TOEFL - Speaking

はじめに

 

恐らくこれがTOEFLで一番難しいセクションでしょう。日本人にとってこのSpeakingで何点取れるかが、TOEFL全体で何点取れるかを規定していると言っても過言ではないと思います。しかも、この試験を厄介にしているのは、Speakingだけを問われているのではなく、Speakingの試験の中でReadingとListeningも試されている点です。言い換えるならば、どれだけ話せてもReading & Listeningができなければ、永遠にSpeakingの点数は伸びません。ですので、まずReading と Listening の力を何とかして上げておく必要があります。

 

正直、このSpeakingを自分一人の力だけで点数を伸ばすのは、純粋国内育ちの人にとっては不可能でしょう。このアウトプット系の試験については、海外経験 or 仕事での英語業務経験、そういった経験がない人については、予備校での対策が不可欠だと思います。

僕は2011/1に受けたAGOSの試験で衝撃を受けて、① 2月からAGOSに通い、②その後2か月間E4TGに通い、③加えて個人的に「TOEFL TEST対策iBTスピーキング」を勉強しました。ここまでこだわったのは、TOEFLで高得点をとるには20点台前半の点数では頼りなく、20点台後半を目指すべきだと判断したためであり、それに挑戦したかったからです。他のセクションでもちろん満点を目指すように勉強すべきなのでしょうが、Speakingで20点台前半にとどまるのが何ともおしいし、しかもそこが“得点上の”一番の伸びしろだろうと思いました。

 

ちなみに、TOEFLのSpeakingに対しては、学校や教科書によっていろんな流派・流儀があって、時としてそれが一致していないどころか、お互いに矛盾したりもしていると感じました。でも、僕の結論は「それぞれが正しい」でした。つまり、点数をあげるやり方はいろいろあるということ。で、僕は実際のテストでは言いトコどりをしてテストに臨んでいました。

 

絶対に練習が必要

 

とにかくまずICレコーダーを購入する必要があります。自分の声を聞くことは恥ずかしいし、そんなことをしていられるかと、最初思うと思いますが、そう思っているうちは点数があがらないでしょう。TOEFLの試験会場に行くと、あきらかにSpeakingの対策をしていない人がいますが、そのレベルだと永遠に100点には到達できないだろうと思います。自分で自分の声を録音してそれを聞いて、また練習する・・・、この反復プロセスは避けられないと思います(僕は600回近く録音していました)。

 

“自分のレベルを下げる”

 

個人的にまずSpeakingで重要だと思ったことは、“自分のレベルを下げる”ということでした。以下説明します。

 

おそらく文化的な差異に起因するのだろうと思いますが、意見を述べるときに、日本人はより一般的な・普遍的な観点から物事を述べたがるような気がします(少なくとも僕はそう)。それに比べて、(日本人に比べて)アメリカ人はより個人的な・Personalな観点から物事を述べたがるような気がします。

 

たとえば、“一人で勉強するのが良いか、みんなで勉強するのが良いのか?”と英語で質問されると、つい

 

みんなで勉強するのが良いと思う。なぜならば、みんなで勉強することでこれまでお互いに気づかなかったことに気づくことができるし、新たな視点を生み出すことができる。日本では個人主義ではなく、集団でみんなで物事を考えることが多いと思うが、それが日本の強みだと思う。

 

とかいう風に答えがちになってしまいます(内容については賛否あるんでしょうが、あくまで例として)。

 

でも、TOEFLではこんな風に堂々と答えてしまうべきなのでしょう。

 

みんなで勉強するのが良いと思う。自分が大学生の時に、初めは一人で勉強していたんだけど、成績が上がらなくて、先生に怒られた。それを見て、おかあちゃんが友達と勉強したらと進めてくれた。それで、KenとEmiと勉強を始めた。そしたら、急に成績があがって、先生に褒められた。だからみんなで勉強するのが良いと思う。

 

なんて幼稚な内容!だと思うでしょうが、全然これでOK。Every Reason is Good Reason。そもそも、TOEFLは内容は一切採点対象ではないので、恥ずかしがらずに、“自分のレベルを下げて”、遠慮せずに“幼稚化して”答えるべきなんだと思います。そのほうが英語のレベルも低くすんで簡単に話せるので。

 

若干蛇足ですが、これはMBAのプロセスを通して、自分自身がすごく感じたことなのですが、日本的な感覚から比較すると、アメリカでは ①Personal点・理由がより好まれる、②何か主張するときに正しい/間違いはなく堂々と自分の思う通りに主張すべきと思われている、のだなと感じました。TOEFLのWritingでも、GMATのAWAでも、エッセイでもインタビューでもこの点を強く感じました。

 

それぞれのセクションに対するコメント

 

Task 1 Independent Task (15秒で準備して45秒話す)
質問→Speaking
Familiar Topicについて質問に答えるもの (例:趣味はなんだ?休日は何する?)

