『天誅 忍凱旋』のレビューで書いたことだが、一記事作って解説する価値ありと判断したため執筆する。
ある程度強力な消耗品の無いゲームでのバランス
消耗品でない・または消耗しても簡単に元に戻せるアイテムならとにかく有用なものは活用しまくるのがお得。そのため、初心者も上級者もゲームデータ的に考えてあまり主人公(達)の強さが変わらない。従って初心者と上級者の差はゲームプレイングに現れるわけだが、
ユーザーが完璧に近いプレイングをすると想定し、難易度を高くする→初心者が付いてこれなくなる
ユーザーのプレイングは完璧なものではないと想定し、難易度を低くする→上級者が退屈する
という歪みが生まれる。そのため、これを回避しようとイージーモードやハードモードを搭載したゲームが登場する事になった。
ある程度強力な消耗品があるゲームでのバランス
消耗品を使うとゲームが簡単になるが、当然使えばなくなってしまうので「できれば使いたくない」という心理が働く。そのため、消耗品を使うか使わないかで主人公(達)の強さに差が出来る。ゲームがうまい者ほどあまり消耗品を使わなくてもクリアできるので、
ライトゲーマー→難しいと感じたら消耗品を使って難易度を下げる
ヘビーゲーマー→なるべくアイテム消費を抑えて進むので自然と難易度が高くなる
と、難易度の自浄効果が発生するのである。
ある程度強力な購買品があるゲームでのバランス
消耗品がなくても、購買品があるなら似たようなバランスの自浄作用が見込める。
ヘビーゲーマー→金を無駄遣いしたくないという心理が働き、最低限必要な装備だけ買う
ライトゲーマー→少々難しくても、時間をかけて金を貯めフル装備で挑む事が可能
と、この通りユーザーが自然に難易度を選べる。これは「お金」を消耗品だと考えれば上に挙げた消耗品の例と同じ形になる。
*注意点*
�‐談徂覆慮�果が弱すぎないかどうか
ライトゲーマーのプレイを楽にすることで難易度の自浄効果が発生するので、アイテムを使っても装備を買ってもちっともプレイが楽にならない場合は当然自浄効果は起こらない。
�∧篏爾�手軽すぎないか
どうして上級者がアイテム使用を控えるのかと言えば、それは「使うともったいない」という感情があるから。「安価で購入可能」「金が溢れるほど手に入る」「品切れすることが無い」などの要素は「もったいない」を消してしまう可能性があるため注意。
��所持数上限が低すぎないか
よくRPGでは「同じアイテムは99個までしか持てない」「アイテムは合計20個までしか持てない」「アイテム一つ一つに重さが決まってて、規定の重量以上は持てない」といった所持数制限が決まってることがあるが、あまりに簡単にこれを満たすようだとユーザーには「取っておいても無駄になるだけだし、むしろどんどん使っていかなければもったいない」といった感情が発生する。ヘビーゲーマーだとこれを切っ掛けにちょうど良かったバランスが崩れてしまうことも……。
(※キャラクターの所持数制限がきつくても、倉庫などのアイテムを無限に保管しておける場所がある場合、この問題は起こらない)
�ず篤�手が可能かどうか
再入手が不可・あるいは非常に困難である場合、ライトユーザーですら消耗品を使わなくなる可能性が高い。
「一個しか入手できないけど強力な消耗品」などだいたいの場合で飾りにしかならないだろう。これでは自浄作用も発生しない。
〜実体験〜
管理人の初RPGはFF5だったのだが、当時小学生であった自分は今考えるとメチャクチャなプレイをしていた。レベルアップの概念がよく分かっておらず、ザコ敵からは全て逃げ、毎回ボス戦で苦労する……という、分類すればライトゲーマーの更に下、底辺ゲーマーとでも呼ぶべきプレイングの拙さだった。
だがしかし、それでも意外とゲームに詰まることは少なかった。どうやって低レベルでボス戦を切り抜けていたかといえば、『こおりのロッド』『すいとんのじゅつ』『しゅりけん』などの消耗品を大量に買い込み、ゴリ押しにて倒していたのである。「そんな単調な戦術でプレイしていて面白かったのか？」と疑問に思う者もいるかもしれないが、当時小学生だった自分にとってそれは紛れも無い「工夫」「試行錯誤」だった。FF5はこんな底辺ゲーマーをも楽しませることができるほど強いバランス自浄作用を持っていたと言える。
だがそんなFF5にも詰まってしまうポイントがあった。第二世界始まってすぐのビッグブリッジにいるギルガメッシュである。……つまり、周りにロッドもしゅりけんも買う場所がなかった地点ということだ。やむなくここは地道にレベル上げを行って突破した。(ただ、今から考えるとここは『ぜになげ』という消耗技を使えば楽に突破できたのだが……)
ちなみに、これ以降のボスも詰まりかけた場面はあったが、『ぜになげ』や『ふうましゅりけん』などの力を借りることで何とかエンディングを見ることができた。
*
日本ではRPGが大人気である。性別や年代問わずに広くゲーマーに受け入れられている。
ここまでRPGがヒットした理由としては様々なことが考えられるが、その一つとしてアイテムや通貨といった消耗品・購買品(とレベル上げ)によるバランス自浄作用が発生し、多くのプレイヤーにとってゲームが適切な難易度であったことが挙げられるのではないだろうか。
ある程度強力な消耗品の無いゲームでのバランス
消耗品でない・または消耗しても簡単に元に戻せるアイテムならとにかく有用なものは活用しまくるのがお得。そのため、初心者も上級者もゲームデータ的に考えてあまり主人公(達)の強さが変わらない。従って初心者と上級者の差はゲームプレイングに現れるわけだが、
ユーザーが完璧に近いプレイングをすると想定し、難易度を高くする→初心者が付いてこれなくなる
