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鈴木都議 HPで堂々「女性政策」

18日、都議会の一般質問でセクハラやじを受け涙する塩村文夏議員
18日、都議会の一般質問でセクハラやじを受け涙する塩村文夏議員

 東京都議会で飛んだ「セクハラやじ」で、自民党の鈴木章浩都議(51)が23日、一部の発言を認めた。都議を3期務める鈴木氏は、沖縄県・尖閣諸島に上陸し物議を醸したこともある都議会自民党の中堅議員。ホームページ(HP)の公約には「女性が働きやすい社会の実現」と記していた。

 鈴木都議のHPに掲載された「政策の10か条」には、「女性が働きやすい社会の実現」を掲げている。

 「ワークライフバランスの推進のため、企業に働き掛け、数値目標を設定し取り組む」「女性モニターの声を都政に反映させる」

 都議会での乱暴な発言とは裏腹に、女性の社会進出を促進するという立派な政策が並んでいる。

 問題発生から5日。発言主であることを否定し続けてきたが一転、発言を認める状況に追い込まれた。ヤジ発言と自身の政策に落差がある鈴木都議とは、一体どんな人物なのか。

 都議2期目の12年8月、尖閣諸島の魚釣島に地方議員や政治団体幹部らと計10人で上陸。約2時間滞在して日の丸を掲げるなどして、沖縄県警の任意聴取を受けた。当時の記者会見では「中国人の不法上陸が引き金。日本の誇りを守るためだった」。HPにも「日本人としての誇りを取り戻し、お互いが支え合う自助、共助の社会構築が重要だ」と記していた。

 大田区議だった06年には、海外視察の報告書をネットから丸写ししたことが発覚し、政治家としての資質が疑問視されたこともあった。今回も女性蔑視の“本性”を図らずも露呈した。

 地元商店会の男性(72)は「酒の席だけど、『商売やるより議員の方が稼ぎがいい』と漏らしたこともあった。酔っていたとはいえ、政治家として信頼できないと感じた」と突き放した。鈴木都議の事務所近くに住み子供3人を持つ主婦(45)も「(女性差別が)心の底にあったから出てしまった。議員としても問題、早く辞めてほしい」と手厳しかった。大田区民にとっても、鈴木都議の振る舞いは、会派離脱だけでは収まりそうもない。【斎藤暢也】

<「ヤジ」騒動経過>

 ▼6月18日 東京都議会本会議の一般質問で、妊娠や出産に関する政策を尋ねたみんなの党の塩村文夏都議に、男性議員から「早く結婚しろ」「産めないのか」などとヤジ

 ▼19日 塩村都議が報道陣に「悩みがある女性に対して、否定するようなヤジが相次ぎ、皆で笑っていた。悲しい気持ちになった」と発言。都議会自民党は聞き取り調査

 ▼20日 塩村都議が、地方自治法に基づき発言者を特定し処分するよう議長宛てに処分要求書。議長側は要件不十分として受理せず。みんなの党の浅尾慶一郎代表が、声紋分析実施を検討する意向

 ▼21日 自民党の石破茂幹事長が民放のテレビ番組で「発言者は自ら名乗り出るべきだ」。塩村都議がこの問題に関してインターネット上に書き込んだつぶやきを、約3万人の読者が転載したことが判明

 ▼23日 都議会自民党の議員総会で対応協議。記者会見した吉原修幹事長が、ヤジを飛ばしたのは鈴木章浩都議と説明

 [2014年6月24日9時54分 紙面から]

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