美濃加茂市汚職:贈賄容疑者「市長の選挙のため賄賂増額」
毎日新聞 2014年06月26日 07時10分(最終更新 06月26日 12時58分)
岐阜県美濃加茂市の浄水プラント導入をめぐる汚職事件で、市長の藤井浩人容疑者(29)への贈賄容疑で逮捕された経営コンサルタント会社社長、中林正善容疑者(43)が、愛知、岐阜県警合同捜査本部の調べに対し「2回目の賄賂は、(藤井容疑者の)選挙のために額を増やした」と供述していることが、捜査関係者への取材で分かった。藤井容疑者は、10万円と20万円に分けて賄賂を受け取ったとして受託収賄容疑などで逮捕されたが、否認を続けている。【駒木智一、山本佳孝、梶原遊】
同市の前市長は2013年4月19日、病気療養を理由に辞任を表明した。市議だった藤井容疑者は5月7日に市長選への立候補を表明。6月2日の選挙で対抗馬の元市議会副議長を破り、28歳で全国最年少市長になった。
捜査関係者らによると、中林容疑者は前市長の辞任表明の前後に、藤井容疑者が市長選への出馬を考えていることを知り、「資金は足りているか」などと藤井容疑者の周辺に探りを入れていた。賄賂は4月初旬と下旬の2回に分けて渡したが、中林容疑者は捜査本部の調べに対し「藤井容疑者から、選挙に金がかかると聞いて増額しようと思った」との趣旨の供述をしているという。
藤井容疑者の選挙運動費用収支報告書によると、陣営の収入は計581万円。うち藤井容疑者の自己資金は250万円で、他に親族とみられる女性2人が150万円を寄付していた。議会関係者は「藤井容疑者の陣営は、業者にPR映像を作らせたり、有権者アンケートをしたりと、金がかかっている印象だった」と話している。
◇藤井容疑者を名古屋地検に送検
捜査本部は25日、藤井容疑者を名古屋地検に送検した。藤井容疑者は否認を続けており、接見した弁護士を通じ、海老和允(えび・かずよし)副市長を職務代理者とするよう伝言した。海老副市長は、一両日中に手続きを行うとしている。