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時は戦国。山中の小国・瀬久原家は、南の江呂家から
攻められ続け、ついに城は一つとなってしまった。
なんとかしなくちゃいけないのだ。


瀬久原（せくはら）のぶなが　瀬久原家当主。
のぶお・のぶこの父。


のぶお　瀬久原家嫡男。



のぶこ　姫。のぶおの姉。


家老

江呂色成（えろ　いろしげ）
佑辺（すけべ）

検索したらまたあった。でもそれはそれ、これはこれで。
のぶおの城 -ニコニコ動画:GINZA

１　表紙
２
１・２　山々の景色
　　＜ときは戦国。天下はあちこちで戦争中。
　　山の中の小国、瀬久原家は南から迫る江呂家と争い、
　　連戦連敗であった。＞
３　城全景
　父（のぶなが）「あ～、なんたることだ、
　なんたるザマだ！！」
４　城内広間　傍らに家老
　父「江呂たちに負け続けるとは、たるんどるぞ！！」
５　父「つい先日も城を取られ、
　残るはこの城のみではないか！！」

６　父「責任者を出せ！　腹を切れ！」
　　家老「責任者は殿にござる」

７　父「わしが悪いと申すか！」
　　家老「当家はブラック企業との悪評も広まっております」
８　父「ブラック企業とはなんじゃ」
　　家老「従業員を安くこき使う悪徳企業のことです」
９　父「なんたる言い草じゃ！
　家来として働く喜びがわからんのか！！」
　家老「戦続きで米も不足して皆腹を空かせております」
３
１　父「米がないならパンでも麺でも食えばよかろう」
　　家老「時代が違います」
２　父「3日4日食わんでも死にはせん！
　江呂に反撃じゃ！　やつらから米を奪え！！」
　　家老「腹が減っては戦ができぬと申しまして････」
３・４　のぶお「チチーウェ！」
　父「おう、のぶお」
５　のぶお「北の佑辺家と同盟して援軍を送ってもらって、
　ついでに米も分けてもらうんべえよ」
　父「おお、名案じゃ！　おまえが考えたのか」
６　のぶお「家来１が考えたで」　傍らに家来１
　　父「なんじゃい、不甲斐ないやつじゃ」
７　のぶお「チチーウェも思いついてねえだんべが」
　　父「そのチチーウェってなんじゃい。異国人か」
８　のぶお「父上はめんどくせえからチチーウェだで。
　俺が佑辺んち行って同盟組むで、よかんべな？」
　　父「それはいいが、早く帰ってこいよ」
４
１　家老「若様ではいささか不安ですが････」
　　父「敵地でもないし、やつにも働いてもらおう」
２　城門　のぶお、馬に乗り、護衛数人
　　家老「若様、御役目頼みましたぞ」
　　のぶお「あいよー」
３　山道
　　のぶお「♪サイクリング　サイクリング
　ヤッホーヤッホー」
４　のぶお「腹減ったで」
　　家来１「何もありませんよ」
５　家来１「佑辺家に着いたら御馳走してもらいましょう」
　　のぶお「貧乏って人類の敵だいね」
６　のぶお「あ、鹿だ！　あれ食うんべえ」
　　林の中に鹿一頭　
７　のぶお「よし、俺が撃つでよ！」火縄銃でバーン
８　のぶお「やったー！　大物だで」　
５
１　のぶお「♪山の中の～野生ジカ　肉を軽くあぶらせ」
　　鹿の丸焼き
２　みんなで運ぶ　えいほ、えいほ
　のぶお「♪鹿一頭～を撃ったらば
　お肉が何日食えるかな」
３　広間
　　のぶお「ただいまー」
　　父「おう、早かったな」　
４　のぶお「チチーウェ、みやげ持ってきたよ」
　　父「おお、これは見事な獲物じゃの！」
５　みんなで食う
　　家老「若様、佑辺家は････？」
　　のぶお「あ、そっか」
６　父「なんじゃ、しっかりせい！」
　　のぶお「そうだぞ！」
　　家来１「････え？」
７　城門　のぶお、馬に乗り、護衛数人
　　のぶお「では行ってきます！」
８　山道
　　のぶお「♪ある～日　森の中　クマさんに」
６
１　林から熊出没　グアアアア
　　のぶお「出合ったぞ！！」　
