都議会:ヤジ謝罪、「結婚しろ」のみ認める…鈴木章浩議員
毎日新聞 2014年06月23日 23時48分(最終更新 06月24日 02時01分)
東京都議会本会議でみんなの党の塩村文夏(あやか)議員(35)が女性蔑視のヤジを浴びせられた問題で、自民党の鈴木章浩議員(51)が23日、都庁で記者会見し、「早く結婚した方がいいんじゃないか」と発言したことを認めた。鈴木氏は塩村氏に謝罪し、所属会派の都議会自民党を離脱したが、党籍は残し、議員辞職も否定した。
これに先立ち会見した都議会自民党の吉原修幹事長によると、鈴木氏は同日午後の会派総会前、吉原氏に自らの発言だったと認め、会派離脱を申し出た。吉原氏はこれを認めたという。
会見で鈴木氏は、ヤジを飛ばした理由を「少子化、晩婚化のなかで早く結婚していただきたいという思いがあったが、配慮が足りなかった」と説明。だが、塩村氏側が主張している「産めないのか」といった他のヤジについては自分の発言ではないとし、「私の発言が引き金になり、騒動になったのは反省している」と述べるにとどめた。
問題のヤジがあった直後の18日夜、鈴木氏は毎日新聞の取材に「何言ってるんですか。(ヤジは)ないです」と反論。20日も記者団に発言を否定した。その理由を問われると「『子供を産めないのか』などさまざまな発言が一緒になり、説明の機会を逸した」と釈明した。
ヤジを巡っては海外メディアでも報道された。鈴木氏は「私の配慮を欠いた発言がきっかけとなって大きな問題となった。6年後の五輪を控え、私も含めて複数のヤジが出たという話の中で、議会の正常化のために頑張らないといけない」と強調。引き続き議会活動を続ける考えを示した。
ヤジは18日の本会議で、女性の妊娠・出産を巡る都の支援体制について塩村氏が一般質問していた時にあった。議場には笑い声が上がって、別のヤジも相次いだ。鈴木氏の地元・大田区でも「鈴木氏の声ではないか」との指摘が出ていた。鈴木氏は2007年の都議補選で初当選し現在3期目。都議会自民党政調会長代行などを務めていた。12年8月に無許可のまま船から泳いで尖閣諸島の魚釣島に上陸し、沖縄県警に軽犯罪法違反容疑で事情聴取を受けた。【川口裕之】