字幕付きCM:業界ルール改定2015年春から本格放送へ

毎日新聞 2014年06月24日 20時12分

 ◇総務省が来年度予算に普及助成金などの盛り込み検討

 総務省は24日、字幕付きのCMの普及に向けた工程表をまとめた。聴覚障害者や高齢による難聴者は約2000万人いるとされ、情報を得やすくするために字幕付きCMの放送を求める声は大きいという。今は単独スポンサー企業の提供番組で試験的に放送しているが、業界のルールを改定して2015年春から本格放送を始めるほか、複数企業による提供番組での試験放送にも取り組む。総務省は来年度予算に普及のための助成金などを盛り込む検討をしており、字幕付きCMの放送を本格化させる方針だ。

 総務省が今年1月に設置した検討会で、有識者や放送局、広告会社やスポンサー企業などが議論して工程表をまとめた。字幕付きCMは一般の番組と同じように、テレビの設定を変えることで字幕が表示できる仕組み。字幕付きCMは10年から在京キー局で試験放送が始まり、パナソニックや花王など10社程度が取り組んでいる。商品の特性などを幅広く知ってもらえるといったスポンサー企業のメリットがある一方で、字幕をつけるための作業量の増加やコストがかさんだり、放送局に字幕を表示するための設備がない場合もあり、普及が進んでいない。

 放送局や広告会社、スポンサー企業などは今秋、協議会を設立して今年度中に字幕付きCMの基準作りをする。地上波のCMの年間放送時間のうち、単独での提供番組は0.7%にとどまるが、23%を占める複数社による提供番組でも試験放送を始めれば字幕付きCMが大幅に増える可能性がある。【横山三加子】

最新写真特集