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船井総合研究所の高付加価値型アウトソーシング研究会にて講演した。テーマは「信頼できる人材ビジネス会社と、 使えない人材ビジネス会社とは 〜好景気にこそ営業力を鍛えなおそう!〜」だ。珍しく営業について熱く語った。

「営業」というのは、自分の原点である。雇用・労働の人、ネットニュースやラジオでゆるいことを言って賛否両論を呼ぶ人と認識されている私だけど、31歳までは一貫しては営業畑の人だった。営業担当を2年、その後はずっと営業企画の仕事をしていた。自分自身、売れない営業マンだったことは人生の中でも挫折体験の一つである。営業企画担当になってからはデキる営業マン、デキない営業マンを多数見てきた。

30代から人材の人だったわけだが、特に採用担当者時代は、古巣リクルートグループの人たちを含め、たくさんの人から営業を受けた。物書きをしている今も、「ウチのサービスに参画しませんか」みたいな営業を受けたりする。編集者だって、仕事の中身には営業っぽいことが多数ある。

ただ、人から営業を受けてみると、「デキるな」と思える人は1割いたらいいほうで、まあ、ストレスを感じないなというレベルの人が4割、5割は「この人もだけど、この会社、大丈夫かな」と思ってしまう。いや、個人の問題もあるのだけど、こういう営業マンをよこすということは、その企業も問題ないかと思ってしまうわけだ。戦略も組織も何かこう、間違っていないか、と。その営業マンもダメだけど、それを放置する上司たちってどうなのか、と。

そんなことを、約1時間、大放談。おかげ様で好評だったようだ。単なるディスりではなく、建設的な提案、自分がすごいなと思った人のエピソードもちゃんと共有したのだが。

特に人材ビジネス会社の営業について、ダメだと思うのは、次の点である(セミナー資料より抜粋)。

人材ビジネス会社の営業マンについてダメだなと感じる12のポイント
1.市場動向(特に求職者について)に詳しくない。
2.商品・サービスについて実は詳しくない、愛していない。
3.深いヒアリングができない。
4.提案力が弱い(企画が面白くない)。
5.課題をわかってくれない(解決する気もない)。
6.勉強していない(あるいは、してる気になっている)。
7.欲しくないものばかり提案してくる。
8.やたらと意識だけは高い(うざい)。
9.若さ(経験が浅いこと)を自慢する。
10.業界関係者(しかも、雑魚同士)で群れる。
11.オシャレじゃない(客のことを考えてない)。
12.数字の組み立て方が下手(こっちが心配になる 行動の目的化)。

そもそも、数字へのこだわりを感じない。

宮崎アニメの『紅の豚』の名セリフに「飛べない豚はただの豚だ」というものがあるが、売れない営業マンに存在意義はない。

特に人材ビジネス会社というのは、求人が回復すると「営業強化」の名のもとに営業マンを増やす。強化ではなく、単なる増加だ。比較的売りやすい時期なので、新しく入った営業が雑な営業をし、評判をひたすら下げる。

これが構造的な問題だと思う。

また、人材の採用と育成が率直に上手くいっていないのではないかと感じる。せいぜい2流、という。もちろん、競争が激しくなったり、サービスが標準化されて営業は誰でもいいやという考えもあるだろう。

ただ、ここがそもそも違うと思うのだよな。

人材ビジネス会社の営業は、取引先の人事部に「どうやったら、こんなに優秀な人が採れるのだろう?」「プロを感じる」「この会社にまかせてみよう」と思わせなければならないのだよね。

人材ビジネス会社に限らずだが、日本の営業は大丈夫かという危機感が高まる今日このごろだ。

セミナーの資料(は、たいしたものではないのだが)と音源、どこかで公開しよう。こういう時にnoteとかで販売すればいいのか。ただ、noteを使うといかにも意識高そうな人に見えるので、ポッドキャストで無料配信かな。・・・だからお金がたまらない。

ウルトラマンより営業マン。

日々是営業。

楽しくいこう。