２　のぶお「俺が撃つでよ」火縄銃でバーン
３　のぶお「やったー！　大物だで」
４　熊を棒にくくり付けて運ぶ
　　はいしどうどう　はいどうどう
　　のぶお「♪くまっちゃうな～　体がでかすぎて～」
５　広間
　　のぶお「今度は熊が獲れたで」
　　父「おお、でかした！」
６　熊料理をみんなで囲む
　　父「熊の掌は高く売れるぞ」
７　家老「あの････佑辺家は？」
　　のぶお「あ････でも活躍したし
　もう遅いから、明日にするんべえ」
８　翌日　城遠景　夕暮れ　カラスカー
　　のぶお「････寝坊した」
７
１　のぶお「今からじゃ遅いし、明日にするんべえ」
　　寝床に再び入る
２　のぶこ「起きろのぶお！」
　　のぶおをガンと蹴飛ばす
３　のぶお「なんだよ、アネーウェ！」
　　のぶこ「親も親なら子も子だよ！　こんなことじゃ
　うちは滅亡だよ！」
４　のぶお「ふん、ブス！」
　　のぶこ「ブスでわりーか！！」
５　のぶこ、のぶおの首しめる
　　のぶこ「これが現実ってもんだよ！
　姫なら美人と思うなよ！」
　　かっこいいとか　かわいいとか　うんざりだよ！
６・７　広間　家臣達を前に
　　のぶこ「いいかおまえたち、瀬久原家は存亡の危機だよ！
　これから我が家の栄光を取り戻す！」
８　家来２！　おまえは勘定役から部将だよ！
　戦の先鋒ね！」
　　家来２「おお！　銭勘定には困っていました、
　　ようやく活躍できます！」
９　のぶこ「家来３！　おまえは部将から勘定役だ！」
　　家来３「銭勘定ならお任せを！」
８
１　のぶこ「４は料理人、５は城の修復、
　　６と７は部将として戦に参加だよ！」
　　家来４・５・６・７
　　「御意」「承知」「合点」「お任せあれ」
２　のぶこ「てな具合に役目を変えて････父上は」
３　のぶこ「隠居してもらうよ！」
　　父「なななんと！？」
４　父「馬鹿を申すな、わしがいなければ
　我が家が成り立たぬではないか！」
　　のぶこ「父上のおかげでこんなことになったんだよ、
　反省しなさい！」
５　父「老兵は死なず、ただ消え去るのみというではないか！」
　　家老「ならば消えてくだされ」
６　家老「もはやこれまで通りではなりませんぞ」
　　父「家老、お主もか！」
７　のぶこ「そして、のぶお、おまえが殿になるんだよ！」
　　のぶお「え、俺？」
８　のぶお「てなわけで、俺が瀬久原家当主である！」
　　家来一同「ははー」
９
１・２　のぶお「ほいじゃあ、殿就任祝賀会やるんべえ」
　　酒盛り　やっほーい
　　のぶお「やめな！　遊んでる場合じゃないよ！」
３　のぶこ「これから江呂に反撃するんだよ！」おー！
　　家老「しかし姫、佑辺との同盟はまだで、米も････」
４　城門で出陣隊列　鎧武者姿
　　のぶこ「使いの者は送っといたよ、米も借りる！
　　いざ出陣！」
　　のぶお「いってらっしゃーい」
５　のぶこ「おまえが総大将だよ！！」耳引っ張る
６　江呂方の城　遠景
　　「瀬久原が攻めてきました！」「なに！？」
７　城主、やぐらから外を見る
　　城主「大軍ではないが面倒だな」
８　家来「書状が来ました！」
　　城主「瀬久原から？」
１０
１　城主「『これより我らの勝ち戦を御覧にいれよう。
　それで従うもよし、逆らい滅ぶもよし、よく考えられよ』
　･････こしゃくな」
２　城主「すぐ大殿に知らせよ、援軍を送ってもらう」
３　江呂の城　遠景
　　「なに、瀬久原が攻めてきたと！？」
４　広間
　　江呂「ふん、この期に及んで逆らうとは、
　そんなに滅亡を望むなら、よし、潰してくれよう」
５・６　出陣の列
　　江呂「この戦を瀬久原の最後にしてやるわ！
　　　はっはっはっは」
７　家来「城の包囲完了！」
　　のぶこ「のぶおは？」
８　家来「温泉に入っております」
　　のぶお、露天風呂でゆったり
１１
１　のぶこ「戦の最中になにしてんだ！！」
　　のぶこ、のぶおの耳を引っ張り、
　　のぶおは股間を手ぬぐいで隠しつつ
