第三章ダイジェストその3
翌日、武術祭二日目は一回戦の後半八試合が行われる事となっており、カイル達は直接関係ありそうなダリウスの試合を見に向かった。
その日の試合は順調に進んでいったが、やはりカイルの障害になりそうな選手はおらず、やはり注目は最後の試合であるダリウスのみのようだった。
そして一回戦最終試合が始まろうとしているのだが、ダリウスが先に紹介されて妙な事に気付く。
最後の試合は両者ともサプライズ枠で事前には解っておらず、盛り上げる為ならば前回優勝者であるダリウスは最後の最後に紹介されるべきで、この後紹介される選手が格下相手では霞んでしまうからだ。
つまりダリウス以上の選手がいると言う事になる。
ダリウスも既に対戦相手を知らされているのか、渋い顔で対戦相手の出てくる西門を見ており、心なしか緊張も見て取れた。
そして現れたのは、浅黒い肌に燃えるような赤髪、身の丈程もあとうかというグレートソードを背にして猫科の大型肉食獣を連想させるかのような不敵な笑みを浮かべ、ゆっくりとした足取りで中央へと歩みを進める女性。
それは間違いなくセランの義母でカイルの師匠である『紅髪鬼』レイラだった。
その瞬間、落雷が百本まとめて落ちたのではないかというくらいの、爆発的な歓声が闘技場を揺るがした。
これにはカイル、そしてセランやリーゼも口を大きく開けて驚くしかなかった。
互いに優勝経験者という試合に観客は大いに盛り上がり、試合開始となる。
レイラの武器は身の丈ほどもあろうかと言うグレートソードで、大きさと重さを利用したその破壊力は凄まじく一撃必殺と言っていい。
だがその分二撃目に移るのには時間がかかるので、ダリウスはレイラの初撃を捌くか、あるいはそれより速く攻撃する事が出来れば圧倒的に有利になる。
それはダリウスもレイラもよく解っており、そのまま二人は動かなくなる。
盛んに声を上げていた観客たちもやがて息をのむかのように静かになり始めた。
向かい合う二人を見て、カイルとセランはダリウスに同情しつつやはりレイラが有利だと、ウルザ達に解説する
とうとう覚悟を決めたダリウスが動き、レイラに突進する。狙うは心臓を含めた身体の中心だ。
迎え撃つレイラはそのままダリウスに向けて全力全壊の振り下ろしを打ちかました。
闘技場全体が揺れたのではないかというその一撃は、まるで爆心地かのように地面が半球状にえぐり、へこませる。
まともにくらえば人間など跡形もなく消し飛ぶであろうその一撃をダリウスはかろうじて躱していた
ギリギリのところで減速し、魂をすり減らすかのような思いで、紙一重で躱したダリウスはここしか勝機はないとレイラに斬りかかろうとした――が出来なかった。
振動や音、巻き上げられた土、ありとあらゆる衝撃が爆風のようにダリウスの全身を襲い、躱したはずなのにダメージを受けてしまったのだ。
すぐさま反撃出来るようギリギリまで引きつけ、紙一重で避けたのが完全に裏目に出る。
それでもダリウスは無理矢理身体を動かし斬りかかろうとしたが、それよりも早くレイラが斬り上げる二撃目をダリウスに叩き込む。
下からの、突き上げるかのようなグレートソードの攻撃をダリウスはかろうじて剣で受ける。
まともに受ければ剣ごと破壊されかねない攻撃、武器破壊されれば勝ち目は無いので衝撃の一部を身体に流し、ダメージを更に受けつつも踏ん張り何とか耐えきった――そう思ったが、これで終わらなかった。
レイラはそこから、渾身の蹴りを自分のグレートソードに叩き込み、そのままダリウスもろとも蹴り上げる。
グレートソードの一撃で既に身体が浮きかけていたダリウスは、そのまま成す術もなく剣も破壊され宙へと跳ね上げられた。
