はい、あ~んして 駅ナカ小児科医

小児科外来では、手足口病やヘルパンギーナといった、いわゆる夏風邪が流行り始めました。
手洗いをしっかりして予防に努めてください。

さて、ワクチン接種です。
日本では、定期接種、任意接種と大きく二つに分けられています。
しかし、いずれも義務接種ではありません。
ですので、いろいろな理由で接種を受けないという選択もあるわけです。
しかし、ワクチン接種を受けたくても、基礎疾患などの理由で接種が受けられない方もいらっしゃいます。

例えば、水ぼうそう(水痘)。
基礎疾患のない健康な方であれば感染しても、全身にブツブツが出て、かゆくてつらい思いはしますが、1週間ほど我慢すれば自然に治癒します。
日本では、ワクチン接種は自費で有料ですが、治療のための診察や投薬はお子さんであれば窓口負担はないわけです。

予防にはお金がかかるけど、治療はタダ。
さらに重症化することもまれ。
じゃあ、病気にかかっちゃった方がいいじゃないか。
そう思われる方もあるでしょう。

しかし、基礎疾患のあるお子さんの中には水痘に感染すると命を落としてしまう方もあるのです。
本来ならワクチン接種で予防したい。でも、基礎疾患のために予防できないのです。

麻しんや風しん、おたふくなどでもまったく同様です。

ここで、保護者の方にお願いがあります。

基礎疾患がなければ、ぜひお子さんのワクチン接種を受けてください。
そして、自分自身、自分のお子さん、そしてワクチン接種を受けられない方を守ってあげてください。

それでも、どうしてもワクチン接種を拒否されるなら、
感染の可能性がある場合には、外出を控えてください。
感染症の人たちが出歩くことによって、他の方に迷惑がかかります。
ワクチン接種を拒否するなら、覚悟を持って拒否してください。
お願いします。

細田和孝 (ほそだ・かずたか)

1973年栃木県出身。99年新潟大学医学部卒。国立循環器病センター小児科、新潟市民病院新生児医療センター、山形県鶴岡市荘内病院を経て08年から「ナビタスクリニック立川」(エキュート立川内)勤務。小児内科、小児循環器病が専門。子どもが泣かずに診察室を出ていく診療を心がける。診察に連れて行くタイミングは、「お母さん(お父さん)が心配で、医者に話を聞きたくなったときにどうぞ」。

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