2014年6月25日11時56分
8月「平和のつどい」
◆宇治で講演や紙芝居・映画◆
宇治市で8月2日、「第4回平和のつどいin宇治」が開かれる。安倍政権が集団的自衛権の行使容認へ向け議論を進める中、主催者は「今こそ憲法を守らなくては」と危機感を募らせ、若い世代の参加も呼びかけている。
実行委員会のメンバーらは24日、市内で会見した。伊佐清美さん(84)は終戦前年の1944年、海軍の予科練の訓練で、滋賀の航空隊へ行った。飛行機は1機もなく、グライダーが2機ほどあっただけ。「戦争に負けるのではないか、と感じた。多くの人が戦争をやめようと思っていたのに、やめ方がわからずに原爆を落とされた。戦争がばかげたものだと伝えたい」と話した。
吉田省二さん(84)は中学生の時、兵庫・尼崎の軍需工場へ動員され、飛行機のプロペラを組み立てた。45年3月の大阪大空襲の際、夜中に大阪の方の空が夕焼けのように真っ赤になっていた。翌日、床下の防空壕(ごう)の中で焼け死んだ人たちの話などを聞かされた。「なんとか、憲法を守るという世論をつくりたい」
平和のつどいは、午前10時~午後8時、JR宇治駅前の「ゆめりあうじ」。午前は、音楽家の朴実(パク・シル)さんが「共に生きる社会をめざして~ヘイトスピーチをのり越えて」と題して講演。自作の歌も披露する。午後は、長崎の原爆で亡くなった少女たちをテーマにした紙芝居「ふりそでの少女」と、山口大の纐纈(こうけつ)厚教授の講演「私たちの戦後責任を問う」。午後5時半から、韓国出身の特攻隊員を描いた映画「ホタル」(高倉健、田中裕子主演)を上映する。
入場無料。問い合わせは足立恭子さん(0774・23・0387)へ。
■市民から原稿募集■
戦争体験など
実行委員会は「戦争体験と、戦後の平和を求めて」を記録する編纂(へんさん)委員会をたちあげ、市民から原稿を募集している。
テーマは、戦争体験と、その体験を戦後どのように考えて生きてきたか▽戦時中、人々は戦争をどう思っていたのか▽私たちが再び加害者にならないために何ができるか――など。
2千字前後、写真や手紙など資料の添付も歓迎。締め切りは今年12月末。送り先など、問い合わせは足立恭子さんへ。