<電力株主総会>全9社で脱原発提案
毎日新聞 6月26日(木)11時39分配信
沖縄電力を除く大手電力9社は26日、一斉に株主総会を開いた。今年は初めて9社すべての総会で「脱原発」を求める株主提案が出された。政府と電力各社が、原発を再稼働させる方針を示す中、脱原発を求める声の根強さをうかがわせた。各社は業績改善や電力の安定供給などに原発は必要としており、提案はいずれも否決される見通しだ。
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東京電力の総会では、4月に就任した数土(すど)文夫会長が「賠償、福島の復興、廃炉、電力の安定供給を担う経営基盤確立のため、事業モデルを大胆に転換する」と語った。また、広瀬直己社長が、放射能汚染水の流出など、福島第1原発事故対応を巡る混乱が続いていることについて「広く社会に迷惑をかける事象があった。深くおわびする」と陳謝した。
株主からは、原発再稼働を前提にした再建計画(新総合特別事業計画)の見直しや柏崎刈羽原発(新潟県)の廃炉など、10件の提案があった。東電は2012年に実質国有化され、政府が出資する原子力損害賠償支援機構が株式の過半数を握っている。機構は、再建には原発再稼働が不可欠との立場で、株主提案はすべて否決される見通し。
原発停止の長期化で3年連続の経常赤字となった関西電力の総会には、筆頭株主の大阪市の橋下徹市長が2年ぶりに出席し、「2年前に原発は動かないから対応しろと指摘した。将来の予測ができない経営陣は総退陣すべきだ。早く原発撤退を決めてほしい」と批判。受け入れられない場合「大阪市の保有株を(経営に厳しく注文をつける)物言う株主に売る」と警告した。これに対し八木誠社長は「安全が確認された原発の再稼働に取り組む」と従来の見解を繰り返した。
今年は初めて北陸電力の株主が脱原発を提案し、9社すべての総会で脱原発が議論されることになった。各社は原発の代わりに運転している火力発電用の燃料代がかさんでいると強調。再稼働への理解を求めた。
また、北海道電力の川合克彦社長は「(電気料金の)再値上げを実施しなければならないと認識している。そう遠くない時期に決めたい」と表明した。泊原発(北海道泊村)の再稼働時期が見通せず、業績悪化が避けられないと判断した。【安藤大介、浜中慎哉】
最終更新:6月26日(木)15時25分
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