5回、カイ・ジョンソン(右)のパンチを受ける高野人母美=後楽園ホールで(市川和宏撮影)
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▼第369回ガッツファイティング、モデルボクサー高野人母美プロ第6戦▼24日▼東京・後楽園ホール▼東京中日スポーツ後援▼観衆1260人
美しすぎるモデルボクサー、高野人母美(ともみ、27)=協栄=と東洋太平洋スーパーフライ級1位カイ・ジョンソン(32)=竹原&畑山=の6回戦は激闘の末、高野が5回1分12秒のTKO負けで、プロ初黒星を喫した。勝てば、年内の東洋王座挑戦も射程圏にとらえるところだったが、タイトル挑戦は来年以降に持ち越された。
人母美史上、ベストバウト(最高の試合)と言っていい。5回、レフェリーストップ負け。しかし、負けて悔しいはずの高野は、あでやかに笑っていた。
「悔しい。でも、うれしい。これだけ、殴り合ったのも初めて。やり切った」
2回後半、カイに乱打戦を仕掛けられ、スリップダウン。高野は髪を振り乱して応戦。荒い息遣いでコーナーに帰ると、長い足を組んでイスにふんぞりかえった。高野の中で眠っていた何かが目覚めたようだった。
3回に絶妙の左カウンターがカイのアゴをとらえた。カイはストンと腰から落ちて、会場がどっと沸いた。ただのタレントボクサーじゃない。高野が隠れたポテンシャルをのぞかせた瞬間だった。しかし、悲しいかな、スタミナがない。カイの嵐のような猫パンチ攻撃にコーナーに詰まり、最後は笑みを浮かべながらエンドを迎えた。
「新しい自分の発見があった。この1敗は、貴重な体験。これからも、上を目指す」と高野。負けても絵になる女であることは分かった。しかし、次は結果が問われる。 (竹下陽二)
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