【視点】編集委員・芳賀由明
やはり出てきた「携帯電話税」。自民党の中山泰秀衆院議員ら有志議員が18日、携帯電話1台に数百円の課税導入を検討する議員連盟「携帯電話問題懇話会」を設立し、党本部で設立総会を開いた。秋の臨時国会に向けて提言をまとめる方針だ。
携帯電話税が最初に話題になったのは、東日本大震災後の復興財源の一つとして浮上した。与謝野馨経済財政担当相(当時)が「(1台当たり)1日5円から10円程度もらえば数千億円の規模になる」と皮算用をはじいた。実現しなかったものの、電波利用料の引き上げや使途拡大など論議が続き、巨大市場が“潜在的財源”として認知されることになった。
再浮上した携帯電話税は、その理由がふるっている。軽自動車税の増税はけしからんから、他の業界にも課税して幅広く財源確保を検討すべきだという。軽自動車業界の入れ知恵(そうは思わないが)と揶揄(やゆ)されているが、中山議員は2005年の当選前から大の車好きで知られ、自民党のモータースポーツ振興議員連盟にも所属。地方の高齢者の「足」となっている軽自動車の負担増や若者の免許取得減をどうにかしたいと考えたのかもしれない。景気に左右されにくく、国民1人1台以上の普及をみせる携帯電話業界を身代わりにしようとした、というところか。
しかし、中山議員はこうも唱えている。
「携帯電話事業者は電波利用料を払っているが、電波は資源なので有限だ。資源を利活用しているという共有の思いを、携帯を持っているわれわれが1台につき、例えば月100円でもいいし、1000円でもいい。携帯に税金を課そうということだ」
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