たこやきやいた

 知っている人は知っている事情(^^;もあり、最近、たこ焼きを焼く機会が急に増えた。
 
 まあ大阪に住んでいれば、たいていの人はある程度たこ焼きが焼けるものだけども。
※ひょっとしたら本来この器具は「たこ焼き焼き器」と書くべきかもしれないが、ややこしいのでこのエントリでは「たこ焼き器」と書く。

 そういえば梅田の例の歩道橋上で行われたとある街頭アンケートでは100人中、80人が「家にたこ焼き器がある」と答えたそうだ。他にもこういう↓記事を見つけた。
 
関西の家庭には必ずたこ焼き器 都市伝説を裏付け

 関西の家庭には必ずたこ焼き器がある‐との「都市伝説」を裏付けようと、関西電力の調査会社が関西在住の既婚女性にアンケートをした結果、85%が「家庭にたこ焼き器がある」と回答した。これに対し、関東・中部東海の家庭では66%で「西高東低」が明らかになった。

 関西の所有率の高さはある程度予測できたが、関東・中部東海も思った以上に多く意外といえば意外。まあ「ある」のと「使ってる」というのは違うだろうし、調べた「かんでんCSフォーラム」ってのが関西電力系列だから、回答したユーザーもそういう偏りがあるかもしれない。
 
 という話はいいとして。
 最初、このエントリのタイトルを「おいしいたこ焼きの焼き方」としようとしたのだけど、そこここに「名人」がいる大阪でそんな大それたタイトルを書くのは恥ずかしいので、こういうニュートラルなタイトルに逃げた。(^^;
 
 大阪に住んでる読者には今さら不要な知識だし、それ以外の読者にとってはそもそも自分でたこ焼きを焼く機会がないだろう......と思いつつ、それでもこれまで焼いたことがない人が「いっちょ焼いてみようか」と思ってくれればうれしい。
 
 なお、ここでは最近普及してきたテフロン加工の電気たこ焼き器ではなく、昔ながらの鋳物のガスたこ焼き器を使う。
 テフロン加工の電気たこ焼き器は焦げ付かず、誰でもちゃんと焼けてしかも安いのでおすすめ。ただまあこれはあえて焼き方を書かなくても大丈夫だろう。
 しかし私自身久しぶりに鋳物のたこ焼き器で焼いてみて、どうも鋳物で焼く方がおいしいんじゃないかと感じている。なので最近はよくこれで焼いている。この味の違いは単なる気のせいかもしれないけどね。
 鋳物の鍋(「鍋」って呼ぶんだよなあ、なぜか)はこびりついたり難しいという印象があると思うので、このエントリを読んでさほど難しくないと感じていただければいいなあ。
 
 ちなみに現在の、「大阪の大半の家庭にたこ焼き器がある」という状態は、昭和30年代に山岡金属工業(ヤマキン)の家庭用ガスたこ焼き器がヒットしたあたりからだそうだ(楽天⇒ヤマキン 家庭用ガスたこ焼器 Y-03D)。
 
 ヤマキンのたこ焼き器についてはこういう記事があった。
 山岡金属工業(ヤマキン)社長のインタビュー。
 
家庭に"たこ焼き器"を普及させた会社(1/2)
家庭に"たこ焼き器"を普及させた会社(2/2)
 
 累計400万台とな。(^^;; 「もはや関西ではほとんどの家庭にたこ焼き器が行き渡ったらしく、これ以上の需要が見込めない」ってのもなかなか凄い話。
 そもそも子供をターゲットにしていたというのが面白い。
 
