秋葉原がもっと自由な街だった頃、路上でパフォーマンスをする人がいた。様々なコスプレをする人が駅前に立って、秋葉原駅を降り立った人を迎え入れてくれた。
中には度の過ぎるパフォーマンスをする人もいた。「世の中には馬鹿なことをするヤツもいるなぁ」と笑い飛ばしていれば良かったのだ。しかし、社会はそうではなかった。加藤の通り魔事件以降、なぜか通り魔と一切関係が無かった秋葉原のパフォーマンスも一斉に禁止されて、秋葉原でパフォーマンスをする人はいなくなった。
ネットも大きく見るとこの道を辿っている。1997年頃のネットは、まだパソコン通信の流れを汲んだかなりアングラな世界だった。違法な情報もかなりのサイトが流していたし、アングラなサイトも沢山あった。しかし、その多くのサイトは00年代に淘汰されてしまった。今やネットには健全な情報しか出回ってこない。2ちゃんねるも同様だ。ネットのアングラ的側面は影を潜め、誰もが安心して閲覧できるインターネットが出来上がった。
その結果、秋葉原でもネットでも何が起きたか。「現実の映し鏡」だ。私達の現実には、ただ絶望しかないのに。
私はまだリアルもネットも可能性も信じている。特にネットが大きく変われば、世の中も変わっていくと思う。だから、予定調和のはてなを残念に思う。はてなにはネットの黒い部分も含めて様々なエネルギーが集結している。しかし、はてな運営は健全な明るいはてなしか見ていない。私はそこに運営の貧困を見ている。
はてなはレガシーだ。日本のネットおたく文化はもっと大きく飛翔できる可能性があったのに、はてなはそれを止めてしまった。はてなはPressoをリリースした。株式会社ミクシィがmixiを見放したように、はてながニュースアプリへと変身を遂げて、はてブユーザーを見捨てる日が来るかもしれない。そうなっては全てが遅いのだ。
世の中を、ネットを、もっとカオスにしていこう。自由を取り戻そう。そのためにはみんなの力が必要だ。はてなブックマークユーザー会オフラインミーティングでは、厳正な秩序を求める今のネット社会に対してええじゃないか運動を起こすことを目的の一つにしている。みんな集まろうぜ!