2014-06-25

日本代表サッカー中継における、実況・解説の異常さについて

全て野球に例えると、こうなる。

ピッチング

カウント0-0

松木「三振を取って欲しいですね!」

アウトローストレート決まって0-1

松木「三振を取って欲しいですね!」

アウトロースライダー、悠々見逃し1-1

松木「三振を取って欲しいですね!」

キャッチャーインハイに構えるも大きく高めに外して2-1

松木「三振を取って欲しいですね!」

真ん中低めのストライクからボールになるフォーク空振りで2-2

松木「三振を取って欲しいですね!」

真ん中低めのストライクからボールになるフォークを見逃し、3-2

松木「三振を取って欲しいですね!」

アウトロースライダーを引っ掛けてしま内野ゴロ

松木「三振が良かったんですけどね!いいですね!結果的はいいですね!」

守備

右利きの内野手が逆シングルを取り損ねてシングルヒット

松木「右手で取れよぉ!アウトに出来ただろぉ!!!

バンドシフトを敷くも、バッターが巧みにバスターを決めて一塁手を抜きチャンス拡大

松木「ボール捕れ!どうして捕れないんだよぉ!!!捕れるだろぉ!!!くぅー!今のは捕って欲しかったですね!!!

攻撃時

1番 センター .271 16本 51点

松木「ホームランを狙って欲しいですねぇ!」

2番 セカンド .290 3本 30点

松木「ホームラン狙って欲しいですねぇ!」

バッターバント

松木「どうしてホームラン狙わないんですかねぇ!バントじゃなくて勝負して欲しかったなぁ!勝負だよ勝負ぅ!」

3番 レフト .327 55本 131点

松木「ホームラン狙って欲しいですねぇ!」

日本代表サッカー中継における、実況・解説の異常さ

サッカーにも、「ビルドアップ」「緩急」「利き足」「オフボール」「選手ごとの特徴」という概念存在する。

日本代表サッカー中継は上記の点を意図的に消して、出来る限りサッカーというスポーツ単純化し、選手がその場その場で何をやっているかは一切解説しない。

上記「三振を取って欲しいですね!」は、その場で言っても言わなくても全く意味がない言葉だ。単なるセオリーだ。

具体的に三振を取る為にはピッチャーキャッチャーの配球の組み立てはもちろん、相手のバッターデータを入れ、1球1球変化していく状況で何をすべきかを考える必要がある。

シュートで終わって欲しいですね!」も単なるセオリーである。発言する必要は一切ない。

また野球においては、1点を取る為のセオリーとしては「先頭バッターが出て、バントで送り、タイムリーを打つ」という逆算を観客のほとんどができる。

ところがサッカーにおいて、実況や解説がシュート1本を撃つために、DFGKボールを持っているところから逆算した解説をしたことはあっただろうか?

バントシフトを敷いて来たところにバスターをかけて強襲すれば、一塁手は捕れないだろう。一塁手ボールを持っていない段階からシフトを敷いて逆を突かれたのだから

サッカーボールを持っていない選手の動きを解説したことはどれだけあったか

ネットで繰り広げられるサッカー談義について

野球から「配球の組み立て」「緩急」「利き手」「守備シフト」「選手ごとの特徴」を消すと、以下の様な論争が起こることが予想される。

日本野球なんて向いてないんだよ!!!とっとと帰ってこいやさらし!」

選手はよく頑張った!!!日本のために頑張ったよ!胸を張って帰ってこい!」

「やっぱり時代トレンドストレートなんだよ!!!155km/h投げられないピッチャーなんていらねーんだよ!!!変化球とか投げてるから日本は弱いんだよ!!!

ホームランさえ打てりゃ点取れるのになんでホームラン狙わないんだよ???またバントバントバント国民性だね!日本人もっとホームランばっかり打つ練習すべき!!!

野球って、なんだかよく分からないけど、道頓堀全裸で飛び込んでる人たちが観てるようなスポーツでしょ?怖いよね。近づきたくない」

今、ネット上で散見されるサッカー談義のほとんどが、こんなもんである

これが日本サッカーのためになっているか、私は知らない。好みの問題である

が、胸に手を当てて、本当にこの中継を続けることが日本のためになるのか、今一度考えて欲しい。

それがいちサッカーファンの願いである。

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