東京都議会:「ヤジは1人だけじゃない」塩村都議が訴え

毎日新聞 2014年06月24日 18時23分(最終更新 06月24日 22時01分)

日本外国特派員協会で記者会見する塩村文夏議員=東京都千代田区で2014年6月24日、和田浩幸撮影
日本外国特派員協会で記者会見する塩村文夏議員=東京都千代田区で2014年6月24日、和田浩幸撮影

 東京都議会での女性蔑視のヤジを巡り、塩村文夏(あやか)議員(35)が24日、千代田区の日本外国特派員協会で記者会見し、「発言者は決して1人ではない。今後も名乗り出てほしい」と改めて訴えた。会場には100人超の海外メディア関係者らが詰め掛け、質問が途切れず、予定の1時間を約20分オーバー。海外のヤジ問題への関心の高さをうかがわせた。

 塩村氏は冒頭、18日の本会議でヤジを浴びてから、23日に鈴木章浩議員(51)が一部を自らの発言と認め謝罪を受けるまでの経緯や心情を説明。AP通信の女性記者は「よくあの状況で耐え抜いた」とねぎらい、「女性にとって地方議会はどんな場所で、男性議員はどんな意識を持っているか」と質問した。

 塩村氏は「女性議員は働きにくいと言われても否定できない。男性がスタンダードと感じる」と語った。

 デンマークメディアの男性特派員は、ヤジ発言者の処分要求を議長が不受理とした点について感想を聞いた。塩村氏は「残念ながら問題を大きくしたくないものと感じた」と答えた。別の記者の「法的措置を検討しているか」との問いには、「排除しないが、最終手段だと思っている」と述べた。

 米国のフリージャーナリスト、久保アンジェラ絵梨香さん(22)は、「米国の若者に『日本はこういう国なんだ』と受け止められている」と指摘し、「女性への対応を考え直さないと、日本は悪い国だと勘違いされてしまう」と懸念した。

 デンマークの新聞ユランズ・ポステンのトーマス・ホイ・デイビッドソン記者は、「世界で日本は経済的にも民主主義国家としても欧州連合(EU)や米国と並びトップクラスなのに、女性蔑視はとてもひどい。今回のヤジには本当に驚いた。鈴木議員の言葉は許せない」と憤った。デンマークで同じヤジを飛ばせば「議長がすぐ発言者を特定し、議員生命は終わるだろう」とし、「より大きな問題は、都議会が『他のヤジは知らない』と隠していること。五輪で世界の注目が集まっている中で、大きな恥。日本にとってチャンスが恥に変わった」と断言した。

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