2014年06月26日

F1のパドック・クラブ: F1という野獣にエサを与える

Feeding the Formula One beast -- F1 Paddock Club

レッドブルのF1パドック・クラブ

F1を動かしているのはお金だが、多くのチームは企業ホスピタリティへのアクセスがなければF1に参戦しない。

F1のテレビ放送をいつも見ている視聴者はおそらく、白い屋根に大きな赤い文字で "Paddock Club" と描かれた人目を引く細長いビルの中はどうなっているのだろうと考えたことがあるだろう。このビルは、トラックのメイン・ストレートに並行して建っているので見逃しようがなく、ヘリコプター・カメラでサーキットを撮影した俯瞰映像にもしばしば登場する。

この建物には、F1で最も珍重される企業ホスピタリティがあり、その有名度は重要性を反映している。

パドック・クラブと、F1の中枢であるパドックそのものを混同しないでほしい。パドックは、チームが移動本部を立ち上げ、ドライバーが準備をする場所である。対照的に、パドック・クラブの訪問者は、リラックスして楽しむよう勧められる。しかし、その目的は軽薄とはほど遠い。ゲストはF1に数百万ドルの予算をもたらしてくれるのだ。

F1と企業ホスピタリティは連携している。300以上のブランドがF1のスポンサーになり、各ブランドは少なくともひとりの代表者にF1パートナーシップを担当させている。彼らは、顧客を印象的に楽しませる場所を必要としている。パドック・クラブは、他のモータースポーツでは味わえない経験を提供するが、それには正当な理由があるのだ。

レッドブルのF1パドック・クラブ

パドック・クラブで数分過ごしただけで、レーストラックの近くにいることさえ忘れてしまう。燃えるゴムの臭いは、開放型グリルの匂いでほぼかき消され、無料のシャンペン・バーが準備を整えている。パーティのように見えるが、真剣なビジネスが進行している。

(F1を運営する)F1グループは毎年チームにパドック・クラブのパスを提供している。チームはそのパスをそれぞれのスポンサーに慎重に配布する。ブラックベリー、デル、ヒルトンなどの有名ブランドは、チームに何千万ドルもの予算を提供し、その見返りとしてマシンに対するロゴの掲載やレースあたり50枚ものパドック・クラブ・パスを手に入れる。パスは一般市民向けにも販売されているが、価格は1枚4,000ドル(40万6,960円*)である。

F1のパドック・クラブ
part 1: F1という野獣にエサを与える
part 2: エクレストンの発案・展望によって発展

写真は、レッドブルのF1パドック・クラブ
-Source: AUTOWEEK

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*日本時間2014年06月26日09:40 の為替レート: 1ドル=101.740000円



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