ダリウスは三階建ての建物を超えるかのような高さまで飛ばされ、そしてすでに意識を失っていたのか、受け身も取れずそのまま頭から落下し動かなくなり、爆発するかのような喝采が闘技場中に響き渡った。
◇◇◇
控室に向かうとレイラは故郷のリマーゼと変わらない態度で、カイル達を迎えた。
出ようと思った理由は単に息子と弟子が出るから面白うだと思って、と実に軽く言い、セランとカイルは大きくため息をついた。
自分の事は気にせず戦えと言う師匠に、カイルは恐る恐る優勝しなければいけない理由を説明する。
が、予想どおりレイラはそれがどうしたという態度を崩さず余計面白がるだけだった。
更にレイラはセランに棄権等せず、準決勝でカイルと全力で戦えと命令する。
これにはリーゼは大きく反応し、顔を青ざめて、叫ぶように止めに入った。
それにレイラが答える前に新たにな客人が表れた。
ドア開け入ってきたのは、見かけはただの老婆だが、帝国で皇帝や皇太子に次ぐ重要人物のベアドーラだ。
そんなベアドーラにレイラは気安く話しかけ、旧知の間柄と説明し、カイルの母セライアの師匠だったことも教える。
ベアドーラがここに来た理由は過去に問題を起こしたこのあるレイラに忠告をする為で、用が済んだら早々に帝国から立ち去るようにと言うものだった。
レイラも問題を起こすつもりは無い、息子たちの成長を確かめたらすぐに立ち去ると言うと、とりあえずは納得するベアドーラだった。
そして今度は二人っきりで話し合いたいと言い、カイルを連れ出した。
ベアドーラはカイルの魂の異常に気付いており、理由を尋ねるが説明する訳にもいかずカイルはとぼける事にする。
またカイルのその魔力の強大さにも目をつけており弟子になり、ゆくゆくは後継者にと誘いをかける
「お言葉は嬉しいですが、剣士の方が主体ですので……」
カイルの目的は全世界に影響を与える英雄になる事。ベアドーラの後継者ならそれに近い事が出来るかもしれないが、大侵攻まで三年もなく、ゆくゆくはでは間に合わないのだ
母親のセライアと同じく断られ、ベアドーラがどうしたものか落胆する。
「お気持ちお察しします。もし何かお力になれる事がありましたら言ってください」
母親の師匠ということで社交辞令のつもりで言ったこの言葉。
カイルは軽い気持ちで言ったのだが、後に後悔するがそれはまた先の話だった。
「しかしまいった……本当にここまでの計算外が出るとは思わなかった」
レイラと別れた後の闘技場からの帰り道で天を仰ぎ、心の底から嘆くカイル。
一対一で戦ったとして勝つ確率はどれくらいなんだ? というウルザの問いに、カイルは腕組みをして難しい顔で考える。
「……決して勝てないとは言わない。だが何というか……正直なところ苦手意識がきつい」
やはり幼い頃からの記憶とでも言うのか、レイラの前に立つと精神的に萎縮してしまうのだ。
そんな精神状態では戦う前から負けているのと同じだ。
とりあえず準決勝はレイラにばれないような八百長試合をして誤魔化そうと言う、後ろ向きな解決法を示す。
決勝の方はそれまでに何かいい案を考えようと、カイルは今日何度目になるかわからないため息をついた。
◇◇◇
翌日、武術祭は二回戦の八試合が行われ、カイルとセラン、そしてレイラも当然の如く勝ち進んだ。
カイルは闘技場内にある練習試合をするための場所に立ち、幻闘法と言われる催眠と幻影を利用した練習法をするが、どうしてもレイラに対する苦手意識が振り払えないでいた。
カイルが頭を抱えていると次の対戦相手であるリザードマンのゴルダーが練習場に入ってくる
ゴルダーの右足には金属製の輪が目立つようについていた。
(奴隷の証……戦争奴隷の剣闘士か)
