都議会:ヤジ謝罪、「結婚しろ」のみ認める…鈴木章浩議員
毎日新聞 2014年06月23日 23時48分(最終更新 06月24日 02時01分)
都議会での女性蔑視のヤジを巡り、発言を否定してきた都議会自民党が、世論や党本部などからの批判を受けて一転、一部を認めて謝罪した。だが、いまだに発言者が特定されていないヤジもあり、都議会が自浄作用を発揮したとは言い難い。特に自民党は当初から発言者が所属議員と指摘されながら、危機意識に乏しく対応が後手に回った。海外でも報じられ、6年後の五輪開催都市で今も性差別が根強い現状を海外にも印象づける事態を招いた。
問題のヤジがあった直後の18日夜、都議会自民党の吉原修幹事長はみんなの党側から抗議を受けた後、記者団に「『自民党らしい』というあいまいなことを言われても、私も分かりません」と発言。「品位のない発言をしないよう確認すればいいのでは」と述べ、早期の幕引きを図った。最大会派として、野党会派の声に耳を傾ける姿勢を欠いてきたと言わざるを得ない。
塩村氏側が主張する他のヤジについては、発言者はまだ特定されていない。議会運営委員会の委員長でもある吉原氏は「(自民党内には)『産めないのか』の発言を聞いた議員は誰一人いない」と説明。「各党派の責任者の意見を聞き、対処をしていきたい」と述べるにとどめている。この程度の姿勢で、不信の払拭(ふっしょく)は難しい。都議会第1党の自民党が率先して全容解明に取り組み、議員個々の意識や議会風土を厳しく直視することから始めなければ、有権者の信頼は取り戻せない。【武本光政】
◇塩村文夏議員に浴びせられたヤジ◇
内容 発言者
・自分が早く結婚すれば 鈴木章浩議員
いいんじゃないか。
・まずは自分が産めよ。 不明
・子供を産めないのか。 不明
・子供もいないのに。 不明
※ヤジの内容は、塩村氏の処分要求書に基づく。