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線路と道路の両用車、津軽鉄道が導入断念 既存列車との併用困難

Web東奥 6月24日(火)10時11分配信

 2016年春開業の北海道新幹線・奥津軽いまべつ駅に接続する二次交通として、線路と道路の両方を走る車両「デュアル・モード・ビークル(DMV)」の導入に意欲を示していた五所川原市の津軽鉄道が、開業までの導入を断念していたことが23日までに、同社への取材で分かった。同社の澤田長二郎社長は「既存の列車とDMVを安全に併用運行するシステムが開発されていないため、諦めざるを得ない」としている。
 DMV運行について同社は当初、奥津軽いまべつ駅から同社の津軽中里駅までは道路を、同駅からは線路を走るルートを計画。同社の意向を受け県は昨年度、津軽中里駅−津軽五所川原駅(約20キロ)間で、列車と併用する場合と、DMV単独で運行する場合の課題を調べた。
 県と同社によると、併用運行の場合、列車より軽いDMVの重さでも作動するよう、踏切の警報機を作動させるレールの感知システムなどを新たに開発する必要があることが判明した。
 さらに、併用運行、単独運行のいずれについても(1)DMV乗降口専用の駅ホーム(2)道路と線路間の切り替え場所(3)踏切走行時に起きる車両の急激な上下動を解消するためのスロープ−などを整備しなければならないことも分かった。
 車両を開発したJR北海道は、DMVの単独運行はハード面の課題をクリアすれば運行上ほぼ問題ない−としているが、併用運行について同社広報部は「DMVはもともと単独運行を前提に開発したもの。(併用運行のための)新システム開発の予定はない」としている。
 津軽鉄道の澤田社長は「併用運行でストーブ列車や走れメロス号など、観光客に人気の列車との相乗効果を期待していたのに残念。単独運行は、現時点で採算が見込めない」と述べた。

東奥日報社

最終更新:6月24日(火)10時12分

Web東奥

 

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