都議会ヤジ:自浄作用は? 「産めないのか」誰が?

毎日新聞 2014年06月24日 11時51分(最終更新 06月24日 12時45分)

都議会での塩村文夏都議へのセクハラヤジ問題で開かれた謝罪記者会見の終わりに頭を下げる鈴木章浩都議=都庁で2014年6月23日、西本勝撮影
都議会での塩村文夏都議へのセクハラヤジ問題で開かれた謝罪記者会見の終わりに頭を下げる鈴木章浩都議=都庁で2014年6月23日、西本勝撮影

 東京都議会の女性蔑視のヤジで、都議会自民党に所属していた鈴木章浩議員(51)が一部を自分の発言だったと認めたが、政府閣僚らから24日、あまりに遅い申し出に批判が噴き出した。「産めないのか」などのヤジは発言者がなお不明で、識者は「女性の尊厳を傷つけるヘイトスピーチ」と指摘。都議会が全容解明に向け動くのかどうか、有権者は注視している。

 下村博文・文部科学相は24日の閣議後記者会見で「ヤジは議場の華ということで何でも許される文化があったが、今回は誹謗(ひぼう)中傷で深刻に反省すべきだ。代議士も都議も『現代の侍』だ。潔く自分の非をなぜ早く申し出なかったのか」と非難。「(その他のヤジは)分からない部分がある。議会の自浄作用に期待したい」と述べた。

 田村憲久・厚生労働相も、海外で大きく報じられていることについて、「日本の女性への意識がそう(ヤジのような内容)だと海外から思われたとしたら残念だ」と語った。

 だが、政治家や議員の女性蔑視の風潮は都議会にとどまらない。

 2001年11月、石原慎太郎・東京都知事(当時)が雑誌のインタビューで「文明がもたらした最も有害なものはババァ」と発言した。03年6月には、自民党の太田誠一衆院議員(同)が、早稲田大サークルの集団強姦(ごうかん)事件で「(集団暴行する人は)まだ元気があるからいい。正常に近いんじゃないか」と発言。07年1月には、自民党の柳沢伯夫・厚労相(同)が講演で「(女性という)産む機械、装置の数は決まっている。あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」と話し、女性団体などから強い批判を浴びた。【三木陽介、遠藤拓】

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