改正児童ポルノ禁止法が成立したことに関しての産経新聞の社説があまりにもひどすぎます。

児童ポルノ 恥ずべき社会脱する機に

 改正法では、漫画やアニメ、コンピューターグラフィックス(CG)などは表現の自由に配慮する観点から規制の対象外とされた。だが現実には、幼児を性的対象とするような「作品」が氾濫している。架空の創作物であれば何でも許されるのか。将来的な規制について検討を重ねる必要がある。

 栃木県の小学1年女児が殺害された事件では、8年半後に逮捕された容疑者宅のパソコンから、幼児性愛に関する画像が多数見つかった。児童ポルノの所持が、凶悪犯罪と結びつくケースもある。
子供を守る手立ては、どれだけ厳重にしてもいい。
児童ポルノについては漫画やアニメやCGなど実在の被害者がいない場合でも、そういうものに影響されて犯罪を犯す者が現れて実在の児童が犯罪被害者になるケースもあるから、漫画やアニメやCGも規制せよという論調です。表現の自由を守るべき報道機関が「こういうケースもあるから」というだけで表現の自由を規制しようとは驚きです。

「統計的に有意か」「相関関係か因果関係か」ということはぶっ飛ばして、サンプル数1で規制すべきだというのもひどいですが、特に気になったのは

子供を守る手立ては、どれだけ厳重にしてもいい。

という一文です。

「子供を守ることが何より一番大事なので表現の自由より優先されるべきだ。」
こういう論調は確か産経さんが嫌いなはずの反原発が一番よく使う「人間の命が何より一番大事なので電気代などの経済問題より優先されるべきだ。」というのによく似ているように思えるのですが。

というわけでこの社説の論理が正しいとするなら、「漫画やアニメやCG」を「犯罪報道」にも適用できるので適用してみましょう。

現状、マスコミには犯罪報道が氾濫している。報道の自由といえば何でも許されるのか。将来的な犯罪報道の規制について検討を重ねる必要がある。

3Dプリンターで銃を作成した事件や圧力鍋で爆弾を作った事件など今まであまり知られていなかった新たな手法の犯罪の報道が模倣犯と結びつくケースもある。
犯罪(特に殺人事件)を防ぐ手立ては、どれだけ厳重にしてもいい。


産経さんにとっては自らの主張と同じですから何ら違和感無いですよねえ。

それとも漫画やアニメやCGについての表現の自由は守らなくてもいいが犯罪報道についての報道の自由(表現の自由)は社会的に重要だとでも主張するのでしょうか。
まあ漫画やアニメやCGなどがなくなっても生きていくのに困るということはないですが、それなら犯罪報道がなくなっても何も困りませんね。

というわけで産経さんは法規制とかしなくても自社の報道の規制はすぐにでもできるはずので、模倣犯を出さないために今すぐ犯罪報道をやめてください。

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