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「IS インフィニット・ストラトス ~黒衣の侍~」
IS学園入学編
プロローグ
インフィニット・ストラトス、通称ISと呼ばれるマルチフォームスーツが篠ノ之束の手によって開発された時、世界の情勢は一変した。ISには通常兵器がまるで役に立たず、IS一機であらゆる戦況へ対応が可能、陸海空、どの戦力もISには通用しない。その認識が世界へ広まった時、兵器への転用が危惧されたが、世界の思惑から外れ、スポーツとしてISを扱う競技などが多くなり、完全に兵器へ転用されると言う事態は回避された。
このように一見すると完璧な戦闘力を持つように思えるISだが、一つだけ致命的な欠陥があった。
それは、ISは詳しい原因は不明だが、女性にしか扱えないと言う事。その事実が浮き彫りになった時から、女性優遇の体制が世界中に広まり、そして現在は女尊男卑の風潮が広がっている。
しかし、どのような事象の中にも例外と言うものが存在するように、女性しか扱えないはずのISにも例外はあった、たった二つだが、世界と言う広い範囲の中で、日本のIS学園一年一組、そこに二つの例外は集められていた。
「織斑先生と呼べ」
台詞と共に振り下ろされた出席簿の向かう先は、世界で二つの例外の一つ、織斑一夏の頭だ。
凡そ人の頭から出てはいけないような衝突音と共に悲鳴を上げた一夏は痛みを我慢しつつ、自分を殴った人物を改めて驚きの感情と共に見やる。サマースーツの似合う実の姉、織斑千冬を。
「はい……織斑先生」
自らの救援を昔の幼馴染、篠ノ之箒へと視線に乗せて送っていたのだが、その熱視線によるラブコールは悉く失敗に終わり、妙に納得できないような、腑に落ちないような、そんな感情を抱きながらも、自分の自己紹介の番はもはやする事がないと判断し、未だに痛む頭をさすりつつ席に着く。
その一夏の様子にこれ以上は言っても仕方ないと判断したのか、千冬の視線は一夏の後ろの席、二つの例外のもう片方へ視線を向ける。
静かに席に座り、落ち着き払っている精悍な顔つきと鋭い眼光を視界に入れた千冬の目が少し細められる。
「次、自己紹介をしろ」
千冬のその声に、例外の二つ目は音もなく静かに、起立し、威風堂々と言う言葉が似合いそうな雰囲気で自己紹介を始める。
「名前は柏木翔。特技は剣術。趣味は読書。一夏とは幼馴染で見ての通り俺たちは男だ、ISについては素人も良い所だが、その辺りも含めてよろしくお願いする」
表情を変えることなく言い切り、静かに着席する翔、その静かな自信に何か感じる所があったのか、周りの女性たちは一夏や千冬の時のように黄色い声を上げるでもなく、ほぅ……となにやら余韻に浸っているようなため息をつく。
着席した翔を待っていたのは、屈託のない笑顔を向けてくる一夏だった。
「フォロー、サンキューな」
そう言って笑みを向けてくる一夏に、薄く笑みを返す翔。
「気にするな、今までと同じ事をしてるだけだ」
心に余裕があるのか、そう言いながら一夏の感謝に当たり前の事だと返す翔は、どう見ても15歳の雰囲気ではない。
幼馴染との短いやり取りを切り上げ、すぐさま前を向くよう一夏に促す翔にクールな笑みを送る千冬に気が付き、薄く笑みを返す翔は精神的に15歳ではないのだろう。
その後自己紹介は粛々と進んでいく事になる。
世界でたった二つの例外を内包した日本のIS学園、その例外とは、男がISを動かしたと言う事実。その二つの例外を一つの学園内に押し込めたままこの物語は始まる。
このように一見すると完璧な戦闘力を持つように思えるISだが、一つだけ致命的な欠陥があった。
それは、ISは詳しい原因は不明だが、女性にしか扱えないと言う事。その事実が浮き彫りになった時から、女性優遇の体制が世界中に広まり、そして現在は女尊男卑の風潮が広がっている。
しかし、どのような事象の中にも例外と言うものが存在するように、女性しか扱えないはずのISにも例外はあった、たった二つだが、世界と言う広い範囲の中で、日本のIS学園一年一組、そこに二つの例外は集められていた。
「織斑先生と呼べ」
台詞と共に振り下ろされた出席簿の向かう先は、世界で二つの例外の一つ、織斑一夏の頭だ。
凡そ人の頭から出てはいけないような衝突音と共に悲鳴を上げた一夏は痛みを我慢しつつ、自分を殴った人物を改めて驚きの感情と共に見やる。サマースーツの似合う実の姉、織斑千冬を。
「はい……織斑先生」
自らの救援を昔の幼馴染、篠ノ之箒へと視線に乗せて送っていたのだが、その熱視線によるラブコールは悉く失敗に終わり、妙に納得できないような、腑に落ちないような、そんな感情を抱きながらも、自分の自己紹介の番はもはやする事がないと判断し、未だに痛む頭をさすりつつ席に着く。
その一夏の様子にこれ以上は言っても仕方ないと判断したのか、千冬の視線は一夏の後ろの席、二つの例外のもう片方へ視線を向ける。
静かに席に座り、落ち着き払っている精悍な顔つきと鋭い眼光を視界に入れた千冬の目が少し細められる。
「次、自己紹介をしろ」
千冬のその声に、例外の二つ目は音もなく静かに、起立し、威風堂々と言う言葉が似合いそうな雰囲気で自己紹介を始める。
「名前は柏木翔。特技は剣術。趣味は読書。一夏とは幼馴染で見ての通り俺たちは男だ、ISについては素人も良い所だが、その辺りも含めてよろしくお願いする」
表情を変えることなく言い切り、静かに着席する翔、その静かな自信に何か感じる所があったのか、周りの女性たちは一夏や千冬の時のように黄色い声を上げるでもなく、ほぅ……となにやら余韻に浸っているようなため息をつく。
着席した翔を待っていたのは、屈託のない笑顔を向けてくる一夏だった。
「フォロー、サンキューな」
そう言って笑みを向けてくる一夏に、薄く笑みを返す翔。
「気にするな、今までと同じ事をしてるだけだ」
心に余裕があるのか、そう言いながら一夏の感謝に当たり前の事だと返す翔は、どう見ても15歳の雰囲気ではない。
幼馴染との短いやり取りを切り上げ、すぐさま前を向くよう一夏に促す翔にクールな笑みを送る千冬に気が付き、薄く笑みを返す翔は精神的に15歳ではないのだろう。
その後自己紹介は粛々と進んでいく事になる。
世界でたった二つの例外を内包した日本のIS学園、その例外とは、男がISを動かしたと言う事実。その二つの例外を一つの学園内に押し込めたままこの物語は始まる。
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