　　のぶお「だってここは有名な温泉地で････」
２　のぶお、裸のまま、
　　家来「姫、江呂軍がこちらに向かっているもよう！」
　　のぶこ「来ると思ったよ、伏兵準備！
　手はず通り南前方に柵を建てよ！　急げ！」
３　のぶこ「佑辺はどうした？」
　　家来「まもなくこちらへ到着！　米もバッチリと」　
４　江呂方の城を囲む瀬久原軍　遠景
　　家来「瀬久原が城を囲んでおります」
５・６　江呂軍本隊　馬上の江呂
　　家来「兵力は我らの半分もありません」
　　江呂「当然だ、あがきに過ぎぬ。　前進！」
７　瀬久原本陣
　　家来「姫、江呂軍が来ます！」
　　のぶこ「よし、包囲をとけ、陣を構えろ！」
８　のぶこ「ほれ、総大将、命令を････あれ？」　
１２
１・２　のぶお、野原で虫取り
　　のぶこ「のぶおーっ！！」
３　のぶこ「おまえが総大将だと言ってるだろがっ！！」
　　と、のぶおの首を絞める
　　のぶお「だって、アネーウェに任せりゃ大丈夫と
　思って････」ギギギ
４　のぶこ「伏兵に知らせよ、江呂本隊が来たら攻撃開始！」
　　のぶお「来たら攻撃開始！」
５・６　江呂軍
　　江呂「敵は弱小だぞ、踏み潰せーっ！！」
　　法螺貝ブオー　わー
７・８　瀬久原軍
　　のぶこ「やつらを迎え撃てーっ！」おー
１３
１・２　両軍激突　わーわー
３　家来「先鋒が崩されました！」
　　江呂「弱小相手に何をしておるか！　突っ込め！！」
４　家来「瀬久原の伏兵が！」
　　江呂「む、奇襲か！？」
５・６　瀬久原家来２・６・７と、足軽達の奮戦
　　家来２「行けーっ！　江呂の首を取れーっ！！」
７　江呂「まだ逆らうか、しつこいやつらだ」
　　家来「殿！　佑辺軍が！」
８　遠景　佑辺軍の旗の列
　　家来「瀬久原軍に加勢したもよう！」
１４
１　家来「我が軍は不利です！」
　　江呂「おのれ････退却だ、ひけーっ！！」
２　家来「江呂が退却します！」
　　のぶこ「逃すな！　追撃だよ！」
３・４　追撃遠景　わーわー
５　家来「江呂軍、総崩れで退却！！」
　　やったー！！
６　家来「城が降伏しました！」
　　城主「開城いたす」
　　のぶお「よし！！」ふんぞり返る
７・８　のぶお「我が軍大勝利！！」
　　　　ばんざーい！！
　　　　のぶこ「まだだよ！！」
１５
１　のぶこ「この勢いですぐに他の城も取るんだよ！」
　　のぶお「え～、めんどくさいよ～」
２　のぶこ「今やらなきゃもっと面倒になるんだよ！！」
　　と、のぶおの首絞める
　　のぶお「やるやる！」
３・４・５　「あっち取り」「こっちも取って」
　　「そっち取り」
６・７　のぶこ「なんだかんだで逆転したよ！」
　　のぶお「わーい！」
８　のぶお「みなの者、目指すは天下であるぞ」
　　と、ふんぞり返る
　　のぶこ「態度変わるね」
１６
１　のぶこ「じゃ、あとは頼んだよ、殿様」
　　のぶお「え～、これから誰が命令すんだよ」
２　のぶこ「おまえに決まってんだろが！！」
３　出陣の列
　　のぶお「てなわけで、大大名として天下を競うでよ」
　　♪天下人～になったーら　家来が万人できるかな
４　広間
　　家老「すっかり殿様らしくなりましたな」
　　父「わしは納得しとらんぞ！」
５　父「江呂はまた反撃してくるぞ！
　佑辺の援軍なしで撃退できるのか！？
　また元の木阿弥になりかねんぞ！！」
　のぶお「チチーウェ！」
６　のぶお「江呂の首取ってきたで。
　元から断たなきゃダメと思ったでね」
　　首をドンと置く
７・８　のぶお「江呂家は滅亡、
　ほかもどんどん攻めるでよ！」
　　家来一同「おー！！」
　　父「わしの長年の苦労はなんだったのか････」
　　父倒れ、家老支える
　＜こうして瀬久原家は天下人になったとか
　ならないとか、どうなんだか＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　完