『凡神（ぼんじん）くん』　　１６頁
凡神くん・氏子ふにお・同級生・母・男・泥棒・他
　
１頁　表紙
２・１－２　豪邸
　　同級生Ａ「また新型のゲーム機買ったよ」
　　Ｂ「やっぱり迫力が違うね」
　　Ｃ「おー、やろうやろう」　
　３　Ａ「あ、これ対戦用だから、ふにおは無理」
　４　Ａ「おまえは妹と遊んでてくれ」
　　ふにお、妹とおままごと。　ふ「こんなのやだよぉ」
　５　妹「おにいちゃん、この人嫌い」
　　　Ａ「ふにおは嫌われやすいな」皆笑い
　６　外　ふ「なんでぃ、ゲームくらい」
　７　自宅前　ふ「ほんとはゲーム欲しいけど」
　８　居間　母「そんな余裕ないよ」　ふ「だろうね」　　
３・１　自分の部屋　
　　ふ「貧乏人の子は苦労するなあ」　　２　ふ「あ」　
　３　ふ「宝くじ買った？」　母「あ～、買ってあるけど」
　４　母「もうじき発表か」　ふ「少しは当たってほしいね」
　５　鳥居　ふ「神様お願いします」
　６　拝殿前　ふ「宝くじが当たりますように」
　７　帰るふにお「こうなりゃ神頼みしかないもんね」　
　８　男が探しものキョロキョロ　ふにおとすれ違う。
４・１　ふ「あの、どうかしましたか？」
　　　男「え？あー、百円落としてしまってね」
　２　男「やっぱりないか、はぁ･･･」男去りかけ。
　３　ふ「あのう、百円･･･」　男「あった？」
　４　男「あー！ありがとう、百円あるのと無いのとでは違うからね」　
　５　男「ありがとね」男去る　　６　玄関内　ふ「また小遣いが減った･･･」
　７－８　部屋に凡神　凡「賽銭は？」　　ふ「うわっ！」
５・１　ふ「だだだれ？君誰？」　
　　　凡「あの神社の主だよ。名は凡俗尊（ぼんぞくのみこと）･･･凡神でいいよ」　　
　２　凡「ただで神頼みとは図々しいぞ、いくらか払えよ」
　　　ふ「じゃあ５円･･･」　
　３　凡「たった５円で宝くじが当たるか！」
　　　凡神、杖を振る。ふにお感電。　ふ「あーっ！」
　４　ふ「だってもう３百円しかないんだよ」
　　　凡「２百円にまけてやるよ」　
　５　凡「で、宝くじ当ててどうすんだ？」
　　　ふ「欲しいゲーム機が出たんだよ、買いたいんだよ」　
　６　二人庭に出る。?斗雲（きんとうん）あり。
　　　凡「ゲームくらい自分で作れよ」　ふ「あ、雲！」
　７　凡「これをつけろ」　ふ「？」　ふにお、怪獣のぬいぐるみを着る。
　８　凡神雲に乗り「シューティングゲ～ム！」
６・１－２　空飛ぶ雲から凡神に杖で攻撃され追いかけられ、
　　　ふ「わー待って待ってちょっと待って！」
　３　凡「悪役が弱いとつまんないよ」
　　　黒こげのふにお「勝手に悪役にするなよ！」　
　４　凡「じゃあ正義の味方やれ、わしが悪役だ」
　　　ふにお、それらしい格好に。
　５－６　逆方向に　ふ「わー待って待ってちょっと待って！」　
　７　ふにお黒こげ。凡「正義の味方は似合わないな」
　８　ふ「そんなんじゃなくて･･･」
　　　凡「じゃあ、すごろくするか」袋からゴソゴソ。
７・１　ふ「すごろくなんか興味ないよ」
　　　凡「ただのすごろくじゃないぞ（サイコロころころ）」
　２　凡「ほれ、ふにおもやれ」なにがでるかな、ふにおもコロコロ。
　３　ふ「３。いち、に、さん」
　４　ふ「崖から落ちそうになる」　
　５－６　巨大な崖から落ちそうになる。
　　　ふ「ほんとに落ちそうにしなくていいよ！」
　７　凡「次、わしな」コロコロ。
　８　凡「干しイモ三枚ゲット！」
８・１　凡神、イモ食いながら
　　　凡「ま、神様だからツイてるのは当然かな、ぶはは」
　２　ふにお「今度はどうだ」　　３　「高いところで日向ぼっこ」
　４－５　東京タワーの上。　ふ「こんな所にいられるかっ！」
　６　ふ「次だ次！」コロコロ。　７「妖怪に好かれる」
　８　妖怪に抱かれるふにお。
　　　ふ「やめ！こんなの！すごろくはやめ！」　凡「刺激的なのになあ」
９・１　ふにお、チラシ見せて、
　　　ふ「これが欲しいんだよ、でもお金がないから買えないんだよ」
　２　凡「よし、わかった、（雲に）乗れ」　ふ「買いに行くの？やったー！」　
　３　ふ「あわわ」　凡「シートベルトしめとけよ」雲飛んでいく。
　４　泥棒、道路上で「♪ピッキングピッキング、やっほ～やっほ～」　
　５　ふにお宅前　泥「誰もいないよね」キョロキョロ。
　６　廊下　泥「♪あんなものいいな、取れたらいいな　札束宝石いっぱいある～けど～か」
　７　たんす開け　泥「なんだ、ろくなもんないね」　
　８　冷蔵庫開け　泥「あ～、やだねえ、貧しいねえ」
１０・１　泥「こうなりゃ意地でも何かもらっていくかんね」菓子を食い、