 今回動画で使っているのもヤマキンのたこ焼き器(Y-03C)。
 最近は
 
 私の焼き方は正直さほど上手ではないのだけども(>_<)、まあこんな感じでも焼けるという感じで見ていただければ。

【0】材料

 材料は好きな物でいい。一般的には
 
・タコ
・ネギ
・天かす
・こんにゃく
・紅ショウガ

 
 あたりだろうか。ウィンナーとかコーンとかグリーンピースとかを入れる人もいるね。好き好きだ。
 こんな↓記事もある。
 
たこ焼きの具おすすめ♪変わり種も!
いつもと違う具でたこ焼きをつくろう!
たこ焼きの具、試してみたい変り種20個!
「たこやき」に入れるとおいしい具材1位「チーズ」2位「もち」
 
 それらを適当に細かく切る。
 ヤマキンのこのたこ焼き器の穴は最近多い「大玉たこ焼き」のそれではなく昔ながらの標準の大きさなので、欲張って具を入れちゃうと焼きにくくなるので注意。特にタコの大きい「大だこたこ焼き」は、作りにくいしあまりおいしいとも思わない。
 
 生地は、基本的に、
 
水:粉=4:1
 
 でやればだいたい誰でも失敗せずに焼ける。
 「出汁&小麦粉」にするか「水&たこ焼き粉」にするかはお好みで。
 
※ただ、私はもっと薄いのが好みなので水500gに対して粉75g+玉子1コで作っている(水:粉=6.6:1 ということかな)。子供の頃食べてた、近所のおばちゃんがやってた店のたこ焼きがこういう感じだったので。動画の生地もこの割合で作っている。
 
 このヤマキンの鉄板の場合、2丁分(この鉄板の大きさを「1丁」という。1丁で15コ焼けるので、2丁分だと15コ×2=30コ)焼くのに
 
・水 500cc
・たこ焼き粉 125g
・生玉子 1コ

 
 でちょうどの量になる。(この動画は私の好みで水500ccに対してたこ焼き粉75g+玉子 でやってる)
 
 では、焼いてみよう。
 動画をのんびり流しながら、記事を読んでいただければと思う。


【1】鉄板を熱する[0:00~1:03]

 鋳物で焼くときのコツは、鉄板が暖まらないうちに1度油を引き、強火で熱して鉄板から少し煙が上がってきたら中火にして、もう一度油を引くこと。
 これは焼き初めのことで、1度たこ焼きを焼いて鉄板がすでに暖まった状態なら中火のまま油を引くだけでいい。(ちなみにこの動画はこの前に1度焼いてるので中火のまま油を引いている。結構しつこく油を引いているように見えるのは前回焼いた時のカスを掃除しているから)
 この行程をちゃんとやり生地の割合を間違えなければ、鉄板に生地がくっつくことはない。
 
 もし鉄板が新品だったり水で洗ったりした場合、油をたっぷりめに引いて弱火~中火で30分ほど鉄板を熱すると鉄板に油が馴染む。発火したら怖いので目を離さないように。油が乾いた部分には重ねて油を引く。

【2】生地を引く[1:03~1:25]

 ジュッと音が立つくらいの温度(強火のままだとキツい。中火にしてから)で生地を入れる。穴からあふれて平面の部分にも生地がかぶるくらいに入れる。
 動画だと平面全部に生地を入れられてなくて、しかも鍋のフチから生地がこぼれ落ちててカッコ悪いねえ。(^^;
 こういうことになるのをなるべく防ぐために、たこ焼き器はなるべく水平になるように置いて、具を入れた時に生地があふれ出さないように量に注意して入れよう。

【3】具を入れる[1:25~3:09]

 タコは1つの穴に1つ(以上)入れる。それ以外は適当でいいんじゃないの。(^O^)
 動画ではこんにゃくと紅ショウガと天かすを入れている。
 動画のようにならないように(^^;。生地のあふれ出しに注意して。

【4】たこ焼きを焼く[3:09~1:25]

 具を入れ終わったら生地をひっくり返しにかかる。ここで焼けるのを待つ必要はあんまりなくて、すぐ取りかかっていい。
 
 使う道具は千枚通し。テフロン加工のたこ焼き器では金属の千枚通しは使えないので鋳物の鍋の時は思う存分使いたい。(^O^) これは個人の感想だけど、なるべく針が長いやつを使った方がいい。鉄板の上は生地から上がる水蒸気で意外と熱くなるので、できるだけ手を近づけたくない。
 
