小田急脱線:車輪がせり上がる「乗り上がり」の可能性

毎日新聞 2014年06月24日 20時11分(最終更新 06月24日 20時23分)

小田急電鉄相模大野駅構内で脱線した車両=相模原市で2014年6月19日午後7時7分、本社ヘリから
小田急電鉄相模大野駅構内で脱線した車両=相模原市で2014年6月19日午後7時7分、本社ヘリから

 相模原市の小田急相模大野駅で回送電車が脱線した事故(19日)で、小田急は24日、車輪がレールをせり上がる「乗り上がり脱線」が起きた可能性が高いと発表した。発生前日の18日、先頭車両を除く5両について車輪を削って形状を整える作業をしており、脱線との関連を調べている。

 事故は車両基地から本線に入る右カーブ付近で発生。3、4両目と最後尾の計3両が脱線した。遠心力で横向きの力がかかり、車輪が回転しながらせり上がった後、脱線したとみられる。

 車輪の形状を整えるため、鉄道各社は定期的に表面を削り形状を整えている。過去にはこの作業によって摩擦係数が上昇し、乗り上がり脱線の原因となった事例がある。レールの摩耗も脱線を引き起こす可能性があり、JRグループの研究機関「鉄道総合技術研究所」(東京)の協力を得て調査を続ける。

 小田急は現場周辺のレールを交換。さらにレールの内側に鉄板を取りつけ車輪が外れないようにする「脱線防止ガード」を設置した。さらに摩擦係数を下げるため、車輪や付近のレールに油を塗った。【佐藤賢二郎】

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