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  • Nanaho Nishiyama

    Nanaho Nishiyama

    Worked as an assistant to btrax CEO, Brandon K. HIll after graduating from University of Tokyo. Nanaho also served a key role in setting up the btrax Japan office in the beginning of 2013, organizing the 5th SF Japan Night event. She also managed client projects as a project manager, and also worked as a user experience designer. Nanaho is fluent in English, Japanese and Korean. She now lives in the Philippines.

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世界のインターネット企業について知っておきたい6つのこと

今密かに、フィリピン・セブ島に、世界中のスタートアップ・IT企業に関する膨大な情報が集結しているのを、皆さんはご存知でしょうか。Bowei Gaiは、2011年にCardMunchというサービスをLinkedinに売却したシリコンバレーの中国人起業家。そんな彼の元で、今World Startup ReportというNon-Profitのチームが、世界中のスタートアップの情報を一気に集約し「スタートアップに特化したWikipedia」を作ろうとしているのです。

今回は、World Startup Reportが50カ国のリサーチを通して発表した「インターネット”殿堂” 〜世界のインターネット企業について必ず知っておきたい6つのこと」についてご紹介します。

このリサーチについて

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今回のレポートは世界6大陸から、経済発展のレベル・人口・インターネット普及率の異なる50カ国を選び、各国トップ3のインターネット企業(最高時の時価総額。非上場企業はデータからの推定)を対象にして行われています。「どの国で、どの企業が選ばれているか」などの詳細はこちらから。

「日本No.1 IT company」はLINE!?

本題に入る前に少しだけ補足します。今回の対象50カ国の中に日本も入っているのですが、トップ3の企業としてピックアップされているのが「LINE」「楽天」「ガンホー(パズドラ)」。なんとLINEが1位(280億USドル)としてランクインしています。LINEは現時点で未上場のためまだ推定や噂の域を出ませんが、メッセンジャーアプリが日本IT界のトップに君臨すると評されているのは、凄い話ですね。


 1. Top10インターネット大国は?

下のインフォグラフィックは、今回のリサーチでTop10に入る国と、その国におけるトップIT企業のサイズ感を表したもの。

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アメリカのGoogle社が世界No.1を取っていることに驚く人はそういないでしょう。ただ、その規模は圧倒的。残りの49カ国のNo.1を全て足し合わせた額よりも大きいのです。

また、面白いのがこのTop10の中にヨーロッパの国がひとつも入っていないこと。ただ次の図から見える通り、11位〜20位まではほぼヨーロッパ諸国が独占(10カ国中8カ国)しています。

2. あなたの国のIT企業はどこまで大きくなれるのか?

地理・経済発展レベル・人口など多種多様な50カ国が選ばれていますが、各国のIT企業の現状のサイズ感や、どのような伸びしろがあるのかを知る手がかりになるかと思います。

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  • 1位: アメリカ
  • 2位: 中国
  • 3位: 南アフリカ

1位・2位がそれぞれ圧倒的な規模になっていますが、3位に南アフリカのNaspersがランクインしているのも興味深いですね。Skype発祥地のエストニアはこのランキングでは20位となっています。

3. “The Billion $ Club”は何カ国?

この図に名前が挙がった国では、10億ドル規模のIT企業が少なくとも1つ以上存在していることになります。(WSRのチームはこれを「Billion $ Club」「”Unicorn” Club of Internet companies」と表現しています)その数50カ国中なんと29カ国。

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この「Billion $ Club」にヨーロッパの数多くの国が入っていますが、先程上述した通りTop10に入っている国はありません。「ヨーロッパで10億USドル規模のIT企業を創ることは可能だ」ということが示唆されていますが、一定の規模に達した後にはまたひとつ大きな壁があるようです。

4. 形態で見る世界トップIT企業

企業の形態(上場企業・非上場企業・被買収企業)ごとに企業価値の平均を出した結果がこちらの図。

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上場企業の平均(250億ドル)は、非上場企業平均の6倍(40億ドル)、被買収企業平均のなんと60倍(4億ドル)となっています。

Top10リストに入っている企業のうち、8社は上場会社、アリババはIPOを申請済、残りの1社(ちなみにこれはLINE)が非上場会社。IPOという道が、企業の価値を最大化する可能性が最も高いことが示唆されています。

5. 分野別に見る世界トップIT企業

今度は企業形態ではなく、分野ごとに平均を出したもの。

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  • 1位: コミュニケーション
  • 2位: 検索
  • 3位: Eコマース

コミュニケーションが「要」、Eコマースが「王道」。

今回リストに載った企業の中では、Eコマースと検索が最も多い分野という結果が出ました。実際、これらの分野は、どの国においてもインターネットの成長過程で必ず発達してくるものでしょう。

一企業として見るとGoogleやアリババなどトップに君臨しているものがありますが、平均で言うと、これらのEコマース・検索をしのいで、SNS・メッセンジャーなどの「コミュニケーション」分野が最も価値が高く、約200億USドルとなっています。

6. 時系列で見る世界トップIT企業

分野ごとの企業価値と成熟度が示されているのが、こちらの図。分野ごとに、創立年の平均と企業価値の平均を割り出してプロットされています。

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検索は2000年よりも前に始まり、平均でもおよそ15年。最も成熟度の高い分野と言えるかもしれません。一方最も価値の高いコミュニケーションは、まだ10年ほど。興味深いことに、ペイメント(支払い系)の分野は、比較的低い位置にあります。

10億ドルの企業を育てるには、7年から10年くらいの時間がかかっているようです。


最後に:Special Thanks to…

かなり個人的な話になりますが、今回フィリピンからゲストブロガーとしてfreshtraxに書かせて頂きました。まず誰よりWorld Startup ReportのBowei・Andrius、そしてbtrax卒業後にも素敵な機会をくださったブランドンさんに感謝しています。

World Startup Wikiには現在、マレーシアフィリピンの情報のみが公開されていますが、今後更に世界各国の概要やスタートアップ事情についての情報がアップデートされていく予定です。今後海外でビジネスを展開する予定のある方は、ぜひ引き続きチェックしてみてくださいね。

 

オリジナルのレポート・詳細はこちらから。
INTERNET HALL OF FAME - Things You Need to Know About the World of Internet Companies

この件に関するSlideshareもとても面白いので、合わせてぜひどうぞ。

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