 動画では内側の9つの穴と両端の6つの穴の火力が極端に違っていて苦労してるね。(^^; でもまあ、こういうのはよくあることだから気にしない。(^O^)


そりゃこんな穴の開き方ならそうなるわね。(^^;

 ひっくり返しの行程では、穴と穴の間の平面部分にはみ出した生地を千枚通しで切って、たこ焼きを整形していく時に巻き込んでいく。
(動画ではこちらから見て右一番奥の穴の周りにこの「はみ出した生地」が少ないため、この穴で作ったたこ焼きだけ生地が少なくてかなり小さくなってしまった)
 
 この時、もし生地がひっくり返らなくてもこだわらずに次の穴に移る。ひっくり返せる状態の生地も、ちょっと返すだけでいい。このあたり、たこ焼きを焼き慣れていない人は、それこそ穴にフタをするように180度ひっくり返そうとしてしまう。そんなことしなくてもいずれ丸くなるので、1つの穴にあまり時間をかけずに次の穴、次の穴へと移っていく。
※水:粉=4:1ならもう少し固まりやすいと思う。
 具が飛び出してしまったら千枚通しで中に押し込んでやろう。(^O^)
 
 鉄板の部分によって火力が違う(穴によって焼け方が違う)のはガスだろうと電気だろうとほんとによくあることなので、「そんなもん」と割り切ってそれにどう対処するかを身につけよう。
 私の鍋は真ん中の方が火力が強いので、動画ではしばらくすると両端の6コがまだまともにひっくり返せていないのに真ん中の9コはもういい色がつき始めている。
 こんな場合は、火力の強い穴と弱い穴とで生地を入れ換えてやる。やり方は動画を見ていただきたい[11:14~]。
※なお、動画では生地を別の穴に引っ越しした直後に1度切れている[11:42あたり]が、これは編集したわけではなく、録画したカメラが途中で止まったと勘違いして録画ボタンを押してしまい、逆に1度カメラを止めてしまったから。録画できていないのは数秒なのでこの間に何かあったわけではない。
 
 生地を別の穴に入れ換える時も、まだ丸くなっていない生地にこだわりすぎて既に丸くなっている他のたこ焼きを放ったらかしにしてはいけない。
 実はこれがたこ焼きの美味しさに大きく影響する。
 
 たこ焼きの美味しさは中で生地が糊状になるところ。これを固まらせず糊状のまま維持するには、絶えず熱の当たる場所を変えてやることが大事。
 なので既に丸くなったあとでもたこ焼きは放置せず、こまめにクルクルと回してやらなくちゃいけない。
 焼いているうちにたこ焼きに小さな穴が開いて、そこから水蒸気が吹き出る状態になる。これがたこ焼きがおいしく焼けている証拠。焼いている間に中で糊状の生地が沸騰してるのだ(糊状だからちょっと冷めにくい。たこ焼きの中がやたら熱くてハフハフすることになるのはこのため)。
 こんな感じなので、たこ焼きは焼きだすと手を休める暇があまりない。
 
 たこ焼きが丸くなって、好みの焼き具合になったらできあがり。


 まあもちろん、大阪では誰もがたこ焼きの焼き方に一家言持ってたりするので、この焼き方が絶対正解というわけではないよ。


 とはいえこれを見ていただければ、このタイプのたこ焼きには「外はカリッ、中はトロッ」って表現は当てはまりようがないことが解ると思う(トロッはいいけど、カリッってのはねえ......)。


突然食いたくなったものリスト:

  • たこ焼き

本日のBGM:
すてきなGOGO /HI-POSI






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このページは、hietaroが2014年6月23日 22:19に書いたブログ記事です。

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