 

ある程度質問を想定して準備をしておけば、何とかなるセクションでしょう(逆に準備をしていないと、何を話そうかと悩んでいるうちに45秒が過ぎる)。一番得点を稼ぎやすい。

 

Task 2 Independent Task (15秒で準備して45秒話す)
質問→Speaking
Familiar Topicについて意見を述べるもの。 (例:一人で勉強するのが好き?みんなで勉強するのが好き?)

 

同上。ある程度質問を想定して準備をしておけば、何とかなるセクションでしょう。一番得点を稼ぎやすい。

 

Task 3 Integrated Task (30秒で準備して60秒話す)
Reading → Listening → 質問 → Speaking
学生生活に関すること(例:学費を上げるとか)。会話の中で、男の人と女の人がいて、それぞれReadingに対して賛成/反対のスタンスで会話がなされる。

 

頑張って読んで聞いて、そのInputを限られた60秒の中で吐き出すイメージです。事前に内容を想定して暗記することもできないので、実力が試されてしまいます。ただし、アカデミックな内容ではないので、語彙数も限られていて、まだまし。

 

Task 4 Integrated Task (30秒で準備して60秒話す)
Reading → Listening → 質問 → Speaking
アカデミックな内容(例:海洋生物がどうしたとか)。教授が授業をしてくれちゃいます。

 

頑張って読んで聞いて、そのInputを限られた60秒の中で吐き出すイメージですが、特にListeningができないとどうしようもないです。事前に内容を想定して暗記することもできないので、実力が試されてしまいます。アカデミックな内容なので、知らない単語がいっぱい出てくると相当つらいですし、結構たくさんしゃべるので、それを60秒の中でまとめて話すのも結構大変です。


Task 5 Integrated Task (30秒で準備して60秒話す)
Listening → 質問 → Speaking
学生生活に関すること(例:忙しくて宿題が出せそうにないとか)。男の人と女の人がいて、かならず誰かが困っていて、それに対して2つの回答が提示されて、どっちがいいかを答えるもの。

 

アカデミックな内容ではないので、まだやりやすいと思いますが、60秒のなかでしっかりと「問題・2つの意見・どっちが良いか」までをまとめるのは結構大変。

 

Task 6 Integrated Task (30秒で準備して60秒話す)
Listening → 質問 → Speaking
アカデミックな内容(例:海洋生物がどうしたとか)。これも教授が授業をしてくれちゃいます。

 

頑張って聞いて、そのInputを限られた60秒で吐き出す必要があります。Listeningができないとまったく対応できません。Task 4同様に授業の中でdetailsがたくさんあるので、60秒の中でそれをまとめて話をする必要があります。

 

AGOSの授業

 

Rex 蒲田先生のBasic Speakingをとりました。彼から1か月間学んだことで、Speaking Sectionで何をしたらよいのかがよく分かりました(それまではテストで何をどう話したらよいのか、まったくわからなかった)。Rex先生ご自身がTOEFLの採点システムに深く精通しておられ、Speaking Sectionで点数を上げるためにどうしたら良いのかを具体的に教えて頂けたのは、目から鱗でした。

 

そしてそれをやったら24が出ました。具体的な作戦についてはコメントを控えますが(AGOSに通って習ってください)、すごく実践的なやり方だと思いました。(ちなみに僕の場合、仕事上、英語で長らく交渉する機会が相当あったので、それが自分のSpeakingのベースになっていたのだと思います。そのベースに上に、AGOSの作戦がうまく乗っかったのだと思います)。

 

E4TG

 

さらにSpeakingを上げるにはここしかないと思い、E4TGの門を叩きました。事前に「E4TG以上のTOEFL Speakingのクラスは日本にない」「帰国子女でなくとも20台の後半がでるようになる」と聞いていたのですが、2か月間通い、まさにその通りだと思いました。最終的に26が出たのですが、E4TGのDonaldの教えがなければ、この26は絶対にでることがなかったと思います。

モチベーションが高い少人数の勉強環境、常に本番同様の緊張感の中でのトレーニング、本番に近い練習教材、適切なフィードバック。これらがなければ、帰国子女ではない自分が最終的にSpeakingで26まで上がることはできなかったと思います。

 

TOEFL TEST対策iBTスピーキング

 

豊富な練習問題と、模範解答が魅力的です。僕は全部やりました。ただ、若干本番と問題のテイストが違う部分があったかな(後半部分)という印象です。

 

TOEFLテスト基本ボキャブラリー2000語

 

Task 4とTask 6のアカデミックな内容のSpeaking対策として、これを使いました。見開きページにあるShort Lectureを1回聞いて、その内容を60秒で話をまとめて話すという練習を繰り返しました。