
英スタフォードシャー州、キール大学心理学部の学者らは、年一度開催される英国心理学会のカンファレンスにて、「無礼なだけだと思われていた”暴言(人をののしる、悪態をつくこと)”は人の高ぶった感情を解放し、さらに感情表現が豊かになり、自尊心を満たすために大切な役割を果たしている。」という研究結果を報告したという。
実験はこのように行われた。まず最初に被験者に、自身の知る限りの「暴言」を思い出してもらい、それを監視役に伝えるように指示した。その後、被験者に過激なテレビゲームをプレイしてもらい、もう一度、思いつく限りの「暴言」を監視役に伝えるように指示が出された。
その結果、過激なゲームを遊ぶ前は平均で7単語しか思い浮かばなかったのに対し、ゲームで遊んだ後の平均は8単語へとアップした。

この結果について上級講師のリチャード・スティーブン博士は、「テレビゲームをプレイすることで、被験者の感情が高ぶり、より暴言が増えた。我々は感情的になると、”禁句”とされている言葉を使う事で、自らの感情を発散しようとする。また、暴言を吐く事で自らをより大きく、強く感じることが出来るようだ。そしてその効果は、暴言の”決して口に出して言ってはいけない”レベルがより高い程、より強い効果をもたらすようである。」と語った。

さらに暴言には鎮痛効果もあるという。人は心に痛みを感じる時により暴言を吐く事が多くなる。それを裏付ける為、このような実験が行われた。
被験者に2つのグループに分かれてもらい、お互い氷の入った冷たいグラスを持ってもらう。片方のグループは黙ってグラスを持っているように指示され、もう片方は暴言を吐く事を許された。その結果、暴言を吐く事が許されていたグループの方が、より長い時間グラスを持ち続ける事が出来たそうだ。

また、暴言を吐く人ほど、頭が悪いと思われがちだったが、今回の調査で分かった結果は少し違っていた。勿論、暴言を常に吐いているような人の知能指数は低かったのだが、ここぞという場所で使う人の知能指数は、これまで考えられていた以上に高かったそうだ。
暴言には、感情の高ぶりを発散させ、自尊心を保つのに効果があるだけでなく、感情をうまく表現する為の気のきいた語彙力を身につける効果があるということだ。

とはいえこの研究は、人に直接面と向かって暴言を吐くことを推奨しているわけではない。言葉で人を傷つける行為は暴力であり、決して許されるものではない。今回の実験は、あくまでも対人ではなく対物・状況に関しての暴言の優位性を検証したものである。使いどころを間違うととんでもないことになるのは言うまでもない。
via:dailymail・原文翻訳:riki7119
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