　２　泥棒、テーブル見て「あら！宝くじか、もらっとくね」　　
　３　泥「貧乏人に用はないね、さいなら～」出ていく泥棒。　
　４　母帰宅。玄関半開き。　母「ただいま･･･あれ？」
　５　二人の雲、ゲーム屋前に降りる。　ふ「ここだ」
　６　店内。凡「さ、好きなの選べ」　ふ「じゃあこれ」
　７　店外。凡「よし、帰ろう」　ふ「うん」
　８　ふ「万引きじゃないか！」　凡「わしは今誰にも見えないよ」　
１１・１　ふ「ぼくが疑われるだろ！」棚に戻す。　
　２　凡「じゃあ打ち出の小槌を出すか」
　　　ふ「クレジットカードか。先に出しとけよ」
　３　店員「氏子ふに蔵さんですね」　凡「うん」　ふ「おーい！」
　４　ふ「お父さんのじゃないか！いつのまに」　凡「後で払えば済むぞ」
　５　他人が買ってる。　ふ「あ、同じゲームだ」見る二人。　
　６　他人「？」
　７　凡神が他人の持つゲームを引っ張っている。
　　　ふ「いいよ、やめてよ、いらないよ」
　８　他人「おまえか！」　ふ「！？　違います」　
１２・１　ふにおボコられ「小遣い貯めて買うからいいよ」
　　　凡「簡単にあきらめるな！」
　２　競馬・競輪・競艇・オート　　凡「ほりゃいけー！」
　３　パチンコ屋前。凡「くっそ～、全然だめだ」　
　　　ふ「博打に頼ってもなあ」
　４　麻雀屋中。凡神、泥棒、他面子の４人で卓を囲む。
　　　凡「ほれ、早くしろよ」
　　　ふ「凡神くんは子供なのか大人なのかわかんないな･･･」
　５　凡「わしか？２千歳かな」　ふ「ほんとかよ」
　６　凡「よっしゃ、あったりー！」　泥「あいたー、やられたよーん」
　７　店外　ふ「儲かった？」　凡「宝くじとお菓子だけ」
　８　雲で飛びながら、ふにおクジ持ち「宝くじ当ててよ」
　　　凡「それは難しいなあ」　
１３・１　ふ「役に立たないなあ、賽銭返せよ」
　　　凡「だから協力してるだろ！、バチ当たり！」
　２　二人揉み合って宝くじが宙に「あ！」
　３－４「あちゃ～」くじバラララ～　
　５　ふ「損ばかりじゃないか！貧乏神！」　凡「わしのせいにすんな！」
　６　凡・ふ「わーっ！」　７　神社前どさっ「着いてた」
　８　川の土手　男「はあ、ひもじいなあ」
１４・１　男「このまま野垂れ死にかなあ」　
　２　男「残るは百円で買ったあんぱん一個か･･･」　
　３　男の目の前にひらひら　　３´男「宝くじ？」　
　４　神社前　ふ「全然ついてないよ、ったく」　凡「わしがついてるだろ」
　５　ふ「だったらゲームくらい出せよ！」
　　　凡「･･･そこまで言うなら、ちょっとやってみるか？」
　６　ふ「泥棒！？　神様がそんなこと言っていいのか！？」
　　　凡「神だからいいんだよ！」
　７　ふ「よ、よ～し、やっちゃおうかな･･･」　凡「やるなら計画をたてよう」
　８　自宅前にパトカー。ふ「わー！もうばれた！」　　
１５・１　部屋で母がふにおに「泥棒が入ったんだよ」
　２　凡「おまえ、自分ちなら盗んでもいいと思ったのか！？」
　　　ふ「盗ってないよ！」
　３　凡「おまわりさーん、こいつが･･･」　ふ「何もしてないだろ！」　
　４　警官が母に「取られたものは？」
　　　母「え～と、宝くじとお菓子･･･かな」　
　５　神社前。ふ「神様ってお金ないの？」　凡「大黒さんが持ってるな」
　６　ふ「じゃあ大黒さんに会わせてよ」　凡「金持ち相手に忙しいんだよ」
　７　ふにお、凡神を指差し「じゃあやっぱり貧乏神だろ！」
　　　凡「ばかたれ！失礼な！」　
　８　ふ「賽銭返せ！泥棒！」凡「バチ当り！地獄に落ちるぞ！」
　　　遠くから「おーい、少年やーい」　　
１６・１－２　いつかの男が高級車から声をかけ、
　　男「ほら、こないだ、百円さがしていたおっちゃんだよ」
　　ふ「ああ、あのときの･･･」
　３　男「君のおかげで助かったよ、あのあと幸運に恵まれてね」
　　　男の横の運転手が品物を手に、
　４　男「君にプレゼントだ、気に入ってくれるかな？」念願のゲーム。
　　　ふ「わー！これ欲しかったんです！」
　５　ふにお、ゲーム機とゲーム入手。
　　　凡「な！願いがかなったろ」　ふ「･･･まあね」
　６　凡「信じる者は救われるのだ、信じろ！」　ふ「信じておくか･･･な」
　７－８　凡神、神社前で派手に呼び込み。
　　凡「さあ、御利益ばっちりの神社だよ（いらっしゃい、いらっしゃい）」
　　ふ「なんだかありがたくないような･･･」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おしまい