ガルガン帝国には奴隷制度があり、奴隷には借金等の負債からなる金銭奴隷や戦争で捕虜になり身代金が払えない戦争奴隷、法を犯したことによる犯罪奴隷などがある。
どれも期限付きの一代のみだが、昔は奴隷の子は奴隷、そして永遠にその連鎖が続くという制度もあったがさすがに今は無くなっている。
帝国は大陸南部にも侵攻しているので、そこの支配地域からの戦争奴隷なのだろう。
奴隷が希望してなれる職業の一つに剣闘士があり、戦える者は望むものが多い。
勿論命を落とす可能性もあるのだが、活躍すれば短期間で自由の身にもなり、富と名声も手に入れる事が出来るからだ。
リザードマンは生まれながらの戦士の種族と言ってよく、剣闘士お似合いなのだろう。
そしてゴルダーは訓練に入る前に、左の手のひらを天に向けて何かを呟いたかのようで、それを見てカイルの記憶が刺激される
かつての仲間で戦友のリザードマンがおなじことをしていたのだ。
「確か……アザウルだったけ?」
カイルがそう口をついた瞬間ゴルダーの動きがピタリと止まる、一気にカイルの目の前に駆け寄り、下手な答えをすれば斬りかからんばかりにアザウルの事を問い詰めた。
(俺って奴はまた同じ失敗を……リザードマンは耳がいいって事忘れてた)
予期せぬ出会いで動揺して真名を言ってしまった、ウルザの時と同じ失敗だ。
今回は気落ちしていて、沈んでいたところで思わず呟いてしまったのだ。
この距離で呟きに近い独り言を聞かれるとは完全に予想外だったとはいえ、とてもではないが誤魔化せそうにないので仕方ないので真実を混ぜつつ説明をする。
「……俺の知っているリザードマンが同じ事をしていた。尋ねたらアザウルというリザードマンに伝わる戦の神への祈りだと説明してくれた」
部族に伝わる試練を潜り抜けた証として選ばれた者しか許されない祈りだと、と自慢気に言っており、そのリザードマンの名は知らないと誤魔化すと、カイルが拍子抜けするくらいにゴルダーは態度を軟化させた。
勇者が認めた相手なラ、良い戦いができそうと、カイルに笑いかけるゴルダー。
「ほんと戦闘狂の種族だ……」
カイルは苦笑し、仲間の為、何よりも己の為に死んでいった誇り高きリザードマンの事を思い出す、いつかまた会いたいものだと思った。
◇◇◇
闘技場からの帰り道カイルは大聖堂前で足を止め、二日前にリーゼと共に来た時に感じたあの粘りつくかのような悪意を思い出し、ついでに今度こそ祈ってみようかと思い、入ってみる事にする。
そこで偶然コンラート皇子と会い、この間の晩餐会と同じようにカイルに何か話そうとするが神官長のバーレルにエルドランドから呼ばれていると止められる。
コンラートは更に不機嫌そうになったあと、仕方ないとばかりに早足で大聖堂から出ていった。
何だったんだと思いながらコンラートを見送るカイルだが、バーレルが代わりに謝罪をし自己紹介をする。
そしてバーレルは是非お話ししたいと、かなり強引にカイルのことを奥へと連れて行った。
神官長用の部屋で歓迎され、バーレルはカイルの事をひたすら褒め称えていた。
この手の接触は少しずつ出始めており、カイルも神官長の誘いは無下にできずこれも必要な事と相手をしていた。
だが突如として、バーレルはエルフへの蔑称である耳長を使いウルザの事を侮辱し始める。
そしてカイルは二日前と同じ、おぞましさを伴った不快な気配、思わず剣の柄に手を伸ばしかけるほどの悪意を感じる。
それは間違いなく目の前の、座りただ静かに笑っているだけのはずのバーレル神官長から発せられていた。
「お前……メーラ教徒か!」
カイルは人族社会で禁忌となっている邪神の名をあげた。
女神メーラはこの世界と大陸を創世したという大地母神カイリスの双子の姉、そう神話で語られていた。
神々の中でも最も古い神の一柱で、偉大な力を持っておりその信者はかつて世界中にいた。
