兵庫・西宮市長のチラシに演出？　写真とコメント「無関係」

市長選前に配られた政策チラシ。写真とコメントは無関係だった（画像の一部を加工しています）

　兵庫県西宮市の今村岳司市長の政治団体が市長選を控えた今年３月に発行したチラシで、人物写真に添えられているコメントの大半が、写真の人物の発言ではなかったことが２３日、分かった。同日の西宮市会６月定例会で市議が「過剰な演出ではないか」と問いただした。


　問題のチラシは「レコンキスタ１２号」。表紙には女性の写真とともに、「私はまだ十代だから投票には行けません。ハタチ以上のオトナのひとたちは、どうか、ちゃんと投票に行ってください」などとコメントが添えられていた。だが、この女性は選挙期間中、今村氏の事務所スタッフを務め、既に成人で西宮市民でもないという。

　中面にも、６人の写真と、その下段に「５０年前、投票に行ってコンビナート誘致を止めました。いまでも憶えてるわ」といったコメントが並ぶが、実名の吉田雄人横須賀市長以外は、関係のない人物の写真という。

　今村市長は「メッセージのイメージに合う人物をモデルに使ったにすぎず、記事は写真本人のメッセージではない」と認めた。その上で、質問した議員に「（掲載）人物の年齢や住所を掲載していないのに、なぜその情報を知っているのか」などと言い放った。

　市選挙管理委員会によると、自身の経歴などについて詐称した場合は公職選挙法違反の疑いが出てくるが、今回のケースは公選法に抵触しないとみている。

（斉藤絵美）