都議会:自浄能力どこに…「鈴木議員以外のヤジ不問」で幕
毎日新聞 2014年06月25日 21時52分(最終更新 06月25日 23時28分)
東京都議会が、汚名返上のチャンスを自らの手で葬った。塩村文夏議員(35)が女性蔑視のヤジを浴びて1週間。鈴木章浩議員(51)以外の発言者を不問としたまま閉会した。首都の議会に、自浄能力はなかった。
激しく乱暴なヤジが「日常風景」だった都議会本会議は25日、一転して静寂の中で議事が進んだ。ヤジを認めた鈴木氏も出席。開会前は周囲と言葉を交わし、時折笑みも浮かべたが、開会後はおとなしく座っていた。
開会後、ベテラン議員の一部に居眠りする姿も。都議会の信頼回復に向けた決議案の採決が迫ると、鈴木氏が議場を一時退席。議場が騒然とする中、自民の決議案が可決された。
「議長!」。共産党議員が声を上げ、鈴木氏に本会議場で謝罪させようと発言を求めたが認められず、議長席へ詰め寄った。遮るように与党議員も駆け寄り、怒号に包まれたまま議事は進んだ。
本会議終了後、共産党の大山とも子幹事長は「鈴木氏一人の問題で、終わらせることではない」と批判。本会議での謝罪についても「本会議場で起きたことだから、本会議場で自らが謝罪すべきだ」と訴えた。
本会議前の議会運営委員会理事会で、自民と公明は鈴木氏の謝罪を求める共産の動議提出に反対していた。自民の吉原修幹事長は「理事会で必要ないという結論になった。議会のルールは尊重してほしい」と共産の対応を批判した。他のヤジの発言者については、これまでの主張を繰り返した。「一人ずつ所属議員に確認したが、いなかった」【竹内良和、川口裕之】