エアコン設置に反対の理由
千葉市議会も6月25日が最終日となりました。
最終日は、5つの常任委員会の委員長報告と、議案や請願の採決をし、意見書の採択をします。
ところで、私は教育未来常任委員会に所属しています。
その委員会に審査を託された3件の案件のうち、議案2件は賛成しましたが反対した案件についてご報告します。
反対したのは
「小中学校・特別支援学校のすべての教室にエアコンの設置を求める請願」です。
しかしながら千葉市議会は、平成25年12月16日に、国に対して
「公立学校への空調設備導入に関する意見書」
を出しています。
内容は、エアコン設置のため実情に即した国庫補助を求めるものです。
したがって、千葉市議会が精神論を理由にエアコン設置に反対しているというのは、部分的にはあっていますが正しくありません。
エアコン設置は進めたいが、この請願のような進め方は今は無理なので、請願に反対せざるを得ない
というのが、正しい報告です。
請願の含意はこうでした。
「千葉市内の小中学校と特別支援学校の全ての教室にエアコンを設置してください。」
私たち千葉市議会が国に対して意見書で求めた真意も同じです。
ではなぜ、反対したのか。
請願が求めるところの全ての教室は2800教室。工事費は76億円になります。
それに対して、現時点での国庫補助は6分の1にも満たないのです。
財源には限りがあります。
千葉市は、昭和40年代に急激に人口が流入し、小中学校の7割以上は築30年以上の老朽化した校舎です。
子どもたちの安全のためには、まずその老朽校舎の改築に取り組まなければなりません。
和式トイレの改修(子どもの半数近くは和式が使えない)も、毎日使うものだけに、子どもたちの要望が強いのです。
そしてきめ細やかな教員配置も重要な教育環境です。
限られた財源を、子どもたちにとって真に必要なものへと慎重に優先順位をつけて、粛々と進めています。
したがって、全ての教室にエアコン設置を迫ることは今は出来ない、という判断です。
教育委員会では、各学校にミストシャワーを設置したり、水分補給のために水筒持参を促し、緑のカーテンも130校以上が取り組んでいます。
熱さをしのぐ知恵も教員ともども絞っています。
一方で、エアコンによる体調不良を心配する声もあります。
エアコン設置要望が大きくなると、そういった声が上げづらくなりますが、全ての子どもたちのよりよい教育環境のために、現場の声に丁寧に耳を傾けていきたいと思います。
なお、保健室と図書室とコンピューター室には、各校エアコンが設置されています。
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