不正ログイン:アカウント乗っ取り被害相次ぐ 金銭被害も
毎日新聞 2014年06月24日 20時43分(最終更新 06月24日 21時18分)
インターネット上のサービスの利用者が、自分のアカウント(利用のための権利)を何者かに乗っ取られる「不正ログイン」が相次いでいる。複数のサービスで同じIDとパスワードの組み合わせを使い回す人に被害が拡大しており、専門家は「サービスごとにパスワードを変更して」と呼びかけている。
被害を公表しているのは、▽無料通話アプリ「LINE(ライン)」▽「ニコニコ動画」を運営するドワンゴ▽SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の「mixi(ミクシィ)」▽ブログなどを運営する「はてな」。悪意を持った何者かがそれぞれのサイトに不正アクセスを試み、盗み出したアカウント情報を使って他のサービスにも攻撃を仕掛けることで被害が拡大している。
この手口は、利用者が同じIDとパスワードの組み合わせで複数のサービスを利用していることに目を付け、盗んだアカウント情報をリストのように使って不正ログインすることから「リスト型アカウントハッキング」と呼ばれる。
LINEによると、「なりすましメッセージを受け取った」など、発覚した不正ログインは今月16日までに303件。何者かが利用者になりすまし、LINEでつながる知人に「ウェブマネー(ネット上で使えるプリペイドカード)を買うのを手伝ってほしい」などと持ちかける。相談された側は本人からの依頼と信じて実際にウェブマネーを購入するなど、金銭的な被害が少なくとも3件確認された。同社は警視庁に相談するとともに、注意喚起メールを利用者全員に送った。
ドワンゴの不正ログイン被害は17日現在で計29万5109件。判明したニコニコ動画の利用者のアカウントを、パスワード変更まで凍結した。利用者の性別や生年月日、メールアドレスなどの個人情報が盗み見られたり、本人になりすまして動画やコメントを投稿されたりする恐れがあるという。利用者がためたポイントを不正に使用する被害も23件(計17万3713円分)に上った。
ミクシィは16日現在で26万3596件。はてなは19日、「メールアドレスが勝手に変更されている」との問い合わせを受けて調べたところ、2398件の不正ログインを確認した。金銭的被害はないが、利用者を装ってメールアドレスを変更し、ネット上で使えるギフト券を申し込もうとしたケースが3件あったという。