米国株:続落、経済指標は堅調も中東での緊張の高まりを嫌気
6月24日(ブルームバーグ):米株式 相場は続落。経済指標を受けて米経済に対する楽観が広がったものの、中東で戦闘が激化しているとの報道が嫌気され売りが優勢となった。主要株価指数は先週、過去最高値に上昇していた。
エクソン・モービルやパイオニア・ナチュラル・リソーシズなどエネルギー株が安い。インターコンチネンタル取引所(ICE)も下落。アナリストによる投資判断引き下げに反応した。JPモルガン・チェースやボーイング、ユナイテッド・テクノロジーズも値下がりした。シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は4月以降で最大の上げとなった。
S&P500種 株価指数は前日比0.6%安の1949.98。一時0.3%高となる場面もあった。ダウ工業株30種平均は119.13ドル(0.7%)下げて16818.13ドル。VIXは10%上昇し12.13。
ミラー・タバクの株式ストラテジスト、マット・メイリー氏「株式相場は過去最高値付近にある一方、国内総生産(GDP)や企業利益が若干伸び悩んでいることから、市場参加者はやや神経質になっている」と分析。その上で「金融政策を背景に市場参加者の間には安心感が広がっており、大きな下振れは懸念していない。ただ短期的な値下がりに対する不安は見られる」と続けた。
中東情勢この日の相場は午前中は堅調だったが、午後に入り下げに転じた。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が、シリアの戦闘機がイラク西部を攻撃し、50人以上が死亡したと報じたことが手掛かりとなった。
イラクでは訪問中のケリー米国務長官が、イスラム教スンニ派の過激派組織との戦いで団結するよう同国指導者に促している。
ウィリアムズ・キャピタル・グループのプリンシパル兼株式トレーダー責任者、スティーブン・カール氏は「中東では地政学的にどのようなシナリオも起こり得る状況だ」とし、「情勢は不安定であり、事態がどう展開するか分からない。いかなる突発的な動きも材料になる」と加えた。
午前中に発表された5月の米新築一戸建て住宅販売は、前月比での増加率が過去22年で最大となった。
米民間調査機関のコンファレンス・ボードが発表した6月の消費者信頼感指数は85.2と、前月の82.2(速報値83)から上昇。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は83.5だった。
米経済情勢フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は、米雇用の堅調な伸びが見込まれる中で、今年後半から来年にかけての成長率が2.4%を上回ると「極めて楽観」していると述べた。また家計のバランスシートが改善し、失業率は年末までに5.8%に低下するとの見通しを示した。総裁はニューヨーク経済クラブで講演した。
講演で総裁は「冬季の悪天候からの回復が進み、失業をめぐる見通しはやや改善している」と指摘。「経済の力強さは極めて広範にわたっていることが現行のデータで示されている」と説明した。
S&P500種の業種別10指数では8指数が下落。エネルギー株の指数は2%安と最大の下げ。エクソンはダウ平均で値下がり率トップとなった。
ICEは4%安の190.18ドル。ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズはICEの投資判断を引き下げた。
原題:U.S. Stocks Decline Amid Tension in Middle East, EconomicData(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Oliver Renick enick2@bloomberg.net
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更新日時: 2014/06/25 06:57 JST