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 東京都議会では23日、自民党都議が女性蔑視のヤジを認め、謝罪した。石原伸晃環境相もこの日、福島県で「最後は金目でしょ」との発言をわびた。安倍政権への支持を背景に、国政でも地方でもたがが緩む自民党。相次ぐ失言はダメージになりかねない。

 「皆様に多大なるご迷惑をおかけしたことに、心からおわび申し上げます」。23日午後、都議の鈴木章浩氏(51)は無数のフラッシュがたかれる中で深々と頭を下げた。

 ヤジが飛んだのは、5日前の18日夜。この時点で「発言主は鈴木氏だ」との指摘が都議会の各会派から挙がっていた。だが自民の吉原修幹事長は「臆測で言われても困る」と調査に後ろ向きな発言に終始。発言者の特定と処分を求めた塩村文夏都議の申し入れも、吉野利明議長(自民)から「特定は権限外」と不受理扱いにされていた。

 自民は都議会の定数127のうち、59議席を占める最大会派だ。昨年6月の都議選では、安倍政権の人気を追い風に受け、擁立候補が史上初めて全員当選。2月の知事選で自民が支援した舛添要一氏が当選すると、発言力はさらに強まった。2020年五輪の会場計画見直しも「水面下で自民党の圧力があった」と都幹部は認める。都議会の議場では日頃から、与野党間で激しいヤジが飛び交っていた。

 だが、「女性の活用」を掲げる自民党幹部から批判が噴出した。石破茂幹事長は21日、「仮に我が党(の議員)なら、党としておわびをしなきゃいけない」と指摘した。

 自民都議の事務所にも「もう票は入れない」との批判が次々と寄せられた。ある自民都議は「長引けば来春の統一地方選にも影響が出かねない」と危機感をあらわにした。