ユーザーのプレイングは完璧なものではないと想定し、難易度を低くする→上級者が退屈する
という歪みが生まれる。そのため、これを回避しようとイージーモードやハードモードを搭載したゲームが登場する事になった。
ある程度強力な消耗品があるゲームでのバランス
消耗品を使うとゲームが簡単になるが、当然使えばなくなってしまうので「できれば使いたくない」という心理が働く。そのため、消耗品を使うか使わないかで主人公(達)の強さに差が出来る。ゲームがうまい者ほどあまり消耗品を使わなくてもクリアできるので、
ライトゲーマー→難しいと感じたら消耗品を使って難易度を下げる
ヘビーゲーマー→なるべくアイテム消費を抑えて進むので自然と難易度が高くなる
と、難易度の自浄効果が発生するのである。
ある程度強力な購買品があるゲームでのバランス
消耗品がなくても、購買品があるなら似たようなバランスの自浄作用が見込める。
ヘビーゲーマー→金を無駄遣いしたくないという心理が働き、最低限必要な装備だけ買う
ライトゲーマー→少々難しくても、時間をかけて金を貯めフル装備で挑む事が可能
と、この通りユーザーが自然に難易度を選べる。これは「お金」を消耗品だと考えれば上に挙げた消耗品の例と同じ形になる。
*注意点*
�‐談徂覆慮�果が弱すぎないかどうか
ライトゲーマーのプレイを楽にすることで難易度の自浄効果が発生するので、アイテムを使っても装備を買ってもちっともプレイが楽にならない場合は当然自浄効果は起こらない。
�∧篏爾�手軽すぎないか
どうして上級者がアイテム使用を控えるのかと言えば、それは「使うともったいない」という感情があるから。「安価で購入可能」「金が溢れるほど手に入る」「品切れすることが無い」などの要素は「もったいない」を消してしまう可能性があるため注意。
��所持数上限が低すぎないか
よくRPGでは「同じアイテムは99個までしか持てない」「アイテムは合計20個までしか持てない」「アイテム一つ一つに重さが決まってて、規定の重量以上は持てない」といった所持数制限が決まってることがあるが、あまりに簡単にこれを満たすようだとユーザーには「取っておいても無駄になるだけだし、むしろどんどん使っていかなければもったいない」といった感情が発生する。ヘビーゲーマーだとこれを切っ掛けにちょうど良かったバランスが崩れてしまうことも……。
(※キャラクターの所持数制限がきつくても、倉庫などのアイテムを無限に保管しておける場所がある場合、この問題は起こらない)
�ず篤�手が可能かどうか
再入手が不可・あるいは非常に困難である場合、ライトユーザーですら消耗品を使わなくなる可能性が高い。
「一個しか入手できないけど強力な消耗品」などだいたいの場合で飾りにしかならないだろう。これでは自浄作用も発生しない。
〜実体験〜
管理人の初RPGはFF5だったのだが、当時小学生であった自分は今考えるとメチャクチャなプレイをしていた。レベルアップの概念がよく分かっておらず、ザコ敵からは全て逃げ、毎回ボス戦で苦労する……という、分類すればライトゲーマーの更に下、底辺ゲーマーとでも呼ぶべきプレイングの拙さだった。
だがしかし、それでも意外とゲームに詰まることは少なかった。どうやって低レベルでボス戦を切り抜けていたかといえば、『こおりのロッド』『すいとんのじゅつ』『しゅりけん』などの消耗品を大量に買い込み、ゴリ押しにて倒していたのである。「そんな単調な戦術でプレイしていて面白かったのか？」と疑問に思う者もいるかもしれないが、当時小学生だった自分にとってそれは紛れも無い「工夫」「試行錯誤」だった。FF5はこんな底辺ゲーマーをも楽しませることができるほど強いバランス自浄作用を持っていたと言える。
だがそんなFF5にも詰まってしまうポイントがあった。第二世界始まってすぐのビッグブリッジにいるギルガメッシュである。……つまり、周りにロッドもしゅりけんも買う場所がなかった地点ということだ。やむなくここは地道にレベル上げを行って突破した。(ただ、今から考えるとここは『ぜになげ』という消耗技を使えば楽に突破できたのだが……)
ちなみに、これ以降のボスも詰まりかけた場面はあったが、『ぜになげ』や『ふうましゅりけん』などの力を借りることで何とかエンディングを見ることができた。
*
日本ではRPGが大人気である。性別や年代問わずに広くゲーマーに受け入れられている。
ここまでRPGがヒットした理由としては様々なことが考えられるが、その一つとしてアイテムや通貨といった消耗品・購買品(とレベル上げ)によるバランス自浄作用が発生し、多くのプレイヤーにとってゲームが適切な難易度であったことが挙げられるのではないだろうか。
| ファイナルファンタジーV アドバンス スクウェア・エニックス 2006-10-12 by G-Tools |
実体験で挙げてあるFF5は一見ただのバランスブレイカーでも、それがあるからこそ低レベルでも攻略できるといった感じのアイテムや技が沢山あり、戦略を考えるのが楽しいといった面がありましたね。その延長で、縛りプレイなどが豊富になったのだと思います。
ただ、ヘビーユーザだからこそアイテムの使い時が分かって豪快に使う場合もあるので、そういったものとの違いも考えると、より深い考察になると思いました。
FFでエリクサーの使いどきが分からず、結局最後まで使わなかったとか、あるあるネタになるぐらいの定番ですし。
また、RPGではありませんが、バイオハザードでクリア時には弾が大量に余るというようなケースも良くネタにされています。
そういった意味では、ライトユーザでも「勿体無くて使えない」という事が起きている思います。