セクハラやじ被害・塩村都議　外国特派員協会で会見

東京都議会のセクハラやじ問題で記者会見する塩村文夏都議（中央）＝24日午後 Photo By 共同

　東京都議会で「早く結婚しろ」などのやじを受けた塩村文夏都議（３５）が２４日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で記者会見した。“セクハラやじ”が国際的な関心事となり、海外メディアの取材に応じたもので、１年生議員では、まさかの“世界デビュー”。「女性のための政党をつくり、国政に出る気はあるか」と問われ、戸惑う場面もあった。

　同協会によると、出席者は１０８人。外国メディアは、今回の“やじ”を重大な人権問題とみており「女性がどう扱われているのか反映しているのかもしれない」（フランス人記者）、「こんな差別的発言は経験があるのか」（ドイツのフリー記者）などの質問も出た。

　塩村都議は「前職が放送作家で、マスコミにいた。一切なかったということはない。でも公式の場でこのようなことがあったのは初めて」と強調。「早く結婚しろ」とやじを飛ばし、前日２３日に謝罪した鈴木章浩都議（５１）については「勇気を持って名乗り出てくれた。その部分に関しては気持ちは受け止めたい」と一定の評価。他にも「産めないのか」など複数のやじが飛んだとされており「発言したのは１人ではない。再発防止のため名乗り出てほしい」と訴えた。都議会の対応については「問題を大きくしたくないんだという印象を受けた」と指摘した。

　同協会は閣僚級の政治家や、著名なスポーツ選手らが招かれることが多く、１年生の都議が会見したのは極めて異例。質問に立った年配の女性記者が「今回のことで急に有名になられたから、いろいろ気を付けてね」と塩村氏を気遣う場面も。

　外国メディアからは「女性の地位を守る法律をつくるため、国政を目指すつもりはあるか」「女性の政党をつくって、徹底的に戦うことは考えているか」などの質問もあった。これに対して塩村氏は戸惑った表情で「今後については、まず都議会で今後このようなことがないようにと思っています。国政へとは考えていません」と述べた。

　「女性の輝く社会づくり」を推進するという安倍晋三首相に対し、やじ問題への言及がないと指摘した記者に、塩村氏が「総理には期待したい」と話す場面もあった。シンガポール紙「聯合早報」の女性特派員は「塩村都議は、もっと徹底的に追及するのかと思ったが…。もっと怒るべき」と物足りなそうに話した。
　
　◆塩村　文夏（しおむら・あやか）１９７８年（昭５３）７月６日、広島県生まれ。９８年ミスヤングマガジン準グランプリとなりグラビアデビュー。英国留学などを経て、日本テレビ「恋のから騒ぎ」に出演後、放送作家として日本テレビ「金曜スーパープライム」「日テレジェニックの穴」「ＮＥＷＳ　ＺＥＲＯ」などの構成を担当。１３年、みんなの党入党。同年の都議選に世田谷区から出馬、６位で初当選。