夏と翔は、出された昼食をありがたく頂いていた。弾も同じように食べているが、彼の妹、蘭は何故か翔達が食べているのをじっと見ているだけで、自分は食卓に付く気はないようだ。そしてその服装は、何故か先程の服装とは違って外へ出かける事を意識したような服。と、そうこうしている内に、翔が食べ終わり、手を合わせる。

「馳走になった」
「お、お粗末です……」
「腹が減っていてさっきは言えなかったんだが……着替えたのか?」
「えっ? あ、あぁ、まぁ、はい」

 その翔の台詞に、蘭の頬はさぁ、と赤く染まり、台詞もたどたどしくなる。一夏と弾からは今更かよ的な視線が送られる。がそれに気付いているのか否か、何時も通りに会話を進める翔。

「ふむ、俺は服と言う物には疎いのだが、よく似合っていると思うぞ」
「えっ!? ほ、ほほほ、ホントにそう思いますか!?」

 身を乗り出してまでそう聞いてくる蘭に、少しも焦る事無く、肯定の意を示すように首を縦に振る。それを見て、いょっし! と小さくガッツポーズをする蘭。翔に褒められたのが余程嬉しかったのだろう。そして翔は何やら満足そうに一つ頷く。

(うむ、蘭もいつまでも子供ではないという事か……デート為に身だしなみを整える、これが青春と言う奴か……)
(とか考えてんだろうなぁ)
(あぁ、まず間違いないぞ)

 食事を勧めながら目で会話する弾と一夏。実際その通りの事を考えてはいるが、それを口に出さないのは、指摘すれば蘭が恥ずかしがるだろうという翔の配慮である。確かにその心遣いは素晴らしいものだろう、女性にとってそう言う心遣いは高評価だ、しかし、その使い方を根本的に間違えているのがこの柏木翔と言う男である。こうして一見噛み合っている様に見えて致命的なまでに噛み合っていないやり取りは終了する。

「えっと、翔さん……ゆっくり、していってくださいね?」
「? あぁ、時間が許す限り、ここに居よう」
「は、はい!」

 翔の何気ない台詞に、蘭の顔は嬉しそうな笑顔だが、これ以上ないほどに赤く染まる。蘭の発言にも疑問を覚えた翔だが、その態度にも更に疑問を深める。翔の言い回しは恋する乙女にとって、曲解するには十分な威力を持つ言い回しが多いのに本人が気が付いていないのが致命的な所でもある。

「おい、蘭の奴ぜってー変な受け取り方したぞ……」
「翔もいい加減気付いてくれ……」

 蘭と翔が会話している間に食事を終えた弾と一夏が小声でそうやり取りする。一夏が気付けといっているのは、聞く者が聞けば情熱的とも取れる言い回しを多用する事についてである。箒と鈴音については翔が骨を折っているが、結局持ちつ持たれつ、と言う事だった。


 翌日、明らかに箒の雰囲気が落ち込んでいる。表面上は何時も通りだが、完全に覇気がない。それを見た翔は一夏へと問いかける。

「一夏、昨日何かあったか?」
「いや? 特に……あぁ、そう言えば箒が他の部屋に移った」
「そうか、なるほどな」

 間違いなく原因はそれだろう、と翔はほぼ確信に近い領域で状況を把握する。だが、これで箒にとっても鈴音にとっても本当の意味で状況はイーブンになったという事、これぐらいでへこたれているなら、箒はそこまでだったという事。そう考えを改め、箒のショックは一時的なものだろうと、症状を断定する。

「何かあったのか?」
「いや、何でもない、しかし、今日は妙に騒がしいな……」
「だよな、俺もそう思ってた」

 二人で何時もと様子の違う朝に、二人は首を傾げる。噂話と言うものに疎い二人に内密で交わされていた話は女子生徒の間だけで広まっていて、二人の耳には一切入ってこない。その入ってこない話と言うのは、今度の学年別トーナメントで優勝した者は織斑一夏、柏木翔、このどちらかと付き合う事が出来るというもの。

「まぁ、皆楽しそうだ、わざわざ掘り下げる事もあるまい」
「そうだな」

 この噂が二人の耳に届く事はこれから先もまずないだろう。と、そこで、教室の引き戸が開く独特の音が響き、続いて人の足音が二つ、具体的に人物名を挙げるならば、一年一組担任、織斑千冬と副担任、山田真耶のものである。時間は既にSHR開始の時間を指していた。千冬が教壇から少し離れた入り口側、つまり何時もの位置に立つと、檄を飛ばす。

「SHRは始まっているぞ、さっさと席に着け!」

 その声と共に生徒達は一斉に席に着く。全員が座り終えた事を見届け、真耶にSHRのバトンを渡す。生徒側からの視点で表すならば教卓の後ろに立った真耶が本日の連絡事項を述べる。筈だが、今日はどうも通常の連絡事項ではなかったようだ。