しかし双子でありながらその本質は全て真逆と言ってよく、カイリスが司るのが光ならメーラは闇、昼と夜、真実と装いなどだ。
そしてカイリスが慈愛ならメーラは偏愛で、人族の中でも人間のみに偏った愛をそそぐ女神だ。
必然的にその信者は人間至上主義となり、エルフやドワーフをはじめとする他の人族を迫害していった。
そしてメーラ信者の中でも特に強硬な者達は他の人族に無差別攻撃すら仕掛けようにもなり、当然人間以外の種族に受け入れられるはずもなく、人間からも段々と排斥されることとなり、今では邪教扱いになりほとんどの国でその信仰が禁止されている。
だがそれでも人間社会に根強く残っており、影響力があると噂されている、それがメーラ教だった。
そしてバーレルが言うには、指導者である聖下の英霊でカイルをメーラ教信徒に迎え、いずれはメーラ教そのものを支えてほしとの事だった。
「……は?」
一瞬何を言っているのか解らなかったがバーレルは本気であり、理由を尋ねても聖下の命令としか言わない。
そして聖下の命令である以上これはく確定事項であり一切の疑いを持たないその目は、まさに狂信者の目の輝きだった。
そしてバーレルは心からの善意と言わんばかりにこちらが用意した奴隷と戦ってくださいと提案してくる。
そして派手に勝ち名声を高めてくださいと笑顔で語り、更にはウルザは早めに始末した方がいいと言ったところでカイルは剣を抜きバーレル首に突きつける。
「ウルザに何かするつもりならただではおかないぞ」
カイルが言葉にも本気の殺意をこめるが、喉元に剣を突きつけられているというのに、バーレルの態度は変わらない。
ここでカイルは自分を斬れないと解っているし、斬ったところで問題ないとさえ思っているのだ
それが聖下のためだと、メーラ教の為だと心から信じているからだ。
(狂信者か……厄介な)
命も自分ものと思わず教義の為なら喜んで死ぬ、それができるのが狂信者だ。
そしてとりあえずウルザに関しては保留とバーレルが言うと、カイルは不快感を押さえ部屋から出た
◇◇◇
カイルは大聖堂を出た後、半ば走るかのように移動していた。
メーラの教えとカイルの目的は絶対に相容れない。
とにかく早急に確保しなければならないのはウルザの身の安全だった。
「暗殺者には……暗殺者だ」
カイルはその足でミナギの働いている酒場へと向かった。
◇◇◇
「というわけで正式に雇いたい」
給仕姿で料理を運んでいた仕事中のミナギは何が何やらと面食らっていた。
◇◇◇
事情を説明されたミナギはメーラ教についてある程度知っていた為、手段を選ばない厄介な相手だと難しい顔になる。
そして、ここしばらくメーラ教は活動控えていた筈なのにと少し首を捻る。
いずれにしろカイルには借りがあるので護衛を引き受けると言うミナギ。
仕事も今日で辞める予定だったから今夜からでもそのウルザに張り付くから安心してほしいと請け合った。
どうやら依頼の賭けで相当に儲けたようで非常に上機嫌なミナギだった。
◇◇◇
翌日の三回戦、試合場に出てきたゴルダーは昨日会った時とまるで様子が変わっていた。
遠目にも息が荒く、気のせいか身体中の筋肉が盛り上がって見え、身体が一回り大きくなっているよう感じられ、そして何よりその目が充血、いや血に染まっているかのように赤くなっている。
ゴルダーはカイルの姿を見た瞬間、開始の合図も待たず雄たけびをあげ、駆け寄り斬りかかってきた。
前日の試合で見た洗練された戦士の動きとはまるで違う、直線的な力任せの剣の攻撃で、頬を掠めるようなギリギリで躱すカイル。
「ブラッドアイ……それも原液を飲んだな?」
ブラッドアイとは特殊な幻獣の血を利用した、戦闘能力を飛躍的にあげることができる秘薬だった。