「今日は皆さんに嬉しいお知らせがあります」

 真耶から告げられた何時もと違う始まりの言葉に教室内の生徒は動揺したであろうが、それを表に出す事はない、理由を挙げるならば、教室内に居るもう一人の教師が原因だと言っておこう。生徒達の動揺など知る由もない真耶は自らの言葉の続きを継げる。

「今日このクラスに新しい転入生が来ました、入ってきてください」

 真耶に告げられた言葉に驚愕する暇もなく、一人の生徒が入室を許可され、教室の引き戸が引かれる音が教室内に響く。音と共に教室に足を踏み入れた人物は、予想外中の予想外、金色の髪に、優しげな瞳の、IS学園につい最近出来た男子学生服を纏った生徒だった。その事実を認識する前に金色の髪と優しげな瞳が印象的な男子生徒は自己紹介を始める。

「シャルル・デュノアと言います、フランスから来ました、よろしくお願いします」
「お、男?」
「はい、ここに僕と同じ境遇の方が二人いらっしゃると聞いたので、ここに……」

 その事実を認識した一年一組の極一部を除けた大多数の声が爆発。そして千冬に一括され、静まると言うお決まりのパターンを消化していた。ちなみに、極一部とは言うまでもないが、箒とセシリアである。そして、三人目の男子生徒に、一夏も驚きと安堵の声を上げる。が、この教室に居る最後の男子、柏木翔だけは、この自体を冷静に見つめ、疑問を抱いていた。

(解せんな、時期が遅すぎる……男子でISを起動させられると言う事が分かったのなら何故もっと早くここへ来なかったのか……)

 そこまで考えて、考えていても埒が明かないと結論を出し、思考を切り替える。純粋に新しいクラスの仲間が増える喜びを感じた一人の人間として。そうして思考を切り替える間にも教師、千冬の言った内容を頭に刻んでいく、二組との合同実習、着替えて第二グラウンドに集合。

「柏木、デュノアの面倒を見てやってくれ」
「承知」

 大勢の生徒が居る前での、千冬が出来る精一杯の頼みを、躊躇もなく受け入れる翔。それを聞いた千冬は、ほんの一瞬、嬉しそうな笑みを漏らすが、次の瞬間、何時もの表情へと戻っている。無論、そのやり取りに気が付いたものは居ない。転入してきた男子生徒、シャルル・デュノアが一夏と翔へ話しかけてくる。その物腰は非常に柔らかく、紳士と言うに値する雰囲気だ。

「えっと、君が柏木君?」
「あぁ、そしてこっちが織斑一夏だ、この場は簡単に済ませればいいだろう」
「そうだな」
「?」

 即座に移動を開始しようとする一夏と翔に、二人が何をそんなに急いでいるのか分かっていない様子のシャルル。数秒経っても動こうとしないシャルルに焦れたのか、千冬から面倒を見る事を承諾した翔は無視するわけにもいかず、シャルルを小脇に抱える。

「えっ?」
「スマンが、我慢してくれ」

 自分の状況を一瞬で判断したシャルルは、口元を明らかに悲鳴を上げる前の形にしていた為、それを封じるべく、悲鳴が漏れる前に比較的小さい声で、シャルルに謝罪を送る。翔の声にはっとした表情の後に頷いて静かになるシャルル。その頬は気のせいかもしれないが赤に染まっているように見える。

「おい、翔、早く移動しないと」
「む、そうだったな、デュノアよ、しばらく我慢……」
「シャルルでいいよ」
「そうか、ではシャルル、スマンがしばらく我慢してくれ」

 翔の言葉に肯定の言葉を返し、翔の小脇でおとなしくなる。そのシャルルの様子に満足したのか、一夏と共に教室を出て行く。そこで、何時ものように疾走しつつ意識の少しを思考へと傾ける。器用な人物なら誰しも少なからず持っている並列思考(マルチタスク)と呼ばれる技能だ。

(男ではどうやっても感じる下心がない事、抱え上げた時の反応、何より標準的な男子では考えられない体重、やはりそう言う事なのか……?)

 今日も大多数の女子生徒から追いかけられながら、思考を深めていく翔。だが、それも中断せざるを得ないほどに狭まる女子生徒の包囲網。

「解せんな、日に日に包囲の戦法が柔軟性を増していく……」
「そんなこと言ってる場合か! こっちだ!」
「何で皆は僕等を追いかけるのかな?」

 そのシャルルの純粋な疑問に、一夏はシャルルが自分の置かれている状況を把握できていないだけと判断したようだが、翔は自らが立てた仮説をより信憑性のある仮説へとシフトさせていた。
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