効果だけみれば戦士にとってこの上ないが、当然都合の良い事ばかりではなく中毒性や特に身体的な副作用がひどく、服用しすぎると精神にも異常をきたし、確実にその命を削る秘薬で完全な違法の品だ。
服用者の特徴として目が血のように赤くなるのが、ブラッドアイの名前の由来だった。
知っていたかというゴルダーに、カイルは冷静に答えた。
「ああ……よく飲んでいたからな」
その後カイルは知っているからこその弱点をついて行く
聴覚が鋭くなりすぎるので、耳付近で金属音を鳴らし脳を揺らすかのような衝撃を与える。
反応が良くなりすぎるので、それを利用したフェイントにかけ攻撃を当て続ける。
痛みを感じないが負傷しないわけでは無いので、手足の腱を正確に狙い動きを封じる。
こうして試合は一方的になり、ゴルダーはあっという間に追い詰められていった。
そしてリザードマン最後の奥の手、火吹きをゴルダーは放つが、これも事前に知っていたカイルは火炎を躱し逆に体内の火炎袋部分を強く打って破り、体内で大爆発をさせた。
身体が半分吹き飛び、瀕死のゴルダーにカイルは何故こんな真似をと聞く。
ゴルダーは自分の所有者が変わり、戦いを奪われるか戦って死ぬかの選択を迫られた為、戦いが全ての自分はこの試合で勝っても負けても死ぬことを選んだのだと言った。
戦って死ねて本望だと笑いながらゴルダーは死んでいった。
昨日ほんの少し話しただけの間柄で、別に悲しむ必要は無い。そう自分に言い聞かせながら控室へと向かった。
そんなカイルを目論見通り派手に勝ち名声を得る事が出来ましたねと、笑顔で迎えるバーレル。
そんなバーレルに対してカイルは……ニコリと笑いかけ、そのまま通り過ぎた。
その笑顔に少し驚いたかのようなバーレルだったが、こちらも笑顔になり頭を下げカイルを見送った。
「不思議なものだな……怒りも過ぎると笑えてくるなんて……」
カイルはこの場で斬り捨てなかった自分の自制心を褒めていた。
◇◇◇
カイルは控室で椅子に座り天井を見上げる。
先ほどまではバーレルへの、メーラ教への怒りで感情が振り切れる寸前だったが、少し落ち着いた今どうしても脳裏に浮かぶのはゴルダーの事だ。
ゴルダーを殺したのは本意ではなかったし仕方のなかったこと、それは間違いないが、本当にこれでよかったのかこれしかなかったのか、とやはり考えてしまう。
命を捨ててきたゴルダー相手に圧勝できたのは反則の様な物で、こんな自分が、決勝のレイラ相手に気後れしている、簡単に言えば怯えているような自分が勝っていいのかとさえ思い始めた。
これはかつての仲間だったゼントスを殺した時にも考えた事だが答えは出ていない。
この後三回戦は無事終わり、セランもレイラも何の問題もなく勝ち上がり、こうして残す試合は明日の準決勝、そして明後日の決勝のみとなった。
◇◇◇
その日の夜、早めに床についていたカイルだったが眠らず眼を開いたままで、これは約束があるからだ。
指定の時間になるといつの間にか、しっかりと戸締りをしてあるはずの室内に人影が突如現れる。
目だけを出した黒づくめの、完全に闇に溶け込んだ姿のミナギで、今夜報告に来ると事前に知らされていなければカイルでも気付かなかったかもしれない完璧な隠形だった
そしてとりあえずウルザの護衛に問題は無く、怪しい人物もいないとの報告を受け安堵するカイル。
そして少し様子がおかしいカイルに気付いたミナギが気遣う声を出す。
「悩み事が多いだけだ……」
お前に心配される日が来るなんて、と前の人生では考えられなかった事態に苦笑するカイルだった。
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